デジタルカメラでの撮影テスト
写真1 キヤノン「PowerShot A100」。120万画素CCDと単焦点レンズを搭載する入門機。2万4800円と低価格ながら3点測距オートフォーカスやスローシャッターノイズリダクション利用の長時間露光など高い機能を持つ。 |
今回のテストでは、断続してシャッターを切る動作をさせるため、付属ソフト「Remote Capture」をインストールしたPCとUSBケーブルで接続し、ソフトウェアからカメラを制御してインターバル撮影を行った。撮影間隔は30秒で、装着した640MBのCFカードに画像を記録すると同時にPCへもデータ転送する。フラッシュは全て強制発光、オートフォーカスおよびAE動作ありだが、A100の場合インターバル撮影時には液晶モニタはOFFとなる。なお、インターバル撮影はACアダプタを接続しての使用が前提だが、カメラのバッテリがなくなってエラーとなるまで撮影する。
図5 デジタルカメラを使った撮影枚数テスト。アルカリ乾電池に関しては、2002年モデルであるパナソニックアルカリ(金)の比較として、昨年から販売されているアルカリ電池2製品のテストも行った。概要は以下のとおり。 |
結果を見ると、アルカリ乾電池の中ではさすがに最新モデルであるパナソニック(金)の撮影枚数が多く、他製品と比べて2~4割多い。ニッケル乾電池/ニッケルマンガン乾電池がアルカリ乾電池に比べて高いアドバンテージを持つことも明らかだ。価格的にアルカリ乾電池の1.5倍であるものの、撮影枚数は2倍程度となり、コストパフォーマンスは高い。リチウム乾電池はさらに長時間の利用が可能で、アルカリ乾電池の4倍近い枚数が撮影できる。このため、価格的にはアルカリ乾電池の約4倍するものののコストパフォーマンスはアルカリ乾電池と同程度となっている。
ただし、コストパフォーマンスを単に比べるのも実際はあまり意味がない。1ショットあたりの価格で言えば、今回撮影枚数が最も少なかった日立マクセルのアルカリエースも最も多かった単3リチウム電池も2%も違わない。低価格アルカリ乾電池は20本や40本パックで販売されているパッケージもあるので、そちらを購入すればアルカリ乾電池のほうがもっと安くなるだろう。だからと言って、すぐになくなってしまう電池を大量に持ち歩き、頻繁に電池交換を行うのも面倒だ。また、コストパフォーマンスを比べるのであれば、500回もの充放電が可能なニッケル水素充電池を利用するほうが断然にお得であることは間違いない。
今回デジタルカメラを実際に用いてバッテリ駆動時間を調べたが、デジタルカメラの特性に加え、液晶モニタやズーム、フラッシュの利用、さらに撮影間隔や電源を入れなおすかどうかなど、テスト条件が異なれば電池の特性の違いによって結果も異なる可能性がある。さらにデジタルカメラの利用頻度や省電力設定、フラッシュやズームまで考慮すれば、人によってさまざまな使い方があり、テスト条件が実際の利用と合っているかどうかはまちまちだ。電池の特性をよく調べて自分のカメラと利用方法に合った製品を選ぶのが賢い使い方と言えるだろう。
※比較対象として用意した、一般的なアルカリ乾電池
【アルカリ乾電池】スタミナ アルカリ乾電池(LR6SG) |
ソニー
価格 640円(4本)/購入価格 400円(4本)
「長持ち革命」とうたわれており、新パッケージにはデジタルカメラ連続撮影シミュレーションで同社従来製品(長持ち革命と銘打たれたもの)より20%向上しているという。なお、同社のアルカリ乾電池には「ウォークマン用」という青いパッケージの製品もあるが、こちらは低消費電力で長時間持続する機器に向いたもの。
【アルカリ乾電池】アルカリエース(LR6K) |
日立マクセル
価格 640円(4本)/購入価格 350円(4本)
店にもよるが非常に一般的に販売されており、価格も320~360円/4本と、ほかの製品に比べて手頃。ただし、デジタルカメラなどの大電流を要する機器には同社の別シリーズ「ダイナミック」のほうが向いており、今回は比較対象としてテストした。