マイクロソフト(株)は25日、OSにWindows CEを搭載する携帯型端末“Pocket PC”をメインとした、デベロッパー向けのカンファレンス“Mobility Day”を開催した。携帯型端末のみを取り扱うカンファレンスを日本で開催するのは同社としては初めての試みだという。
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マイクロソフトのニューメディア&デジタルデバイス本部シニアマネージャー、倉石英典氏 | “Pocket PC”の現在の市場動向を説明するスライド。不況の中でも確実にシェアを伸ばしているという |
冒頭に壇上に立ったマイクロソフトのニューメディア&デジタルデバイス本部シニアマネージャーである倉石英典氏は、現在のPDAおよび“Pocket PC”の市場動向について説明を行ない、「不景気の影響で2002年度はパソコンの出荷台数、携帯電話の出荷台数共に伸び悩んだが、その中でも“Pocket PC”は順調に伸びており、出荷台数では2002年度は2001年度のおよそ2倍、日本国内のPDA市場におけるシェアは31%に達した」と述べた。
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カネボウ“BCナレッジシステム”のシステム図 |
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マイクロソフトの.NETマーケティング部シニアマネージャー、熊谷恒治氏 | 「状況に最適なインターフェースを利用して必要な情報を一貫して得る」というコンセプトの実現のため、Windows CEベースのシステムも大きな進化を遂げているという |
次のセッションではマイクロソフトの.NETマーケティング部シニアマネージャーである熊谷恒治氏が、同社のモバイルソリューションへの取り組みについて解説。たとえばビジネスマンの場合、通勤中は携帯電話、社内ではパソコン、外出先ではPDAといったように、時間帯によって利用する情報端末の利用環境が変化するが、環境が変わっても必要な情報は変わらず、常にメールや社内の各種情報をやり取りしたいという例を挙げた。利用者にとって必要なことは、状況に最適なインターフェースを利用して必要な情報を一貫して得ることだとし、目的を達成するためのソフトウェア環境整備の重要性を指摘した。この一貫して同じ情報ソースにアクセスする手段とWindows CEプラットフォームでのソフトウェア環境整備のための開発環境として、24日に発表された『Windows Automotive 4.2』にも搭載されているWindows CE用の『.NET Framework』サブセットである『.NET Compact Framework』と、22日にMSDN Subscriber Downloadで提供が開始された『Visual Studio .NET 2003』を挙げた。これらのコンポーネントおよびツールにより、より広範なユーザー環境でのXMLウェブサービスの利用が可能になるという。
“Mobility Day”では、カンファレンスセッションのほか、マイクロソフトおよび“Pocket PC”関連メーカーの製品/ソリューションの展示も行なわれた。
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携帯電話スタイルの“SmartPhone”端末 | 電話がかけられるPDA“Pocket PC Phone Edition” | |
マイクロソフトブースに展示されていた2種類の端末 |
マイクロソフトのブースでは、日本未発売の“SmartPhone”端末と“Pocket PC Phone Edition”端末がそれぞれ参考出品されていた。いずれも電話がかけられるWindows CE端末だが、“Pocket PC Phone Edition”の端末は通話機能を内蔵したPocket PC、“SmartPhone”はWindows CEが搭載された携帯電話というスタイル。“Pocket PC Phone Edition”の日本での製品化は現在予定していないそうだが、“SmartPhone”は来年前半をめどに製品を発売したいという。なお、キャリアーと製造メーカーに関しては現在各社と交渉中とのことだ。
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日本テキサス・インスツルメンツのブースでは、同社のPDA向けプロセッサーとチップセットを利用した“Pocket PC”および“SmartPhone”のコンセプトデザインモデルを展示。展示されている製品はマイクロソフトブースに展示されていた端末と同じ |
![]() | DDIポケットはAirH”を利用した“Wake On Ring”(電話などの着信を利用して、電源オフのシステムの電源をオンにする仕組み)のシステムを紹介していた。Wake Onさせる通信コストとWake Onした後の通信コストを考慮し、WakeOnのトリガーには、DDIポケットのショートメールサービス“ライトメール”を使用 |
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