激安OEMあり、奇抜な発想のオリジナル設計ありの玄人志向から、コンボドライブ「DVD5X+CFR」が登場した。
コンボドライブと言っても玄人志向のこと、DVD-ROM+CD-RWなどという普通のものではない。DVD-ROMドライブ、PCカードリーダ/ライタ、コンパクトフラッシュ(CF)リーダ/ライタが一体化されているという前代未聞の組み合わせだ。USB2.0接続内蔵CD-RWドライブ「CRD-BP1500U」と同様既製品を怪しい方向へ改造した製品だが、どちらも「キワモノシリーズ」でなく「セレクトシリーズ」というあたりに真面目さ(?)がうかがえる。
スロットは“ただ板に穴が開いている”という感じのもの |
5インチベイ内蔵タイプで、3つのスロットは上からDVD-ROM、PCMCIA TypeIII(以下PCカード)、コンパクトフラッシュ(以下CF)用。DVD-ROMドライブは、以前登場した「Dual-Drive」で採用されていた、スリムタイプでありながらノートPC用ではないという特殊形状の製品の上位モデルにあたる松下製「SR-8186-B」。写真を見ると分かるようにスロットイン仕様を採用しており、CD-ROM読み出し速度最大24倍速、DVD-ROM読み出し速度最大6倍速という製品だ。パッケージではそれぞれ12/6倍速となっているが、これは玄人志向がウェブサイト中で認めているように表記ミス。
パッケージのラベル。DVD-ROMドライブの実際のスペックは記載と異なっているのに注意 |
背面にはPCカード/CFカードスロットそれぞれの設定ジャンパを装備。DVD-ROMドライブの設定ジャンパはドライブの底面に用意されている |
接続は3スロットともATAPIで、DVD5X+CFRに接続したデバイスからのブートが可能。もちろんデバイスを抜き差しするためには毎回PCの電源を落とす必要がある。接続設定はDVD-ROMが標準でSlave。一方PCカードスロットとCFスロットはジャンパによる設定を採用しているのだが、これがちょっとユニークだ。というのも、標準ではPCカードスロットもCFスロットもMaster設定で、しかも添付の簡易マニュアルで「通常は変更する必要はありません」となっているのである。このことから判断するに、おそらく片方のみに接続した場合には自動的にそちらだけがMasterとして動作するのだろう。1本のATAPIケーブルで利用する場合はたしかに標準のままでOKだ。
ただし、PCカードスロットとCFカードスロット、それぞれにMaster/Slave設定がある以上は、PCカードスロットとCFスロットをそれぞれ別個のATAPIデバイスとしても利用できると考えるのが自然。だとすればDVD5X+CFRは、ジャンパ設定によって2デバイスにも3デバイスにもなるという可能性がある。こればかりは実際に試してみるほかないあたり、いかにも玄人志向なのだが、試してみたくなる仕様なのも確かだ。
DVD-ROMドライブとブータブルPCカードスロット、CFスロットというのは、毎日使うものではない一方であると便利。それが5インチベイひとつにまとまっているのは魅力的で、オンボードのIDE RAIDコントローラでサポートされているATAPIコネクタが遊んでいる人などは導入を検討する価値がありそうだ。このテの特殊な製品は往々にして高価なものであるのに対し、コムサテライト3号店で9780円、コムサテライト2号店で9800円と、1万円を切って登場してきた点も見逃せない。
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