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【IDF Japan 2005 Vol.4】デュアルコアCPUのプラットフォームの姿が明らかに――IDF-Jにてマルチコア技術についてのセミナーを開催

2005年04月09日 15時57分更新

文● 編集部 小西利明

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セミナーで披露されたデモでは、映画品質の3Dグラフィックスのレンダリング速度を比較する『Cinebench 2003』を使用して、Pentiumエクストリーム・エディション 840-3.20GHzとPentium 4エクストリーム・エディション-3.73GHzのシステムでのレンダリング速度を比較した。4つの論理CPUを持つPentiumエクストリーム・エディションは、1枚のCGを4つに分割して計算を行ない、1分程度でレンダリングを終了したが、1コアで2つの論理CPUのPentium 4エクストリーム・エディションは20秒ほど遅かった。その他のアプリケーションでも、ムービーのトランスコーディング(フォーマット変換)は約50%、MP3エンコードが約65%、3Dゲームの描画性能は約124%増など、さまざまな高負荷アプリケーションでのパフォーマンスを向上させるとしている。

Pentiumエクストリーム・エディションが4つの論理CPUに対応している証である、4つ並んだタスクマネージャーのCPUメーター
Pentiumエクストリーム・エディションが4つの論理CPUに対応している証である、4つ並んだタスクマネージャーのCPUメーター
Cinebench 2003による比較では、Pentiumエクストリーム・エディション(右)が早々に終わったのに対して、Pentium 4エクストリーム・エディション(左)はさらに数十秒を要した。クロック周波数の差以上に、コアの増加が効いてる
Pentiumエクストリーム・エディションが優れたパフォーマンスを発揮するアプリケーションと、パフォーマンス差の例
Pentiumエクストリーム・エディションが優れたパフォーマンスを発揮するアプリケーションと、パフォーマンス差の例

Intel 955X Expressチップセットの主な仕様についても解説された。Pentiumエクストリーム・エディションと同じく今年第2四半期中に登場する予定のチップセットで、メインストリーム向けのIntel 945シリーズに対して、ハイエンド向けに位置づけられている。

システムバスクロック周波数
800、1066MHz
対応メモリー
デュアルチャネル DDR2 667(ECCメモリにも対応)
最大物理メモリー量
8GB
グラフィックスカード用インターフェース
PCI Express x16(ブリッジチップを使用すれば、もう1系統のPCI Express x16を利用可能に)
拡張スロット用インターフェース
PCI Express x1×6、PCI×6
ストレージ用インターフェース
シリアルATA×4、パラレルATA×1(オプションでRAID 0、1、5、10などに対応)
USBポート
USB 2.0×8ポート
オーディオ機能
インテル ハイ・ディフィニション・オーディオ対応
Intel 955X Expressチップセットの主な機能。基本的には現行のIntel 925Xに、デュアルコアCPU対応の機能を付加したものと言える
Intel 955X Expressチップセットの主な機能。基本的には現行のIntel 925Xに、デュアルコアCPU対応の機能を付加したものと言える

セミナーの終わりにパウロスキ氏は同社のプラットフォーム戦略について触れ、「インテルはプロセスやチップセットだけを作る会社ではなく、ボードやシステムのシャーシなども作っている。また電力や冷却機構など、システム全体の性能を上げる仕組みも考えている」と述べ、ハードウェア製品だけでなく業界標準の規格化や、開発ツール類のようなソフトなど、ただの半導体企業ではなく、多くの要素をユーザーに提供する企業となっていることを語った。

そしてマルチコア化に関わる業界各社との協力の例として、“インテル スレッディング・イネーブリング・プログラム”を紹介した。これはマルチコアベースのコンピューターを製造するコンピューターメーカーや最適化されたソフトウェアを開発するデベロッパー向けのプログラムで、開発用ハードウェアやアプリケーション開発用のソフトウェアツール、さらにアプリケーション開発支援のためのサポートサービスなど提供し、ソフトウェア会社と協力していることを語った。同社の強みは単にプロセッサーだけでなく、多額のコストをかけた開発者支援にもあることがうかがえる話であった。

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