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ボーランド、『JBuilder 7』『Optimizeit Suite 4.2』日本語版を発表

2002年06月03日 23時54分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ボーランド(株)は3日、都内で記者発表会を開催しJavaアプリケーション開発環境『Borland JBuilder 7』日本語版とアプリケーション品質管理ツール『Optimizeit Suite 4.2(オプチマイズイット スイート)』日本語版を24日に出荷すると発表した。発表会では米ボーランドソフトウェア社のデール・フラー(Dale Fuller)社長兼CEOが登場し「我々はJavaでも.NETでも、開発者に自由な選択肢を提供する」などと述べた。

米ボーランドソフトウェアのデール・フラー社長兼CEO
米ボーランドソフトウェアのデール・フラー社長兼CEO

J2EE 1.3、JDK 1.4に対応したアプリケーション開発環境

『Borland JBuilder 7』は、Java 2 Enterprise Edition(J2EE) 1.3、JDK 1.4、に対応した、ボーランドのJavaプラットフォーム向け開発ツールの最新版。従来のJBuilder 6と比較して、ウェブサービス機能の強化、アプリケーションサーバー製品対応の強化、オープンソースビルドシステムの統合、あるJavaコードを再利用しやすいよう修正する“リファクタリング”作業をより容易にする機能の強化などが図られているという。

『JBuilder 7 Enterprise』
『JBuilder 7 Enterprise』

ウェブサービスへの対応では、Javaによるウェブサービス実装の標準である“JAX RPC”をベースとしたウェブサービスシステムが可能で、SOAP(Simple Object Access Protocol)、WSDL(Web Service Definition Language)、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)などの標準技術をサポートする。

JBuilder 7 EnterpriseのEJBデザイナーの画面
JBuilder 7 EnterpriseのEJBデザイナーの画面

対応するアプリケーションサーバー製品は、『Borland Enterprise Server 5.02』、『Borland AppServer 4.5』、日本BEAシステムズ(株)の『BEA WebLogic 5.1/6.x/7.0』、日本IBM(株)の『IBM WebSphere 3.5/4.0』、サン・マイクロシステムズ(株)の『iPlanet Application Server 6.0/6.5』で、それぞれのアプリケーションサーバー向けの開発、テスト、配布までをサポートする。また、日本オラクル(株)の『Oracle 9i Application Server』向けのEJB(Enterprise JavaBeans)コンポーネント開発機能も提供する。

ボーランドのJava向け開発ツールの位置づけ
ボーランドのJava向け開発ツールの位置づけ

JBuilder 7の製品パッケージには、Java言語の習得を目指すユーザー向け(商用アプリケーション開発はできない)に無償で提供する『JBuilder 7 Personal』、Javaを利用したマルチプラットフォームアプリケーションを構築するためのクロスプラットフォーム開発環境『JBuilder 7 SE』(4万8000円)、J2EE対応の大規模分散アプリケーションの開発が可能な『JBuilder 7 Enterprise』(36万円)、JBuilder 7 EnterpriseとOptimizeit Suite 4.2を1パッケージにまとめた『Borland Enterprise Studio 4 for Java』(60万円)の4種類がある。JBuilder 7 Personalはボーランドのウェブサイトを通じて、7月中旬以降にダウンロードによって提供するとしている。

なおJBuilder 7はそれ自身、Javaによって書かれており、動作環境はWindows 2000/XP、Red Hat Linux 6.2/7.2、Solaris 7/8、Mac OS Xとなっている。

JBuilderとシームレスに連係動作するOptimizeit

『Optimizeit Suite 4.2』は米ボーランドソフトウェアが1月に買収した米Redline Software社のJavaシステムのテスト/最適化ツールで、今回の4.2が初の日本語版となる。Optimizeit SuiteはJavaプログラムのパフォーマンスのチューニングを行なう『Optimizeit Profiler』、実行中のスレッドの監視・管理が可能な『Optimizeit Thread Debugger』、検証を行なう『Optimizeit Code Coverage』の3つのツールから構成されている。OptimizeitもJBuilder 7同様にJavaで書かれており、動作環境はWindows 2000/XP、Red Hat Linux 6.2/7.2、Solaris 7/8、Mac OS Xとなっている。価格は24万円。なお、JBuilder 7 Enterpriseには、Optimizeit Code Coverageが含まれている。

『Optimizeit Suite 4.2』
『Optimizeit Suite 4.2』
Optimizeit Suiteに含まれるOptimizeit Thread Debuggerの画面
Optimizeit Suiteに含まれるOptimizeit Thread Debuggerの画面

「ボーランドは開発者に自由な選択肢を与える」

発表会の最初に挨拶したフラー社長兼CEOは「我々はプラットフォームに依存せず、開発者が自由に選ぶことができる環境を提供する」と述べた。ボーランドはJBuilderに代表されるJava開発ツールだけでなく、5月末に米国で行なわれた開発者向けイベント“Borland Conference”で米マイクロソフト社が進める.NETプラットフォーム向け開発ツール『Delphi for .NET』を披露するなど、.NETに対してもJava同様に開発ツールを提供するとしている。フラー氏は米ガートナーグループの「マイクロソフト(.NET)とJavaアーキテクチャーによるプラットフォームの2極化が進む」との予測を示して「ボーランドの顧客はJavaでも.NETでも選択は自由だ」とした。また、ボーランドの立場について「大手の企業は自らが提供しているものを守らなくてはならないところがあり、クロスプラットフォームをサポートできない。競争相手は多いが、我々は550万人のデベロッパーを抱えている。同種の企業としては世界最高の企業だ」と自信を見せた。

今後、e-ビジネスプラットフォームはJavaと.NETに二極化するという
今後、e-ビジネスプラットフォームはJavaと.NETに二極化するという
“開発者は選択する自由がある”という
“開発者は選択する自由がある”という
ボーランドの安藤由男社長ボーランドの安藤由男社長「Javaは日本でも確実に実績を上げ、浸透しつつある」という

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