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マイクロソフト、月例のプレスセミナーを開催――2005年度の製品/サービスのビジネス戦略を説明

2004年10月01日 21時15分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は9月30日、都内ホテルで月例のプレスセミナーを開催し、同社の2005会計年度の各製品分野の基本戦略に関する説明を行なった。このセミナーは8月に開催された経営方針説明会の内容を補足するもので、より具体的な製品/サービスの展開が説明された。同セミナーでのプレゼンテーションは、執行役常務・ビジネスマーケティング担当のアダム・テイラー(Adam Taylor)氏が行なった。

執行役常務・ビジネスマーケティング担当のアダム・テイラー氏。過去に日本への留学経験があり、一部で日本語によるコメントも披露テイラー氏が長を務めるビジネス・マーケティング部門の役割

テイラー氏が統括するのは、

  • Windowsビジネス(Windows OS関連製品群)
  • インフォメーションワーカービジネス(Office関連製品群)
  • サーバープラットフォームビジネス(Windows Server関連製品群)
  • モバイル&エンベディッドデバイスビジネス(Windows CE/XP Embedded/Mobile/Automotiveなど)
  • ビジネスソリューションビジネス(日本では製品未発売。現在展開の準備中)

の5つ。同社のビジネスグループとしてはこのほか、MSNとホーム&エンターテインメントがあり、こちらとはパートナー関係として連携しているという。同氏のミッションは「日本の顧客により高い価値と満足を提供し続ける」ことだとし、「製品を“使える形”“意味ある形”で顧客に提供」していくことを目標としていると述べた。

Windowsビジネス部門の製品構成

同氏はこの日のプレゼンテーションで、統括する5つの分野について、それぞれの2005年度の戦略と取り組みを説明。まず、Windowsビジネスについては、

  • Windows XP SP2を継続的に啓発
  • Windows XP Professionalの優位性への理解促進とマイグレーション支援
  • パソコンで音楽/写真/テレビなどのデジタルコンテンツをより簡単に楽しめるソリューションを提供

といった従来の取り組みを継続しつつ、

  • 2005年から本格化する64bit版Windowsへのマイグレーション支援に向けた準備
  • 音楽/ビデオコンテンツのオンライン販売ビジネスの基盤整備を含めたWindowsプラットフォーム上でのオンラインコンテンツサービスの提供
  • Tablet PCやWindows XP Media Center Editionの機能拡張

に新たに取り組んでいくとした。また、これに続くステップとしては、次期Windows“Longhorn”に備えた取り組みが控えているとして、ビジネス市場向けには、スムーズな導入/展開や容易な管理機能、次世代ビジネスアプリケーションへの対応や情報管理における生産性の向上を、コンシューマー市場向けには、安全でより効率よく情報を扱える新機能、安全なコミュニケーション、写真や音楽などのデジタルメディアへの高度な対応(検索性の向上など)、といった点をアピールしていくと述べた。

インフォメーションワーカービジネス部門の製品構成

インフォメーションワーカービジネスにおいては、ユーザーとのコミュニケーションをより一層強固にしていくことを強調し、これまでに得たユーザーからのフィードバックを中心として準備を行なっているOffice 2003 Service Pack 1やIMEの辞書アップデートサービスの提供を行ない、さらには“Microsoft Office System”をより有効に利用するための支援活動も継続していくとした。また、新規のビジネスでは、「日本市場で開拓し、日本で先行してリリースする」製品への取り組みも強化するとし、2005年度の最初の成果として、9月に発売された『Microsoft Office InterConnect 2004』を紹介した。

将来に向けた取り組みとしては、インフォメーションワーカーのためのプラットフォームにおける新たな価値の提供に向け、投資と革新の継続を挙げ、“Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)”の実現や、ドキュメントコラボレーション/エンタープライズポータル/チームコラボレーション/リアルタイムコミュニケーション/ビジネス情報のレポーティングと分析といった分野での投資と革新を進めていくと述べた。

サーバープラットフォームビジネス部門の製品構成

サーバープラットフォームビジネスの分野では、ハードウェア/ソフトウェア/サービスを提供するマイクロソフトおよび各ベンダーによる、分散システムの設計/展開/管理/運用の簡素化と自動化、ソリューション提供に向けた取り組み“Dynamic System Initiative(DSI)”の推進による、最適なシステム運用管理とコスト管理の提供、“Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)”の実現による“止まらないビジネス環境”の提供を継続、セキュリティー強化を主としたWindows Server 2003 Service Pack 1の提供開始に向けた準備を進めていくとした。また、Microsoft .NETとXMLウェブサービスによる“新たなビジネス価値”の創出に向けた取り組みも強化していくという。

さらにこの先にあるステップとして、パートナーと連携した64bit化推進による可用性と信頼性の向上、Windows Server System関連製品全体に共通するサービスの提供計画“Windows Server System Common Engineering”ロードマップの推進、SQL Server 2005とVisual Studio 2005による次世代環境の提案、といった点に取り組んでいくと述べた。

モバイル&エンベデッドデバイスビジネス部門の製品構成

モバイル&エンベデッドデバイスビジネスでは、同社のパートナーが“製品の差別化を実現できる”柔軟性を持ったプラットフォームの提供(Pocket PC向けのWindows Mobile 2003 Second Editionやカーナビゲーション用のWindows Automotive)、エンタープライズのビジネスソリューションのパソコン以外のデバイスへの拡張の2点に継続して取り組み、9月28日に発表されたWindows CE 5.0やWindows Mobile for Portable Media Center Editionを利用した新しいモバイルメディアデバイスに向けたプラットフォームの提供も新たに推進していくとした。

組み込み用Windowsの応用分野としては家電機器などが挙げられるが、テイラー氏は、「日本の家電業界は、多くのノウハウを持っており、製品の競争力も強い」と日本の家電機器を高く評価。それを踏まえたうえで、パートナーとの協業による新しい革新の創造とそれを可能にするプラットフォームの提供、日本の家電機器で広く用いられているT-KernelとWindows CEの両方を実装した開発環境の提供、Windows Mobileプラットフォームの携帯電話などの接続型デバイスデバイスへの進化、などを将来の目標として挙げた。

ビジネスソリューション部門の製品構成。日本では未展開

日本では具体的な製品展開がまだ行なわれていないビジネスソリューションビジネスに関しては、本年度は日本市場を理解するための準備期間と位置付けているという。テイラー氏は、「スローな展開にはなるが、じっくりと(ビジネス展開を)考えていきたい」と述べ、中小規模の企業が多く、特有なビジネスのシステムや特徴を持つ日本市場を理解し、日本でのパートナーモデルを念頭に置いて、日本に適したビジネス展開の検討を開始するとした。

TCO比較セキュリティー比較相互運用性と開発生産性の比較
第3者機関によるWindowsとLinuxの比較評価結果

各ビジネス分野における取り組みの解説に続いては、同社のWindowsプラットフォームとLinuxプラットフォームの比較について言及。同氏は、サーバー市場がx86アーキテクチャーにシフトする動きの中、高価なUNIXサーバーからの移行ニーズや「取得コストとTCOが低いというイメージ」を評価して、Linuxサーバーを選択するユーザーが増えていると現状の分析を述べた。このような現状に対して同氏は、開発生産性/相互運用性/TCO/知的所有権に関するリスク/セキュリティーを総合的に考えた場合のWindowsプラットフォームのメリットを強調、第3者機関による、TCOやセキュリティー、開発生産性の評価結果を紹介し、「Linuxへとプラットフォームを移行したユーザーが、Windowsプラットフォームへと再移行を行なうケースも増えてきている」と述べた。

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