良好な使い勝手と少々物足りない画像
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撮影サンプル1。元画像は2272×1704ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。オートモード。F5.3、1/549秒(Exifデータ値)。 |
使用してみると、7sと比べて記録画素数が向上したことから画像再生時など多少動きが重くなってはいるものの、電源ONからのファーストショットは約5秒と、起動時にレンズが沈胴/伸張しないこともあって全体的にきびきびとした動きだ。
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撮影サンプル1の中央上を640×480ドットにトリミングしたもの。少々ノイズが目立つ。 |
一方、問題点も7sからそのまま継承しているのは残念だ。光学ファインダがレンズのすぐ横にあるにもかかわらずパララックスが大きく、2~3m程度の距離で撮っても気になるほどずれてしまう。また、液晶モニタでしっかりアングルを確認して撮影しても、シャッターを切る直前に液晶モニタに写っていたものより若干左にずれた画像が記録される。これは、CCDからの信号読み出し処理が連続読み出し時と静止画記録時で異なるためだそうだが、アングルをきっちり決めて撮ろうとする場合、光学ファインダのみならず液晶モニタのフレームも信頼できないことになり、改善を望みたいところだ。
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撮影サンプル2。元画像は2272×1704ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。オートモード。F2.6、1/30秒(Exifデータ値)。 |
画像に関しても、7sやCaplio RR10と同様に、解像感はあるものの全体的にノイジーなのが気になる。発色に不自然さはないが、彩度は低めに写りがちなので、鮮やかな画像が好まれる昨今では物足りなく思えるだろう。
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撮影サンプル2の中央上を640×480ドットにトリミングしたもの。階調は良好だが、黒い部分と明るい部分のエッジに偽色がでている。 |
と、いろいろと不満点もあるが、実際に使ってみるとどんなデジタルカメラよりも有用に活用できる。同社RDCシリーズを継承した平たいボディはポケットやカバンの中に収まりがよくて取り出しやすく、アングル可変の液晶モニタはさまざまな角度から撮影できるので非常に便利だ。マニュアルモードを持たない(8/4/2秒のスローシャッターのみマニュアルで設定可能)など、絵作りを目的にするのには向いていないものの、コンパクトなサイズにもかかわらず400万画素という繊細な描写力を持つため、普段から持ち歩いて各種のスナップ撮影をするのは最適だ。
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撮影サンプル3。元画像は2272×1704ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。平たいボディと可変アングル液晶は、レンズ光軸が地面から1cm程度しか離れていない状況でも液晶モニタで構図を決めることができる。 |
400万画素クラスのコンパクトカメラとしてはオリンパス「CAMEDIA C-40ZOOM」があり、RR1はわずかながら(体積比で1.02倍)大きいため、“400万画素クラス最小”ではない。しかし、C-40ZOOMや“銀カメ”(IXY DIGITAL 200を初めとするコンパクトデジタルカメラ群)にはない液晶モニタのアングル可変機構や薄型の本体は、携帯性と画質を兼ね備えた強力なイメージ・キャプチャリング・デバイスであることは間違いない。
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撮影サンプル4。元画像は2272×1704ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。RDC-7sやRDC-i500と同じく、最短撮影距離1cmというデジタルカメラ随一のマクロ撮影機能は非常に強力だ。 |
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撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。肉眼でもはっきりしない細部がしっかりと写っている。 |
Caplio RR1の主なスペック
撮像素子 |
1/1.8インチ有効395万(総413万)画素CCD |
レンズ |
光学3倍ズーム、f=7.3~21.9mm(35mmフィルムカメラ換算:35~105mm)、F2.6~3.4 |
記憶媒体 |
スマートメディア、内蔵8MBメモリ |
記録画素数 |
2272×1704/1120×840/640×480ドット |
動画記録 |
288×216ドット(メディア容量まで)、Motion JPEG準拠AVI形式 |
液晶モニタ |
2.0インチ低温ポリシリコンTFT液晶、約20万画素 |
インターフェイス |
USB、AV出力、DC入力 |
電源 |
専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ |
135.4(W)×74.0(D)×26.6(H)mm |
重量 |
約270g(本体のみ) |