VAIOノートのラインナップに、ついにTV番組をMPEG2形式でHDD録画できる「Giga Pocket」をプリインストールしたモデルが登場した。「PCG-C1MSX」は、TV番組を録画してさまざまな場所に持ち運び、TVを見る楽しさを広げてくれるミニノートだ。
ハードウェアエンコーダで
8Mbpsの高画質録画が可能
写真1 PCG-C1MSXに付属するTVチューナ内蔵ポートリプリケータは、AV入出力、TVアンテナ、USB、Ethernet、外部CRTの各端子を装備。ポータブルTVアンテナと一緒に持ち歩けば、PCG-C1MSXを携帯TVとしても利用できる。ちなみに、TVチューナはステレオ/2カ国語放送にも対応している。 |
PCG-C1MSXにプリインストールされるTV番組の録画、再生、ファイル管理のための統合ソフト「Giga Pocket LE Ver.1.0」は、TV録画機能を搭載するVAIOデスクトップの「Giga Pocket」からビデオサーバやインターネットを利用した録画予約などを省き、基本的な機能のみをコンパクトにまとめた機能限定版だ。とはいえ録画する動画のクオリティにはこだわっており、720×480ドットの動画を高画質モードでは8Mbps、標準モードでは4Mbpsで記録可能だ。また、40GBのHDDは出荷時に20GBずつ2つのパーティションに分割されており、ビデオカプセルの保存用に割り当てられているDドライブに標準モードの動画を最大約11時間記録できる。
動画の品質だが、ハードウェアエンコーダを搭載し、高画質モードでは8Mbpsという高ビットレートを採用しているだけあって、外部のTVモニタなどに出力した場合は家庭用VHSビデオと遜色ない画像が得られる。PCG-C1MSXの1280×600ドット表示に対応した8.9インチTFT液晶でフル画面表示する場合は、動きの激しいシーンなどで若干圧縮ノイズが気になることもあるが、標準モード(4Mbps)でも十分実用に堪える映像のクオリティを持っている。ただし、MPEG2のデコードはソフトウェアで行っているので、TV番組を録画しながらその内容を同時に表示するタイムシフト再生では、音声がとぎれたり画面がちょっと引っかかったりすることがある。パフォーマンス的には、CPUにCrusoe TM5800-867MHzを採用していることもあって、アプリケーションの初回起動時などにレスポンスの悪さを感じる。しかし、Giga Pocket LEを使ってTV番組を見たり、録画と再生を別々に行う限りにおいては不満のないパワーを持っている。ちなみにバッテリ駆動時間は、省電力機能をすべてオフにした状態で標準モードで録画した動画を連続再生した場合、約1時間30分視聴できた。映画にはちょっと短いが、TVドラマなどを通勤電車の中で見るには十分だろう。
写真2、3、4 本体左側面にヘッドフォン、マイク、ポートリプリケータ、USB、モデム、右側面にはPCカードスロット(TypeII×1)、i.LINKドライブ専用コネクタの各インターフェイスを備える。MagicGate対応のメモリースティックスロットはアクセスしやすい前面右端に装備する。 |
TV録画機能以外で注目したいのは、充実したネットワーク機能の搭載だ。ポートリプリケータに10BASE-T/100BASE-TX対応のEthernetポートを装備するほか、IEEE802.11bに準拠したPCカードタイプの無線LANアダプタが付属し、さらにBluetooth 1.1準拠の無線通信機能も標準で内蔵している。998gと軽量なモバイルノートの機動性をより高めてくれる、無線アクセス機能の充実ぶりはポイントが高い。
価格はオープンプライスで、SonyStyleでの販売価格は22万9800円となっている。249(W)×152(D)×28~30(H)mmというコンパクトなモバイルノートながら、高品質なMPEG2キャプチャ機能を搭載し、TV番組を録画していつでも好きなときに好きな場所で見ることができるPCG-C1MSXは、TVをもっと楽しみたいと考えているユーザーにぜひチェックしてほしいPCだ。
PCG-C1MSXの主なスペック | |
製品名 | PCG-C1MSX |
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CPU | Crusoe TM5800-867MHz |
メモリ | 256MB |
液晶 | 8.9インチワイドTFT |
解像度 | 1280×600ドット/フルカラー |
HDD | 40GB |
光メディアドライブ | オプション |
通信 | モデム&LAN&無線LAN&Bluetooth |
サイズ | 249(W)×152(D)×28~30(H)mm |
重量 | 約998g |
OS | Windows XP Home Edition |
Officeアプリ | - |