NEC「PK-MX10」のホームAVサーバとして使い方を提案するレビュー記事が、こちらにも掲載されています。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
チューナ部には
GR、3DY/C分離、DNR、TBC回路を搭載
写真1 メインスイッチとLCDのみのシンプルなフロントパネル。LCDには日時や接続中のクライアントPC台数などが表示される。その右側には小さなドアがあり、中には外部入力端子が並んでいる。 | 写真2 映像の入出力はS-Videoとコンポジットビデオで、D端子や色差端子などのコンポーネント信号端子は装備していない。 |
写真A NECのハードウェアMPEG-2エンコーダ付きTVチューナカード「SmartVision HG/V」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
AX10の外形寸法は横幅430×奥行き280×高さ68mm(写真1、2)。外観からはこれまでの民生向けHDDレコーダと変わりないように見えるが、背面のEthernetポート(10BASE-T/100BASE-TX)の存在によって、従来製品とは一線を画すものであることが分かる。AX10は、このポートで接続したLAN上のPC(同時に最大2台まで)に対して、映像の配信が行えるビデオサーバでもあるのだ。
写真3 プッシュエンター式のカーソルキーを持つリモコン。小ぶりだが絶妙なボタン配置で使いやすい。誤作動を防ぐために削除ボタンがフリップカバーの下に配置されているが、このフリップを開くのがやや手間に感じられる。実際の番組削除時には確認ダイアログが表示されるので、リモコン表面にあっても問題なかったのではないだろうか。 |
AX10のTVチューナ部には、同社のハードウェアMPEG-2エンコーダ付きTVチューナカード「SmartVision HG/V」と同等の回路が採用されており、録再時のクオリティを高めるため「ゴーストリデューサ」「3次元Y/C分離」「デジタルノイズリダクション」「タイムベースコレクタ」の4つの機能が盛り込まれている。特に、ビル街や山間部などで電波の反射によって発生する映像の多重化(ゴースト)は、地域と視聴チャンネルによっては何重にもなって現れてしまうので、ゴーストリデューサの搭載はうれしいポイントだ。
内蔵HDDは80GB。録画モードはあらかじめプリセットされている「高画質」「標準」「長時間」に加えて、圧縮形式と解像度、ビットレートを選択できる「ユーザー設定」が用意されている。各モードと録画時間の相関は表のとおりで、最も高画質なMPEG-2(CBR:固定ビットレート)/720×480ドット/15Mbpsの設定なら約11時間、逆に最も画質の落ちるMPEG-1を選ぶと約124時間の録画を行える。
録画モード | 圧縮形式 | 解像度 (ドット) | ビットレート (※1) | 音声 | 録画時間 |
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高画質 | MPEG-2(CBR) | 720×480 | 8Mbps | MP2 48kHz/ 224kbps | 約20時間 |
標準 | MPEG-2(VBR) | 720×480 | 4Mbps | 約40時間 | |
長時間 | MPEG-2(VBR) | 352×480 | 2Mbps | 約76時間 | |
ユーザー 設定 | MPEG-2(CBR) | 720×480 | 4~15Mbps | MP2 48kHz/ 224kbps | 約11~40時間 |
352×480 | 3~10Mbps | 約16~52時間 | |||
352×240 | 2~6Mbps | 約27~76時間 | |||
MPEG-2(VBR) | 720×480 | 4~7.5Mbps | 約22~40時間 | ||
352×480 | 3~6Mbps | 約27~52時間 | |||
352×240 | 1.2~3Mbps | 約52~119時間 | |||
MPEG-1 | 352×240 | 1.15Mbps | MP2 44.1kHz/ 224kbps | 約124時間 |
画面1 メインメニューの画面。これらはTV画面に表示される。 | 画面2 環境設定の画面。 | |
メインメニューと環境設定メニュー。シンプルな階層構造で理解しやすい。 |
ところで、AX10のチューナが受信した映像は、常にMPEG形式にエンコードされているので、圧縮回路をスルーしてチューナの映像を直接TVに表示することはできない。その際の(つまり普段の視聴時の)画質は前述の4つのモードから選ぶのだが、問題になるのはどの程度の画質まで許容できるかということだ。
長時間モードは、MPEG-2(VBR=可変ビットレート)で平均2Mbpsとデータ量が少ないこともあって、視聴中しばしば映像の破綻が見られた。特に歌番組のように、動きの早いシーンや細かいものが一斉に動くシーンが多いと、瞬間的に画面を覆うようにブロックノイズが現れ、設定を標準モードに変えても大きな差は見られなかった。さすがに高画質モードを選ぶと安定するので、普段の視聴はこのモードをお勧めしたい。なお当然ながら、タイムシフト再生および時間をさかのぼって録画を始めるタイムシフト録画時の画質は、ここで設定したモードが適用される。
画面3 3次元Y/C分離回路とゴーストリデューサは、ユーザー自身でオン/オフを選択できる。 | 画面4 通常視聴時の画質は4つのモードから選ぶ。圧縮形式と解像度、ビットレートを任意に組み合わせる「ユーザー設定」モードも用意されている。 |