2001年秋以降、新製品の登場が相次ぐPocket PC 2002。新製品発表が一段落したと思ったのも束の間、今度はXscale搭載の新モデルが続々登場する兆しが見えている。東芝の「GENIO e550G」もそんな製品のひとつだ。
狭額縁液晶採用のスリムなデザイン
写真1 スクロールボタンは写真のイボイボ型のほか、丸型タイプが付属し交換可能になっている。カチカチっとした操作感は良好だが、ゲームなどで斜め方向にはやや押しにくい。 |
外観で目を引くのが4インチと大型の低温ポリシリコン反射型TFT液晶だ。これはGENIO e550Gのために独自に設計されたもので、従来機種(GENIO e550X、3.5インチ反射型TFT)よりもさらに明るく、くっきりとした表示が可能となっている。液晶の額縁は約5mmと非常に狭くなっており、表示面積が一回り大きいサイズ(1.3倍)になったにもかかわらず、本体の厚さは1.6mm、横幅も1mmコンパクトになっている。従来機種の背面にあった緩やかなカーブがそぎ落とされた分だけ、手に持った際のホールド感が落ちた印象はあるが、Yシャツのポケットに簡単にすべり込ませられる薄さがうれしい。
操作系は、従来同様ペン入力と4つのアプリケーションボタン+5Wayボタン(写真1)という構成で、本体サイズの増加を避けるためかジョグスイッチは装備しない。ポリカーボネイト樹脂にソフトな触感のツヤ消し塗装を施した本体には、金属に近い質感と剛性感がある。
目玉機能のひとつであるXscaleプロセッサのクロック周波数は最高400MHzで、付属ユーティリティにより「オート」(負荷に応じて400/200MHzを切り替え)、「400MHz固定」、「200MHz固定」の3種類の動作モードが選択できる。今回評価した製品は試作機のため、性能チェックやバッテリ寿命のテストを行えなかったが、Internet Explorerの起動時間や画像の展開速度などは確実に向上した印象だ。
写真2 クレードルに装備されたUSBコネクタ。ここにPC用のUSBキーボードを差せば、テキスト入力が簡単に行える。 |
それ以外の機能としては、クレードル(写真2)または別売のUSBホストケーブル(CEX0120A、4500円)を介して、キーボードやFOMAの通信機器を接続できる「USBホスト機能」、Personal Java 1.2に対応したJavaVM(Geode)の装備、Word/Excel/PowerPointファイルの表示も可能なOfficeファイルビューア「ClearVue Office」、メールや電子ブックの読み上げが可能な「GENIO-SPEECH」の追加などが目新しいところだ。また、CD-ROMに収録された地図ソフト「モバイルアトラス for TOSHIBA」には、「東京山の手外郭」「千葉」「横浜」「名古屋」「大阪」「福岡」「札幌」の地図データが標準で付属する。
このようにGENIO e550Gは大型液晶を搭載した精悍なボディに、従来機種を上回る高い基本性能と拡張性を盛り込んだPocket PCだ。PDAにも高い基本性能を求めるユーザーには要注目の1台だ。
GENIO e550Gの主なスペック | |
製品名 | GENIO e550G |
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CPU | PXA250-400MHz |
メモリ | 64MB(SDRAM)+32MB(フラッシュROM) |
表示 | 4インチ反射型カラーTFT液晶(240×320ドット/6万色) |
スロット | CF TypeII×1、SDカード×1 |
電源 | 内蔵アドバンストリチウムイオン充電池 |
バッテリ駆動時間 | 約10時間(400MHz駆動時)、約13時間(200MHz駆動時) |
本体サイズ | 76.5(W)×15.9(D)×125(H)mm |
重量 | 170g |
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