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デジタルカメラ撮影の“基本のキ” ズームレンズの効果

デジタルカメラ撮影の“基本のキ” ズームレンズの効果

2001年12月15日 01時13分更新

文● 周防克弥

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デジタルカメラ撮影の“基本のキ” ズームレンズの効果

2001年はハイエンドからローエンドまで、豊富なバリエーションのデジタルカメラが各社から発売され、ユーザーにとっては用途に応じたカメラ選択の幅が広がった。いろいろなカメラの基礎知識があれば、目的に合ったカメラ選びもできるし、より高度な撮影が可能になる。本連載では、カメラと撮影の基礎知識を数回に分けて解説する。第1回は「カメラのホールディング方法」、第2回は「絞りとシャッター速度の関係」を解説したが、今回は望遠と広角、ズームレンズについて解説しよう。

ズームはフレーミングを楽にするためのもの

焦点距離が変えられない単焦点レンズのカメラを使った場合、背景と前景を一定の比率で画面内に入れようとすると、カメラ位置を前後させなくてはならない。

 最近はデジタルカメラにも高倍率のズームが付いている製品がある。標準的なところではまだ3倍ズームが多いが、6倍や10倍といった機種もリリースされている。
 ところでズームレンズの使い方を知っているだろうか? 1カ所から広い画角や狭い画角がズーム操作ひとつで簡単に切り替えられる。高倍率ズームなら、離れた場所からでも遠くの被写体を大きく写すことができる。これらが一番のズームレンズの効果だと思われがちだが、これよりも大事なことがある。一番大事なのは、撮りたい場所から撮りたいフレーミングで撮れることだ。

 例えば記念撮影のシーンで一緒に旅行に行った人達をフレーミングして中央に配置する。そして背景の建造物も入れようとするとしよう。単焦点レンズのカメラの場合、まず背景をカメラのフレーミングに収める。次に被写体となる人物をちょうどよい大きさになるようにカメラと背景の間を動いて場所を決める。これだと写真に収めたい被写体のどちらかを動かさなければいけない。しかし、両方とも動かせない場合はカメラ位置を動かさなければならないなど、はっきり言って単焦点レンズだと面倒だし、どうしてもうまく構図を決められない場合も生じる。こんな場合にズームレンズがあると、カメラ位置の自由度が高くなる。

 つまり、ズームとは、被写体に近づかなくても済む「望遠」をカンタンに使うための機能ではなく、背景を考えた「フレーミング」を活用して被写体を具合よく配置するために使うものなのだ。



ズームレンズを使った構図の取り方の例。上の写真では、適当に花にズームして撮影したもの。背景にいろいろなものが入り込んでおり主役である花が強調されない。下の写真は、立ち位置を変えて背景には黄色の花しか入らないようにしたもの。このように、被写体がなるべく目立つように見えるアングル(背景との関係など)を決めて、それからズームを使ってフレーミングを行おう。

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