【Display 2005レポート Vol.4】RGBフィルターを使わない“フィールドシーケンシャル”方式をデモ――NECブース
2005年04月20日 23時44分更新
“Display 2005”は、完成部品としての液晶パネルをどのような製品へ応用するかという、“アプリケーションレベル”の提案・商談の場である。それを強く意識してか、多くのメーカーが表示方式やサイズなどで区分けして展示しているのに対し、日本電気(株)は“医療”、“CAD/CG/DTP”、“モバイル”など具体的な応用分野をコーナー名に構えてそれに最適と思われるデバイスをコーナーに合わせた映像でデモンストレーションしていた。
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QSXGA(2560×2048ドット)表示の20.1インチ液晶パネルを参考出展したNECブース。画面はCADアプリケーションを表示したところ | こちらはデジタルカメラで撮影した画像を表示したところ。アスペクト比が5:4なので、5Mピクセルのデジタルカメラで撮影した映像を全画面表示するわけにはいかないが、それでもこの解像度でプレビューできるのは“ちょっと快感”だろう |
“CAD/CG/DTP”のコーナーでは、“5Mピクセルの大容量表示を実現”というキャッチコピーが目を引く。デジタルカメラの分野では、今や5Mピクセルといってもコンパクトな入門機に搭載されていておかしくない解像度だが、液晶ディスプレーで5Mピクセルとなると話は異なる。5Mピクセル=2560×2048ドット、つまりSXGA4画面分の表示解像度を実現した20.1インチの超高精細高解像度パネルが参考出展されたのだ。輝度は250cd/m2、コントラスト比400:1、表示色数は約1677万色(フルカラー)となっている。これが実用化されれば、CRTディスプレーから液晶ディスプレーへの置き換えがさらに加速しそうだ。
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2.5インチで320×480ドットのハーフVGA表示を実現する携帯電話向けの“SOG液晶パネル” | 各画素にRGBフィルターを用いない、“フィールドシーケンシャル”方式でカラー表示を実現する2.5インチのQVGA液晶パネル |
“モバイル”コーナーでは、NECが“SOG(System on Glass)”と呼ぶ高精細な低温ポリシリコンTFT液晶パネルがいくつか参考出展されていた。ひとつは2.5インチで320×480ドットのハーフVGA、もうひとつは表示解像度こそ240×320ドットのQVGAだが、RGBフィルターを持たない新方式“フィールドシーケンシャル”表示のものだ。フィールドシーケンシャルとは、光源自体にRGB3色のLEDを用いて高速/交互に明滅させ、そのタイミングに合わせて液晶シャッターをオンオフすることで色を表現するというもの(展示された試作品では約26万色表示)。肉眼ではもちろん、1/60秒程度でシャッターを切ったデジタルカメラの映像でも、色の破綻は見られなかったが、現在のところ切り替え速度や消費電力などの詳細なスペックは非公開となっている。会場の説明員は、
- バックライトがカラーフィルターを通過しないため高輝度が得られる
- フィルターを形成する工程が省略できるのでコスト削減につながる
- カラーの1ピクセルをRGB色で表現していた従来の手法より高精細化・高密度化が期待できる
- ドット欠けも起こりにくい
などのメリットを説明していた。
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