ADAMS-EPGによる録画予約と
iモードによる遠隔予約
番組の録画予約は、AX10のメインメニューからEPG(電子番組表)を表示させて設定する。EPGにはTV朝日系列が地上波信号に載せてデータを配信する「ADAMS-EPG」を利用しており、番組表は「チャンネル指定」「ジャンル指定」「時刻指定」「放送中の番組」の4通りに並べ替えて一覧できる。1画面に表示される項目は最大8番組までだが、上下のスクロールと左右のページ切り替えによって検索性は良好。これはAX10のメニュー画面すべてに言えることだが、文字が大きく色分けがシンプルなので、視認性が高く情報を探しやすくなっているのだ。
画面5 「チャンネル指定」での番組表画面。 | 画面6 「ジャンル指定」に切り替えた画面。 | |
画面7 「時刻指定」の番組表画面。 | 画面8 「放送中の番組」一覧表の画面。 | |
ADAMS-EPGで取得した番組表は、「チャンネル指定」「ジャンル指定」「時刻指定」「放送中の番組」の4パターンで一覧できる。 |
一覧から番組を選んだら、あとは決定を押すだけで予約登録は完了だが、開始/終了時刻を変えたり、録画を毎日/毎週特定曜日に実行する設定もここで同時に行える。もちろん画質も4モードから選択可能で、その際、画質の詳細(圧縮形式と解像度、ビットレート)と録画に必要なHDD容量も表示してくれる。なお、予約は最大128件まで登録できる。
また、BIGLOBEの遠隔接続サービス「Broad Pass」を使えば、外出先からiモード端末でAX10にアクセスして予約を設定することもできる(Webサイトからモジュールをダウンロードしておく必要がある)。月額料金は300円で、BIGLOBEのアカウントがない場合でも入会金・月会費無料の「コンテンツコース」に加入することで利用できるようになる。
映像の配信/再生と
取り込み後の編集機能
AX10最大のフィーチャーであるビデオサーバ機能は、ネットワーク内のPCに付属ソフト「SmartVision/PLAYER Ver.2.0」をインストールすることで利用可能になる。このソフトでは、AX10から送られてくる映像データをデコード/再生するほか、AX10のHDDからローカルのHDDへ映像データをコピーしての簡易編集、再エンコードなしでのMPEGファイルのエクスポート(※2)、PCからの録画予約設定などを実現している。
※2 エクスポート 「MPEG形式でのファイルエクスポート」といっても再エンコードを行うわけではなく、分割されているMPEG2ファイルを結合するだけなので、出力にかかる時間は比較的短い。AX10で録画した映像は、データ自体は通常のMPEG2形式(m2pファイル)で保存されているが、早送り/巻戻しやSmartVision上での操作を効率よく行うために、1本の番組であっても細かく分割されている。AX10での再生およびSmartVisionでの再生/編集時には、この分割された映像ファイルをインデックスファイル(分割保存されたファイルの構成、ブックマークやシーンインデックスなど独自情報を含む)と照らし合わせることで、各ファイルの前後関係などを把握しているわけだ。AX10のIPアドレスが正常に設定されていれば、SmartVision/PLAYERを起動するだけで、AX10で受信中の番組をPCで見たり、録画済みの番組をリストアップして再生できるようになる。
ただし、最大で15Mbpsにも達するストリームデータをデコードする必要があるので、動作環境は比較的高いスペックが求められる。対応OSはWindows Me/XPで、CPUはPentium 4以上/PentiumIII-733MHz以上/Celeron-900MHz以上/Athlon-900MHz以上/Duron-900MHz以上のいずれか、メモリは128MB以上(XPでは256MB以上)、ネットワーク接続は100BASE-TXが要求されている。
テスト環境はWindows XP/PentiumIII-1GHz/512MB/100BASE-TXで一応条件をクリアしていたが、それでも再生が始まるまでのタイムラグで負荷の高さを実感できた。快適に扱うならPentium 4以上は欲しいところだろう。
ちなみに、PC2台で同時に視聴できるのは、放送中の同じ番組、録画済みの同じ番組、録画済みの異なる番組、一方が放送中の番組で他方が録画済みの番組という4通りの組み合わせ。AX10の内蔵チューナはひとつなので、放送中の異なる番組をそれぞれのPCで見ることは不可能だ。
画面15、16 AX10からPCへ映像を取り込む場合は、SmartVision/PLAYER形式(メニューの一番上)とMPEG形式(同2番目)のどちらかを選択できる。ちなみに570MBのファイルをSmartVision/PLAYER形式で取り込むのにかかった時間は約2分40秒前後。 |
映像データをローカルにコピーする場合、拡張子m2pのMPEGファイルで保存するか、SmartVision/PLAYERの形式(m2pファイル+SmartVision用情報ファイル)で保存するか、を選択できる。前者はこのプレーヤで再生できなくなるものの、付属のDVDオーサリングソフト「Ulead DVD MovieWriter for NEC」での編集やDVD作成に利用でき、また、拡張子をmpgに書き換えればビデオ編集ソフトでの読み込みも行えるようになる。ただし、AX10への書き戻しはできなくなってしまう。後者はプレーヤ上で再生できるのはもちろん、カット編集して再びAX10に書き戻すこともできる。
画面17 PCへコピーしたデータは付属の「Ulead DVD MovieWriter for NEC」を使うことでオリジナルDVDにすることができる。なお、このソフトはMovieWriter Ver.1.3をベースに作られている。 |
価格はオープンプライスで、店頭での実売予想は10万円前後。今回は評価機ということもあり、画質や動作などに不安定な部分も見られたが、製品版では解消されているはずだ。民生向けHDDレコーダはDVD-RAMとのハイブリッド機が主流だが、PCと連携できるAX10ならDVD+R/RWでもDVDマルチでも、好きなフォーマットのドライブを選択できる。日々のエアチェックとDVD作成に余念のないユーザーに特にお勧めしたい一品だ。
“PK-AX10の主なスペック | |
製品名 | PK-AX10 |
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HDD | 約80GB |
チューナ | VHF(1~12ch)、UHF(13~62ch)、音声多重放送対応 |
インターフェイス | F型アンテナ入力、F型アンテナ出力、S-Video入力×2、S-Video出力、コンポジットビデオ入力×2、コンポジットビデオ出力、ステレオライン入力×2、ステレオライン出力、Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX) |
付属ソフト | SmartVision/PLAYER Ver.2.0、AX10設定ツール、Ulead DVD MovieWriter for NEC |
サイズ | 430(W)×280(D)×68(H)mm |
重量 | 約5.3kg |
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