- 最新のXscaleコアCPUを搭載。しかも、Bluetooth内蔵と豪華装備なのに、価格設定は割安。
- インターフェイスの作りこみもいい。
- 最適化が不十分なXscaleコア搭載のPocket PCが買い時か、という判断が微妙。後からOSのアップグレードが可能ではあるのだが。
富士通初のPocket PCマシン「“Pocket LOOX”FLX2H」 |
●【ジョグ&Windowsキーを持つ左側面】 上から、赤外線ポート、ジョグスイッチ、Windowsキー、SDカードスロット。赤外線ポートの脇にはストラップ装着用の穴もある。 | ●【録音ボタンを持つ右側面】 上から、BluetoothのON/OFFスイッチ、録音ボタン。録音ボタンに別の機能を割り当てることも可能。 |
富士通初のPocket PC「“Pocket LOOX”FLX2H」は、「後発の利益」を存分に活かした死角のなさが印象的なマシンだ。
最新のXscaleコアCPU「PXA250-400MHz」、64MBの標準メモリ、CF&SDのデュアルスロットを装備した本体は、現状で最上位クラスの基本仕様。吟味された使い勝手も評価できる。例えば、ジョグスイッチ&Windowsキーによる「親指1本での操作」や、外光の明るさに応じて多段階に輝度が変わる「自動調光フロントライト」、本体にメモリカードを差し込んだ際に、起動ソフトを指定できる「自動起動ユーティリティ」など、随所に工夫が盛り込まれている。
本体幅は、最も広い部分で80mm前後と若干大きめ。しかし、Bluetoothによる無線通信機能を備えて6万円台中盤という価格は、十分にインパクトがある(Bluetooth内蔵で、先行発売されたコンパックの「iPAQ Pocket PC H3870」は実売7万9800円前後)。
ただし、Pocket PC全般に言えることだが、Xscaleコアの真価は、まだ十分に発揮しきれていない。JPEG画像の展開処理はStrongARM搭載機より速い(グラフ2)が、グラフ化していない動画再生は、StrongARM搭載機と大差ない(場合によっては遅いケースもあった)。OSを含めたソフトの最適化が今後の課題だ。
●【グラフ1 JPEG展開速度ベンチマークテスト】 485KBのJPEG画像を展開する速度を計測した。省電力モードとは、CPUの動作クロックと電圧を下げてバッテリ消費を抑える動作モード。付属のユーティリティで切り替え可能。 |
●【グラフ2 バッテリベンチマークテスト】 画面を消した状態でメモリカードに記録したMP3ファイルをリピート再生、再生が停止するまでの時間を計測した。Pocket LOOXの結果が奮わなかったのは、Bluetoothで音声を扱える、高機能なサウンドチップを搭載するため。 |
“Pocket LOOX”FLX2Hの主なスペック | |
製品名 | “Pocket LOOX”FLX2H |
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CPU | PXA250-400MHz |
メモリ | 64MB |
画面表示 | フロントライト付き反射型TFT液晶(240×320ドット/6万色) |
インターフェイス | SDカード(SDIO非対応)/CFカードスロット×1 |
電源 | リチウムポリマバッテリ、動作時間約10時間 |
サイズ | 77.3(W)×130(D)×17.5(H)mm |
重量 | 約175g(バッテリ込み) |
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