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日本SGI、CIキャラクターロボット“Posy”発表──ロボットデザイナー松井龍哉氏と共同開発

2002年03月25日 22時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本SGI(株)は25日、都内で記者発表会を開催し、人間とロボットが共生していく世界における情報のナビゲーターとして、ロボットデザイナー松井龍哉氏(※1)と共同開発した“Posy(ポージー)”を発表した。4月に設立15周年を迎える日本SGIのCI(Corporate Identity)キャラクターとして起用していくという。

※1 松井龍哉氏:1969年生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、企業務めを経て、1998年にフランス国立高等工業大学大学院を修了。IBM・ロータスフランス社勤務後に科学技術振興事業団ERATO北野共生プロジェクトに参加。ヒューマノイドロボット“SIG”“PINO”のデザインで知られる。2001年10月にフラワー・ロボティクス(株)を設立し代表を務める。特定非営利団体国際ロボットデザイン委員会委員長。

(左から)Posy(妹)、松井龍哉氏、日本SGIの和泉法夫代表取締役社長兼CEO、Posy(姉)
(左から)Posy(妹)、松井龍哉氏、日本SGIの和泉法夫代表取締役社長兼CEO、Posy(姉)

発表会で日本SGIの和泉法夫代表取締役社長兼CEOは「Posyが生まれることになった最大の功労者はRoboCup(※2)だ。日本SGIがRoboCupを支援していく上で北野教授と出会い、そこで一緒に活動されていた松井氏と出会った。Posyは単なるハードウェアではなく、情報のナビゲーターとして、新しいものを生み出そうと考えたもの」と述べた。また「ホンダやソニーと競争しようというわけではない。コンピューターメーカーとして、ブロードバンド時代にふさわしい、人間とロボットが共生していくという世界を作り出していきたい」と、ロボットの技術ではなく、情報のナビゲーターとしてのイメージや世界観を大切にする、というイメージ優先のコンセプトであることを強調した。

※2 RoboCup:“2050年に完全自立型のヒューマノイドロボットのサッカーチームが、人間の世界チャンピオンチームに勝つ”という目標を掲げる国際共同研究プロジェクト。日本の研究者が提唱した。RoboCup国際委員会委員長を、科学技術振興事業団ERATO北野共生プロジェクト総括責任者の北野宏明博士が務めている。

Posy(妹)の服は有機的なイメージを持たせ、内部の熱を逃がせるよう、メッシュ地のものを採用Posy(妹)の服は有機的なイメージを持たせ、内部の熱を逃がせるよう、メッシュ地のものを採用。光を反射させて一種のレフ版の役割を持たせるために銀色の糸が縫い込んであるという

デザインを担当した松井氏は「今日は天気も良く、桜も咲いて、娘の入園式に臨む父親のような心境だ」と切り出した。「Posyは何かを手伝ってくれるとか、役に立つといったことで始まったプロジェクトではない。21世紀に新しい価値観を導いてくれる、そんな存在が必要なのではないかというところから生まれた。人の幸福を導くテクノロジーでなくては意味がないという考え方から出てきた」のがPosyであるという。

Posyは3歳の女の子で、結婚式で花嫁に花を渡すフラワーガールというイメージでデザインしたという。Posyの名前は花嫁に渡すブーケのことで“生命の花”の意であり「生命を輝かせてくれるものでありたい」ということで名付けたとしている。

Posy(姉)はスカート部分までFRPとなっているPosy(姉)はスカート部分までFRPとなっている

Posyのスペックについては「娘の病気のことを話すようであまり気が進まない」ということだったが、FRP製のボディーを持ち、14自由度を備えているという。また、なぜ“3歳の女の子”というイメージかということについては、“日本SGIの受け付けでお客様を応接室に案内するロボット”という当初の依頼内容から、受付の空間容積率などをもとに慎重90cmという大きさを決定し、平均的訪問者の目線の高さから、かわいいというイメージを持ってもらえるようデザインしたことを明らかにした。

3歳の女の子をイメージさせる丸みのある顔つきとなっている
3歳の女の子をイメージさせる丸みのある顔つきとなっている。胸には“SGI”ロゴも入っている

Posyはまだ開発中で、これまでの1年はハードウェア中心に制作してきたが、これからはソフトウェアの開発がキーになるという。今は実装していないが、今後は音声認識の機能や、目の部分にカメラを搭載して立体視の機能を追加するということも考えられるとしている。ただし、キャラクターものでは世界観が非常に大切で、それをしっかりやらなくては生き残らないとし、なによりもPosyの世界観を大切に守っていくことが重要だとした。

日本SGIのロボット事業推進室の大塚寛室長によると、Posyは日本SGIのCI戦略の中核であり、秋に予定している受付/案内役としての物理的な役割と、ウェブ上での案内役としてのバーチャルな役割の2面で活用していくとしている。

Posyは情報化社会のナビゲーターであるという
Posyは情報化社会のナビゲーターであるという

日本SGIのCIキャラクター以外では、これまでオートデスク(株)やルイ・ヴィトン ジャパン(株)、エイリアス・ウェーブフロント(株)の発表会、ファッションショーなどに“出演”しているほか、ゲラン(株)の新しい香水のイメージキャラクターとして採用されているが、現在はまだこうした事業でどのくらいの収益を得ていくかといったビジネス面については決定していないという。ただ大塚氏はPosyをナビゲーターとして、教育やファッション、インテリア、情報家電といったさまざまな分野において、各社と協業していきたいとしており、現時点では明らかにしていないものの、いくつかのビジネスが進んでいることを匂わせた。

Posyの後ろ姿
Posyの後ろ姿

発表会では、Posy2体(姉妹)がステージの袖からしずしずと登場したが、まだ自律的な動作はできないとのことで、動きはリモートコントロールによるものだった。松井氏はPosyが本当に愛おしい様子で、報道陣に「心を温かくしてもらって、Posyを見て感じた素直な気持ちを世の中に伝えていただきたい」と訴えていた。

顔のアップ
顔のアップ。いかにもロボットらしい、ヘルメットやバイザーをイメージさせるデザインにはしたくなかったという
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