このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

日本AMD、“MicroPGA”パッケージで薄型ノート市場へ──New Year Press Conferenceで

2002年01月18日 22時53分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本AMD(株)は18日、新年恒例のプレス向けイベント“New Year Press Conference 2002”を開催し、2002年度の事業方針や、米国時間の16日に発表した2001年第4四半期(10~12月期)決算などについて報告した。席上、B5ノートへの搭載を目指して開発したという小型の“MicroPGA”パッケージを公開した。また、2001年第4四半期のプロセッサーの出荷が、数、金額ともに過去最高となったことも報告された。

「とうとうインテルの独占に終止符を打った」

「とうとうインテルの独占に終止符を打った」。日本AMDの堺和夫代表取締役社長は開口一番、同社が2001年に、コンシューマー用プロセッサー市場のみならず、企業向けプロセッサー市場、サーバー/ワークステーション用プロセッサー市場にも製品を出荷したことをシンプルな言葉で表現した。

日本AMDの堺和夫代表取締役社長
日本AMDの堺和夫代表取締役社長

堺社長はまず2001年のAMD製品/技術に関するハイライトを「昨年のハイライトは多かった」としながら紹介した。以下にいくつかを列挙する。続いて2001年第4四半期決算についてもコメントした(決算については後述)。

  • 米国のプロセッサー専門誌による“Microprocessor Report Analyst's choice for Best PC Processor”賞を受賞(1月)
  • AMD Athlon-1.33GHzが、日本電気(株)、マイクロソフト(株)、(株)アスキーNTの3社が開発したストリーミングサーバーに採用(4月)
  • 『モバイルAMD Athlon 4プロセッサ』発表(5月)
  • AMD初のマルチプロセッシング対応製品『AMD Athlon MPプロセッサ』『AMD-760 MPチップセット』を発表(6月)
  • 東京工業大学が、Athlonを78個使用したスーパーコンピューターで77.4GFlopsを達成。トップ500位以内に(6月)
  • 高速バス技術HyperTransportの普及を目指し“HyperTransportテクノロジ・コンソーシアム”結成(7月)
  • 『AMD Athlon XPプロセッサ』発表(10月)
  • 64bitマイクロプロセッサーアーキテクチャー“Hammer”発表(10月)
  • 富士通エイ・エム・ディ・セミコンダクタ(株)(FASL)が0.17μmプロセス技術で製造するフラッシュメモリーを量産開始(11月)
  • 『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ』発表(12月)
  • ゲート長15nm、動作周波数3.33THz、動作電圧0.8Vの世界最高速動作のCMOSトランジスターを発表(12月)

堺社長がこれらの報告で特にアピールしたのは、強力なライバルである米インテル社との比較。米AMDが米国で取得した特許数が2000年、2001年と続けて米インテルを上回ったことや、米インテルが最高速動作のトランジスターを発表した直後に、それを上回るトランジスターを発表したことなどを誇らしげに語った。また、プロセッサー自体についても、インテルのPentium 4とAthlonの世代別のダイサイズ比較グラフを紹介し、「同世代であればAthlonは常にPentium 4よりも小さく、同じ周波数であれば性能は確実に高い」と述べ、ダイサイズの優位性がしばらく続くとした。

堺社長が示した、Pentium 4とAthlonの世代別ダイサイズ比較。少なくとも次々世代まではAthlonのほうが小さい
堺社長が示した、Pentium 4とAthlonの世代別ダイサイズ比較。少なくとも次々世代まではAthlonのほうが小さい

2002年の目標としては、従来の路線を引き継ぐとして、個人・企業向け市場シェア30%を目指して拡大を図るとした(2001年度のシェアは約20%)。カテゴリー別ではデスクトップ市場では性能に関するリーダーシップを維持し、SFF(Small Form Factor)向けの低消費電力版Athlonなど、製品ラインアップを拡大する。ノートでは現在の3スピンドル(※1)製品中心から、薄型ノート向けにも製品ラインアップを拡大する。サーバー/ワークステーション市場向けも同様に製品ラインアップの増強を行なう。AMDの自体、製品、技術について、顧客、特に企業ユーザー向けに認知度を引き上げるようにしたいとしている。さらに、2002年中に投入を予定している次世代64bitプロセッサー“Hammer”の立ち上げに向けて、技術面、マーケティング面を含めて準備を行なっていくとした。

