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日立、低消費電力版Athlon XPを初めて搭載した企業向け省スペースPCを発表

2001年12月21日 16時50分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)日立製作所は21日、『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ 1500+』を搭載し、図書館並みの静音性と省スペースをうたった企業向けデスクトップパソコン『FLORA 330サイレントモデル』2モデルを発表した。21日に販売を開始し、出荷は2002年2月25日予定。価格はWindows 2000 ProfessionalとWindows XP Professionalのセレクタブルモデル『PC7DK5-UA04P1K00』が12万9000円、Windows 98SEモデル『PC7DK5-UA04P1L00』が11万5000円となっている。

『FLORA 330サイレントモデル』
『FLORA 330サイレントモデル』(ディスプレーはオプション)

『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ 1500+』

FLORA 330サイレントモデルに採用した『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ 1500+』(実動作クロック1.3GHz)は、米AMD社が10月に発表したデスクトップパソコン向け『AMD Athlon XPプロセッサ』に、システムの要求に応じてクロック周波数を自動的に可変する機能を追加したプロセッサー。これはAMDがSFF(※1)パソコン向けに開発したもので、FLORA 330サイレントモデルが他社に先駆けて世界で初めて搭載する(※2)としている。また、日本の企業向けパソコン市場では、米インテル社製のプロセッサーが強く、低消費電力版でないものも含めてAthlon XPを日本の企業向けパソコンに搭載するのは初めてという。

※1 SFF(Small Form Factor、スモールフォームファクター):デスクトップ用の薄く、小型の筐体を指す。

※2 日本AMDによると、パソコンの製品出荷についてはメーカーが行なうものであり、個々の製品については言えないが、今回のFLORA 330サイレントモデルは、少なくとも他社より2ヵ月程度先行して出荷されるのではないかとしている。

『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ』
『低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサ』
低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサの裏面
低消費電力版AMD Athlon XPプロセッサの裏面

AMDのノート向けプロセッサー『モバイルAMD Athlon 4』『モバイルAMD Duron』では、クロック周波数とともにコア電圧も可変する『AMD PowerNow! テクノロジ』技術を搭載しているが、今回の低消費電力版Athlon XP 1500+は周波数のみを変化(300MHz~1.3GHz)させるもので、PowerNow!とは異なる。低消費電力版Athlon XP 1500+のFSBクロックは200MHz、128KBの1次キャッシュと256KBの2次キャッシュをダイ上に搭載している。“QuantiSpeedアーキテクチャ”、“3DNow! プロフェッショナル命令”のサポートなどはAthlon XPと同様。ドイツのドレスデンのFab 30で、0.18μmプロセスと銅配線技術によって製造されている。

『FLORA 330サイレントモデル』

FLORA 330サイレントモデルは、Pentium III/Celeronを搭載する省スペースデスクトップパソコン『FLORA 330』シリーズと同じ、幅78×奥行き320×高さ300mmの筐体に、新開発のマザーボードを搭載する。チップセットは台湾VIA Technologies社製『KT266A』、メモリーはDDR SDRAM(PC2100)を128MB(最大512MB)、グラフィックスチップはカナダのATIテクノロジーズ社製『ATI Mobility RADEON』(16MB VRAM)を採用している。HDDは40GB(UltraATA/100)で、24倍速CD-ROMドライブ、3モードFDDを備える。

日立の企業向けデスクトップパソコンラインアップにおけるFLORA 330サイレントモデルの位置づけ
日立の企業向けデスクトップパソコンラインアップにおけるFLORA 330サイレントモデルの位置づけ

インターフェースは、シリアル×1、パラレル×1、USB×2、キーボード×1、マウス×1、マイク入力、ライン入力、ライン出力、ヘッドホン出力、外部ディスプレー出力(アナログRGB)×1、外部ディスプレー出力(デジタルRGB DVI-D)×1、100BASE-TXを持つ。付属のキーボードはUSB接続で、裏面にマウス用USBポート×1を持ち、テンキー部の上方に“USBベイ”を持つ同社独自のもの。

キーボード右上部にある“USBベイ”。2001年の夏モデルから採用しているもので、PCカードリーダーなどのオプションを用意している。将来は無線LANアダプターなども計画しているという
キーボード右上部にある“USBベイ”。2001年の夏モデルから採用しているもので、PCカードリーダーなどのオプションを用意している。将来は無線LANアダプターなども計画しているという
インターネットプラットフォーム事業部アプライアンス開発部部長の原信彦氏
インターネットプラットフォーム事業部アプライアンス開発部部長の原信彦氏。手に持っているのは低消費電力版Athlon XP

発表会では、同社インターネットプラットフォーム事業部アプライアンス開発部部長の原信彦氏がFLORA 330サイレントモデルについて説明した。

整数演算ベンチマークによるPentium 4-1.6GHz搭載の他社省スペースデスクトップパソコンとの比較
整数演算ベンチマークによるPentium 4-1.6GHz搭載の他社省スペースデスクトップパソコンとの比較

原氏によると、日立は'97年に液晶ディスプレー付きデスクトップを製品化して以来、省スペースデスクトップパソコンの開発を続けてきたが、プロセッサーの消費電力は増大し続けており、Pentium 4プロセッサーをFLORA 330のような小型筐体に収めるのは発熱の問題から困難であったことから、性能向上と発熱の低減が可能な低消費電力版Athlon XPの採用に至ったという。

FLORA 330サイレントモデルと他社のPentium 4-1.6GHz搭載省スペースデスクトップパソコンとの消費電力の比較グラフ。Windowsのデスクトップ画面を表示した際、FLORAが32Wに対して、Pentium 4-1.6GHzモデルは42Wとなっている
FLORA 330サイレントモデルと他社のPentium 4-1.6GHz搭載省スペースデスクトップパソコンとの消費電力の比較グラフ。Windowsのデスクトップ画面を表示した際、FLORAが32Wに対して、Pentium 4-1.6GHzモデルは42Wとなっている

これによって低消費電力面では、同社のPentium 4-1.5GHz搭載機と比較した場合最大約50%、Pentium III-1.13AGHz搭載機との比較では最大約20%消費電力を低減できたという。また、低消費電力とともに、静音性に留意して開発し、冷却ファンの回転数を極力下げるようにチューニングを行なった結果、Windowsのデスクトップ画面を表示した場合で約30dB(デシベル)と、図書館の中並の騒音レベルに抑えたとしている。筐体のサイズ(容積)はPentium 4を搭載した省スペースデスクトップパソコンで最も小さい、日本IBM(株)の『NetVista M41 Slim』と同じ7.5L(リットル)であるが、筐体の幅ではNetVistaの92mmに対して78mmと薄型にできたという。

騒音レベルの比較グラフ。FLORA 330サイレントモデルでは、最大でも約36dBであり、他社の静音性をうたうPentium 4-1.6GHz搭載省スペースデスクトップよりも静かだという
騒音レベルの比較グラフ。FLORA 330サイレントモデルでは、最大でも約36dBであり、他社の静音性をうたうPentium 4-1.6GHz搭載省スペースデスクトップよりも静かだという
Pentium 4を搭載する他社の省スペースデスクトップとの筐体の容量と横幅の比較。容量では日本ヒューレット・パッカード(株)の『hp e-pc 42』が最小だが、この機種は電源部が外付けでFDDもついていない
Pentium 4を搭載する他社の省スペースデスクトップとの筐体の容量と横幅の比較。容量では日本ヒューレット・パッカード(株)の『hp e-pc 42』が最小だが、この機種は電源部が外付けでFDDもついていない

製品開発にあたっては、“高性能&静音・省エネ&省スペース”をコンセプトにしているが、実は“静音”については、企業ユーザーから特に求められたものではないという。企業オフィスに大量にコンピューターが導入される現状では、フロアの電源容量の関係から省電力ということが重要とのことだが、日立では省電力にさらに静音性という付加価値を追加することによって、他社製品との差別化を図る。

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