マイクロソフト(株)は5日、携帯情報端末(PDA)向けソフトウェアセットの最新版『Microsoft Pocket PC 2002 Software 日本語版』(以下、Pocket PC 2002)を、ハードウェアメーカーに提供すると発表した。
ハードメーカー各社の代表者がずらりと並んだ |
今回の発表は、米マイクロソフト社が4日付け(現地時間)でPocket PC 2002のラーンチイベントをワールドワイドで展開したことに伴い行なわれたもの。これにより、ハードウェアメーカー各社から、Pocket PC 2002を搭載したPDA『Microsoft Windows Powered Pocket PC 2002 日本語版』(Pocket PC 2002搭載機の総称)が順次提供される見込み。
現在、『Microsoft Windows Powered Pocket PC 2002 日本語版』の提供を表明しているハードウェアメーカーは、カシオ計算機(株)、コンパックコンピュータ(株)、(株)東芝、日本電気(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)、富士通(株)の6社。富士通は本日付けでPDA市場に参入することを明らかにした。
Pocket PC 2002は、Windows XPに準じたインターフェースを採用しており、ポップアップ画面で情報を通知したり、タップ&ホールドした際にアニメーションを表示するなど、使い勝手を向上している。
Pocket PC 2002 Software 日本語版のスタート画面 |
また、“Today”画面のデザインを変更可能、ナビゲーションバーやスタートメニューの色を変えたり、任意の画像を背景として利用できる。同社は、独自の背景やデザインテーマを開発できるツールキットも提供する予定という。
Today画面ではデザインのテーマを変更できる |
『Pocket Outlook』は、“連絡先”で会社別での表示が可能になったほか、フィールドのパーソナライズも行なえる。また“予定表”は、日/週/月/年単位でのスケジュール管理が可能。会議の出席者も表示できる。“受信トレイ”はHTMLメールをサポートし、会議開催依頼メールへの承諾も可能。
さらに、よく使うフレーズ(「こんにちは」「お疲れ様です」など)をあらかじめ登録しておき、フレーズを選択することで入力の手間を省ける“マイテキスト”も用意されている。
また、Pocket PC 2002では新たに『Windows Media Player Ver.8.0 for Pocket PC』を搭載する。これにより、ストリーミングおよびダウンロードした音声/映像の再生が可能。MP3データやWindows Media オーディオデータの再生も行なえる。
Windows Media Playerの画面 |
セキュリティーも強化された。パスワード設定画面では、セキュリティーレベルを選択できるほか、パスワードのタイムアウト値も設定可能。また、アンチウイルスAPIを提供する。
さらにVPN(Virtual Private Network)をサポートしており、ISPやワイヤレスLAN経由で社内ネットワークにアクセスできる。“ファイルエクスプローラ”を利用して、ネットワーク上の共有フォルダを参照したり、共有フォルダ内のファイルをコピーしたりすることも可能。
ファイルエクスプローラ画面でネットワーク上にあるサーバーのパスを入力すると、そのサーバーにアクセスできる |
デスクトップパソコンと情報を同期するためのソフト『ActiveSync』もバージョンアップし、最新版『Microsoft ActiveSync 3.5 日本語版』が10日に提供開始となる。ActiveSync 3.5はWindows XPやOffice XPに対応しており、Outlook 2002と併用すると受信トレイでサブフォルダ指定の情報の同期が行なえる。また、USB接続による同期の際、デスクトップパソコンを経由してインターネットにアクセスできる“デスクトップパススルー”機能も搭載する。
さらに『MSN Messenger』を新たに搭載し、MSN Messenger ServiceおよびExchange ServerのIMサービスをサポートする。マルチタスク技術により、他の機能を使用中でもメッセージを受信できる。またマイテキスト機能により入力操作が簡素化される。
MSN Messengerの画面 |
『Pocket Internet Explorer』は、HTML 3.2および4.0タグ、XML v5.0、JavaScript、WAP 1.1.cHTMLをサポートする。そのほか、ISPやネットワークの接続設定も容易になったほか、IrOBEXに準拠し、赤外線通信により携帯電話や他のPDAとデータ交換が可能。