※1 HDD、FDD、光ドライブの3つを備えたオールインワン製品を指す。

2001年のプロセッサー総売上は前年比16%アップの3100万個

堺社長に続いては、吉澤俊介取締役が登場し、2001年度第4四半期決算と2001年度の通年決算について説明した。

吉澤俊介取締役
吉澤俊介取締役

第4四半期の売り上げは9億5200万ドル(約1260億円)で第3四半期から24%向上した。フラッシュメモリーに関しては7%のダウンとなったが、プロセッサーの売り上げが50%アップの7億300万ドル(約930億円)、数量にして780万個と過去最高を記録するほど好調だったという。なお、同期におけるインテルの売り上げは70億ドル(約9290億円)で9億9800万ドル(約1320億円)の黒字、トランスメタは売り上げは150万ドル(約2億円)で1730万ドル(約23億円)の赤字となっている。

AMDにとって大きいのはこれまでのAMDのプロセッサー事業の弱点と指摘されてきた、ASP(プロセッサー1個あたりの平均販売価格)の上昇で、Athlon XPの需要増により60ドル(約8000円)から90ドル(約1万2000円)へと大幅に上昇したとしている。

通年では売り上げは38億9200万ドル(約5160億円)で、2000年比16%減となり、6000万ドル(約80億円)の赤字を計上した。これについて吉澤取締役は「(5月に)Fab14、Fab15(※2)閉鎖したことによる特別損失が大きかった。これを除けば利益が出ていた」と、リストラに伴う赤字であることを強調した。プロセッサーの売り上げについては240億ドル(約3180億円)と前年比4%アップ、個数ベースでは3100万個で16%アップで、好調であるとした。市場シェアも2000年の約16%から約20%に向上したという。

※2 Fab14/15はともにテキサス州オースチンにあった製造拠点で、主に他社向けの半導体製造請負(ファウンドリー)事業で利用していたもの。現在、AMDのプロセッサー生産はオースチンのFab25とドイツのドレスデンにあるFab30で行なっている。

また、2002年度の見通しについても言及した。第1四半期はプロセッサー売り上げについては2001年第4四半期と同程度だが、フラッシュメモリーが回復に至らず、少額の赤字になると予想しているという。2002年第2四半期には黒字化すると見ている。研究開発に7億ドル(約930億円)、設備投資に8億5000万ドル(約1130億円)と、0.13μm製造プロセスへの移行をにらんで積極的に投資を拡大するという。

吉澤取締役が示した、2000年から2001年にかけての各半導体メーカーの利益とその増減表。業界全体が30%を超える落ち込みを見せる中で、AMDの落ち込みは16%に“とどまった”
吉澤取締役が示した、2000年から2001年にかけての各半導体メーカーの利益とその増減表。業界全体が30%を超える落ち込みを見せる中で、AMDの落ち込みは16%に“とどまった”

プロセッサー関連では、Fab30で2001年第4四半期にすでに0.13μmプロセスでのAthlonの製造を開始しているほか、SOI(Silicon on Insulator)プロセスについても、2001年第4四半期にHammerコアを使って試験的な製造を開始したと述べ、技術開発の順調さをアピールした。0.13μmプロセスで製造する最初の量産プロセッサーは次世代Athlonである“Thoroughbred(サラブレッド)”で、第1四半期に出荷を開始するとしている。また、2002年末にはすべてのプロセッサーを0.13μmプロセスに移行し終える予定という。Hammerコア製品の市場投入は2002年の下半期で、デスクトップ、サーバー、モバイルの順に広いラインアップを揃えるとしている。

このほか、プロセッサーの製造に関してAMDは、Fab30に集約するとともに、外部のファウンドリーに一部の生産を委託することを明らかにしているが、これに関する詳細な計画を近々発表するとしている。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン