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マイクロソフト、『Pocket PC 2002』を発表、ハードメーカー各社が搭載機を提供――富士通も参入

2001年10月05日 20時14分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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本日都内ホテルで行なわれた発表会には、マイクロソフトの阿多親市代表取締役社長と上記ハードウェアメーカー6社の代表者が出席した。ハードウェアメーカー各社は、今回のPocket PC 2002の提供に伴い、それぞれ新製品やアップグレードサービスを発表した。

カシオ計算機は、Pocket PC 2002を搭載したハイエンドPDA『カシオペア E-200』(英語版)を米国および欧州で11月に発売する。3.5インチ反射型TFTカラー液晶(240×320ドット/6万5536色)を搭載し、メモリーはROMが32MB(フラッシュメモリー)、RAMが64MB(SDRAM)。

コンパクトフラッシュカードスロット(TypeII)とMMC/SDメモリーカードスロットを装備し、オプションでPCカードユニットも用意されている。インターフェースは32ピンシリアルコネクター、マイク、スピーカー、赤外線(IrDA 1.2)、ステレオヘッドホンジャック。本体サイズは縦130×横82×厚さ17.5mm、重量は190g。価格は599ドル(約7万2000円)。なお、日本語版は2002年初頭に発売する予定という。

コンパックコンピュータは、既存のPDA『Compaq iPAQ Pocket PC 日本語版』のOSをPocket PC 2002にアップグレードする“ROMアップグレードサービス”を発表した。iPAQ Pocket PCはフラッシュROMを採用しているため、OSのアップグレードが可能となっている。

対象製品は、『Compaq iPAQ Pocket PC H3630 日本語版』と『Compaq iPAQ Pocket PC H3660 日本語版』で、6日より同社ホームページおよびFAXにて申し込みを受け付ける。既存ユーザー向けの一般アップグレードの価格は7600円、6日から12月14日までに対象製品を購入したユーザー向けの優待アップグレードは3800円。なお、アップグレードキットの提供は11月下旬となる。

さらに米コンパック・コンピュータ社は、Pocket PC 2002を搭載した『iPAQ Pocket PC H3700』シリーズ(英語版)、および『同 H3800』シリーズ(英語版)を11月中旬に発売すると発表した。両モデルとも3.5インチ反射型TFTカラー液晶を(240×320ドット)を搭載し、表示色はH3700が4096色、H3800が6万5536色。メモリーはROMが32MB(フラッシュメモリー)、RAMはH3700が32または64MB、H3800が64MB。

インターフェースはUSB/シリアルコネクター、マイク、スピーカー、赤外線、ステレオヘッドホンジャック。本体サイズは縦133×横84×厚さ16mm、重量はH3700が178g、H3800が190g。H3800はSDメモリーカードスロットを装備する。また、H3800にはBluetooth対応モデル『H3870』も用意されている。価格はH3700が499ドル(約6万円)。、H3800は、『H3850』と『H3835』が599ドル(約7万2000円)。、H3870が649ドル(約7万8000円)。。なお、日本語版は年内にリリースする予定という。

東芝は、Pocket PC 2002のリリースに伴い既存製品へのアップグレードを行なうという。なお東芝は現在国内のほか米国でも製品を販売しているが、今後は欧州にも製品を出荷するとしている。

NECは、Pocket PC 2002を搭載したPDA『PocketGear(ポケットギア)』を発表、11月30日に発売する(詳細は別記事参照のこと)

日本HPも、Pocket PC 2002搭載機を遠からずリリースするとしている。

メーカー代表者が意気込みを語る

本日、PDA市場への参入を表明した富士通は、2002年第1四半期を目処に、製品を市場に投入するとしている。

マイクロソフトの阿多社長は、「Pocket PCは8月までで累計200万台以上出荷している。2001年のシェア予測はワールドワイドで24.1%、日本国内は28%(2000年は15%)。IDCのPDA市場予測では、2001年の出荷数はワールドワイドで1500万台で、年率数10%で伸びていくとされる。2005年にはPocket PCがPalmに追いつくとの予測だが、もっと早い時期にシェアを逆転したい」としている。

PDA市場予測
IDCによるワールドワイドでのPDAの出荷推移グラフ。2005年にはPocket PCがPalmに追いつくという予測
阿多社長
マイクロソフト代表取締役社長の阿多氏

また、各ハードウェアメーカーの代表者がそれぞれのPDA製品展開について説明した。各代表者のコメントは以下の通り。

カシオ計算機(株)常務取締役コンシューマ事業部長鈴木洋三氏「昨年の発表会はHPさんと当社の2社だけだったが、今回仲間が増えた。Pocket PCはコンシューマー市場のフラグシップであるとともに、企業ユーザーのニーズに応えられる高度なスペックを備えている。他のPDA用OSとは比較にならないパワーを秘めている」

コンパックコンピュータ(株)アクセスビジネス統括本部企画本部本部長岡隆史氏「5月のiPAQ発表以降、多くの台数を出荷したが、9月以降は数千単位での企業への導入が進んでおり、カスタマイズ対応の需要も多い。Pocket PC 2002はOS自体が機能拡張されており、企業ユーザーのニーズに更に対応できる。個人と企業の比率は50対50でビジネスを考えている。企業ユーザーは思った以上にモバイルを使ったシステム導入を望んでいるようだ」

(株)東芝取締役専務モバイルコミュケーション社社長溝口哲也氏「PDAは日本市場ではまだブレイクしていないが、今回のPocket PC 2002により大きくブレイクするだろう。Pocket PCを採用した理由は、将来を見通した際、Microsoft .NETとシームレスに展開できることと、企業ユースに力を入れていること。各社がもっとこの市場に参入することを待ち望んでいる」

日本電気(株)NECソリューションズ執行役員常務富田克一氏「NECは企業向け市場に注力し、これまでノートパソコンや携帯電話で対応していた業務を、PDAで対応できるようにしていく。NECは軸足を企業マーケットにおいて事業を展開する。Pocket PCやWindows XPを起爆剤として、現在の不況感、閉塞間を吹き飛ばしたい。」

日本ヒューレット・パッカード(株)執行役員コンシューマ事業統括本部長小仲浩一郎氏「Pocket PC 2002は素晴らしいソフトだ。米国で『』の発売を開始したが、現在店頭にある製品ではこれがいちばん軽くバッテリー寿命が長いだろう。今後もPDA分野に投資し、マイクロソフトのソフトの進歩に歩調を合わせていく。ビジネスで活躍している人々がフォーカスユーザーだ」

富士通(株)パーソナルビジネス本部本部長代理芋川敏氏「モバイル環境において、通信、OSなど種々の条件が整った。Pocket PC 2002はおすすめできるプラットフォームだ。具体的な商品発表にはしばらく時間をいただくが、時期がきたらご案内する。企業ユーザーにフォーカスした機能が多いが、個人ユーザーにも受け入れられるものだ。富士通としては、個人で購入し企業で使うというシーンも想定し、事業を展開する」

ハードメーカー代表者1
左から、カシオ計算機の鈴木氏、コンパックコンピュータの岡氏、東芝の溝口氏
ハードメーカー代表者2
左から、NECの富田氏、日本HPの小仲氏、富士通の芋川氏

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