ノーテルネットワークス(株)(以下ノーテル)は、国内の企業ユーザーを対象に、VPN装置『Contivity(コンティビティ)』シリーズの新製品4機種を発表した。
『Contivity 1010』 |
発表したのは、小規模なビジネス拠点やSOHO向けの『Contivity 1010』(以下1010)と『Contivity 1100』(以下1100)、および企業の本社や支店などといった大・中規模なビジネス拠点向けの『Contivity 1700』(以下1700)と『Contivity 2700』(以下2700)の4機種。このうち1700と2700は、同社の従来製品である『Contivity 1600』と『Contivity 2600』のバージョンアップ版で、約2倍のトンネル容量とシステムパフォーマンスを提供するという。
出荷開始時期は、1010と1100が2002年の第2四半期(6月中の予定)で、1700と2700が第4四半期を予定している。価格は6月中に決定するという。発表会では、参考として米国での価格が発表された。それによると、1010は999ドル(約12万4000円)、1100が1499ドル(約18万6000円)、1700が7000ドル(約86万8000円)、2700が2万ドル(約248万円)。販売は、代理店経由で行なう。
独自技術“SRT”により、全方位的なセキュリティーを確立できる |
今回発表した製品は、独自開発した技術“SRT(Secure Routing Technology)”により、RIPやOSPF、VRRP(※1)などの動的なルーティングプロトコルへの対応が可能で、ルーター間で最新の経路情報を交換し、自動で経路制御を行なえるので、手動でルーティングオペレーションを行なう必要がなく、オペレーションコストなどを削減できるという。またVPNによるトンネリングのほかに、DESやAES(Advanced Encryption Standard)による暗号化機能や、PKIによる認証機能、ファイヤーウォール機能、帯域制御機能、QoS機能などを備えている。
※1 VRRP (Virtual Router Redundant Protocol):あるルーターがダウンした場合に、バックアップルーターが自動的に切り替わって機能を引き継ぐことを可能にするプロトコル。『Contivity 1100』 |
1010と1100は、最大5つのVPNトンネルを構築できる(30まで拡張可能)。WAN側に10/100BASE-TX×1、LAN側に1010が10/100BASE-TX×1、1100が10/100BASE-TX×4を備える。また1100は、オプションでV.35、X.21、T1カードに対応したWANスロットを追加できる。300MHzのCPU(非公表)と、128MB SDRAMを搭載している。1Uラックマウント対応で、本体サイズと重量は、1010が幅216×奥行き203×高さ44mmで1.2kg、1100が幅216×奥行き269×高さ44mmで1.7kgとなっている。
OSには同社のサーバーOS『Contivity VPN O/S software』を用い、クライアントソフトには『Contivity VPN Client software』を用いる。クライアントソフトの対応OSは、Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP。
『Contivity 1700』 |
1700は、最大500のVPNトンネルを構築可能(予定)。10/100BASE-TX×2と、PCIスロット×1を備える。850MHzのCPU(非公表)と128MB SDRAMを搭載している。本体サイズは幅438×奥行き533×高さ89mmで、重さは4.5kg。
『Contivity 2700』 |
2700は、最大2000のVPNトンネルを構築可能(予定)。10/100BASE-TX×2と、PCIスロット×3を備える。1.3GHzのCPU(非公表)と128MB SDRAMを搭載している。本体サイズは幅438×奥行き533×高さ133mmで、重さは12.7kg。
同社マーケティングマネージャーの小林聡氏 |
同社マーケティングマネージャーの小林聡氏は、発表会において、「企業にある既存のルーターをグレードアップしてもVPNは構築できるが、コストも時間もかかってしまう。同製品は、VPN機能やファイヤーウォール機能を一体化した装置。セキュアーなネットワークを構築できることはもちろん、オペレーションやアクセスにかかるコストを削減できる」と語った。