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Rec-On VR-HDA40/VR-HDA80

Rec-On VR-HDA40/VR-HDA80

2002年07月04日 07時38分更新

文● culi

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PCとの連係は
録画予約支援が主役

iEPG設定画面 iEPG設定画面
図3、4 iEPG録画設定(手作業による予約画面も同じもの)。ウィザード形式になっているが、予約録画の設定項目は多くはない。

 単体でも完成度の高いRec-Onだが、製品としてのユニークさは、やはりPCとの連係機能にこそある。前記のとおり、PCとRec-OnとはUSB 1.1で接続されており、PCからの予約もRec-Onからのタイトルデータ転送も、USB経由で実行される。
 録画予約に関しては、iEPGサイトを使用する。添付ドライバとソフトをインストールすると、メニューに「ON TV JAPAN」へのショートカットが追加される。続けて、Rec-On本体のチャンネル設定を読み込み、放送局名をプリセットから割り当て(または手入力)する。あとは、サイトの番組表から目的の番組のiEPGボタンをクリックすればいい(図3、4)。予約の項目は本体のときと同様で、3モードの画質と局名の確認(チャンネル設定で正しい局名を指定してあれば自動選択される)、必要に応じて日付と時刻の修正を行う。iEPGを使わずに直接日時を指定した予約も可能だ。

raserMail設定画面 raserMail設定画面
図5、6 raserMailの設定。インストールするとWindowsに常駐し、一定時間ごとにインターネット上に登録された予約録画情報を探しに行く。

 Rec-Onではもうひとつ、携帯電話などを使った番組予約サービス「raserMail」をサポートしている。raserMailは、iRaTe.com社の会員制番組表サイト「iTV」(iモード対応)、「JTV」(J-SKY対応)およびWebサイト「iTV」(http://www.cubonet.ne.jp/itv/home/)と連動している。携帯や出先のパソコンから番組表を見て録画予約をすると、その情報がいったんサーバに記録される。Rec-Onが接続されたPCに常駐しているraserMailは定期的にサーバにアクセスするので、そのときもし新しい予約情報が確認されれば、その情報をRec-Onに転送する、という仕組みだ(図5、6)。

 Rec-OnとUSBで接続されたPCの電源が入っており、そのPCがインターネットにアクセスできる環境が必要だという条件は付くものの、予約をうっかり忘れていたり、帰宅が遅くなって見たかったのに見られそうもない番組を、会社や学校から録画予約できるという便利なサービスである。

Rec-Onエクスプローラ
図7 Rec-Onエクスプローラ。Windows標準のエクスプローラを拡張表示している。PCに転送したい複数ファイルの一括指定ができないなど、現状ではまだ使い勝手が良くない部分もあるので、改善を期待したい。

 本体のHDDに保存された録画済みタイトルは、PCでは「Rec-Onエクスプローラ」で管理する(図7)。といっても、本体と同じ一覧表示(PCでは、分単位ながら各タイトルの「およその」目安となるファイルサイズも表示される)と、PCへMPEG2ファイルを転送する機能だけで、例えばPCからRec-Onへの書き戻しなどはできない。

警告画面
図8 Rec-Onから録画タイトルを転送している間は、本体がロックされてしまう。ほかの予約録画なども実行できないので、注意が必要だ。
 加えて、PCへの転送にはいくつかの制約がある(図8)。まず、USB 1.1の転送速度がボトルネックとなってしまい、GB単位の転送ともなるとかなりの時間がかかる。筆者が実験したマシンでは、大体800KB/sで転送しているので、例えば1GBのデータを転送すると21~22分かかる。HQ品質で1GBのタイトルの長さは11分ほどだから、転送に実時間の2倍かかることになる。これではPCで視聴、編集するというためだけに、かなりの決意が必要だろう。また、Rec-OnからPCへ転送可能なのは1ファイルあたり4GBまでに制限されている。それ以上の大きさのタイトルは、冒頭から4GBまでに当たる部分しか転送できない。つまり、HQ品質の場合では45分程度しか転送できないわけで、1時間番組すら丸ごと扱えないのは、やはり相当厳しい制限だ。  もうひとつ。転送したMPEG2ファイルは、Rec-On添付のアプリケーション「Ulead VideoStudio 5.0J SE」と一緒に導入されるLigos製MPEG2デコーダ以外で再生できない場合がある(図9)(※1)。

※1 Ligos製MPEG2デコーダ 製品発売後に、比較的ユーザー数の多いPowerDVD XPやWinDVD Plusでも再生できるようにするアップデートパッチが配布された。ただし、残念ながらレビューのスケジュールの都合で動作確認は行っていない。



Rec-Onエクスプローラ
図9 付属の「Ulead VideoStudio 5.0J SE」。現行の「VideoStudio 6」(記事ID:635318)に比べるとインターフェイスなどに若干クセがあるので、ほかに使い慣れたMPEG2対応編集ソフトがあるなら、いったんインストールしてLigosのデコーダだけを使う手もある。

 ――と、いろいろな問題点は指摘してきたが、実のところ、数日間Rec-Onを使って実際に録画と視聴をしてみると、筆者はそのお手軽な使い勝手が結構気にいっている。40GBモデルが量販店で7万円程度、80GBモデルが9万円程度という実売価格は、決しておいそれと買えるものではないが、ライバルとなるソニーの「チャンネルサーバ CSV-S55」とほぼ同等で、PCとの連携を最優先に考えるならRec-Onが明らかに有利だ。
 前述の問題点についても、例えばTVチューナ付きキャプチャカードのビデオ入力にRec-Onのモニタ出力を接続し、Rec-On内の録画タイトルデータは外部へ転送せず基本的に見たら消去することで、「チューナとレコーダ機能の両方をPCの外部に出した周辺機器」と割り切って使うなら、それほど目立たない。もちろん、次のモデルでUSB 2.0(またはIEEE1394)への対応や4GBの転送制限の解消、ビットレートの自由設定などが可能になれば、使い勝手はもっと上がるだろう。

Rec-On VR-HDA40/VR-HDA80の主なスペック
製品名 Rec-On VR-HDA40/VR-HDA80
映像方式 MPEG2(3M/6M/12Mbps)
音声方式 MPEG1 Layer2
HDD 40GB/80GB
インターフェイス i・CONNECT、USB
サイズ 127(W)×187(D)×127(H)mm
重量 約3.0kg
対応OS Windows 98 SE/Me/2000/XP

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