KDDI、最大2.4Mbpsのデータ通信が可能な第3世代携帯電話サービス“CDMA 1X WIN”を発表――パケット通信料定額サービスも提供
2003年10月23日 03時21分更新
KDDI(株)と沖縄セルラー(株)は22日、第3世代携帯電話サービス“CDMA 1X WIN(ウィン、以下WIN)”と、対応するau携帯電話/データ通信カード、大容量コンテンツ配信サービス“EZチャンネル”、パケット通信料定額サービス“EZフラット”を発表した。WINは高速データ伝送方式“CDMA2000 1x EV-DO(イーブイ・ディーオー、以下EV-DO)”を採用し、下り最大2.4Mbps/上り最大144kbps(ベストエフォート型)の伝送速度を実現する。使用する周波数帯域幅は提供中の“CDMA2000 1X”“cdmaOne”方式と同じ1.25MHzで、EV-DOのチップにはCDMA2000 1X/cdmaOne機能も包含されており、データ通信はEV-DOのIP網を、音声はCDMA2000 1X/cdmaOneの音声交換網を利用する。
WINブランドを発表するKDDI代表取締役社長の小野寺正氏 |
WINブランドに込めた意味 | WINは、CDMA2000 1X、cdmaOneと互換性がある |
WINと同時に発表された対応端末は、(株)日立製作所が製造する二つ折り型携帯電話『W11H』、京セラ(株)が製造する二つ折り型携帯電話『W11K』、京セラ製造のデータ通信カード『W01K』というラインナップ。W11Kは、KDDIのデザイン開発事業“au design project”の一環で、プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインしたもの。
11月28日のサービス開始時点でWINのサービスエリアは、関東/中部/関西の3大都市圏のみだが、WINのインフラが未整備な地域でも、CDMA2000 1X/cdmaOne方式のインフラを使ったデータ通信は可能。2004年3月末には全国の70%、2004年9月末には90%の人口カバー率達成を目指すという。
記者発表会冒頭で、代表取締役社長の小野寺正氏は、WINサービスの導入によって、ユーザーはパケット通信料割引きや新しいコンテンツサービスの充実、KDDIはユーザーの増加と利用の増大、コンテンツプロバイダーはサービス提供環境の充実と情報料金設定の柔軟性が実現すると説明し、「3者でWIN-WINの関係を築きたい。そういう願いを込めて“WIN”と命名した」と語った。
右手にW11K、左手にW11Hを持つ小野寺氏。KDDIは、WINに対応する携帯電話を“ブロードバンドケータイ”と呼んでいる |
WINブランドの携帯電話はauの従来の携帯電話より上位機種(ハイエンドモデル)に位置し、価格はいずれもオープンプライスだが「(販売中のハイエンドモデルである)5xxxシリーズよりも、若干高めになることが予想される」(KDDI)という。当面は、WINの携帯電話と従来方式の携帯電話が併売されるが、「将来的にはWINが100%になるだろう」(小野寺氏)という。KDDIは、5月に発表した2003年度(2003年4月~2004年3月)の業績予想(売上高2兆2470億円、経常利益1600億円、当期純利益510億円)を、10月に売上高2兆2980億円、経常利益2030億円、当期純利益700億円と上方修正したばかり。WINブランドのau携帯電話は、2003年中に45万契約の獲得を目標としている。