クリエイティブメディア(株)は24日、同社が20日に発表したマルチエンバイロメンタルオーディオプロセッサー『Audigy(オーディジー)プロセッサー』を搭載し、“EAX ADVANCED HD”オーディオアーキテクチャーを持つサウンドカード3種類『Sound Blaster Audigy Platinum eX』(SBAGYEX)、 『Sound Blaster Audigy Platinum』(SBAGYPT)、 『Sound Blaster Audigy Digital Audio』(SBAGYDA)と、同シリーズと組み合わせてドルビーデジタルサウンドが再生できる、ディスクリート5.1chアンプ/スピーカーシステム『Creative Inspire 5.1 5300』と、そのほか『Creative Inspire』シリーズの2製品を発表した。発売は9月上旬の予定。
次世代のオーディオプラットフォーム――『Sound Blaster Audigy』
『Sound Blaster Audigy』シリーズは、24bit/96kHz、SN比100dB(DACレベル)の5.1チャンネルサウンドを可能にし、“EAX ADVANCED HD”(※1)テクノロジーによって高品位サウンドを実現しているという。また、IEEE1394完全互換の“SB1394”ポートが付属し、Sound Blaster間やIEEE1394周辺機器との間でデータ転送を行なえる。
※1 ハードウェア/システムソフトウェア/アプリケーション/APIを含む同社の包括的テクノロジー“SB1394”のロゴマーク |
さらに、Audigyプロセッサーにより強化される“EAX ADVANCED HD”は、以下のような機能を実現している。
プロスタジオ並のデジタルミュージックと、ビデオ制作
- Audigyドライブのフロントパネル接続(Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):光デジタル・同軸デジタル入出力、ライン/マイク入力、AUX入力、ヘッドホン出力が可能。さらにSB1394コネクターを使用して、さまざまなデバイスをパソコンの前面から接続できる
- ASIO(※2)のサポート:マルチトラック録音が可能
- “SoundFont2.1”(※3)のサポート:64ボイスポリフォニックハードウェアシンセサイザーが使用可能
- デジタルビデオカメラのサポート:IEEE1394コネクターを持つデジタルビデオカメラを接続し、付属のデジタルビデオ編集ソフトを使ったデジタルムービーの作成が可能
※3 SoundFontは、Sound Blasterのメモリーにダウンロードし、Sound Blasterのウェーブテーブルシンセサイザーで利用可能な音色データファイル。
付属ソフトの『Play Center』。音楽CDのクリッピングや、シリコンオーディオへの転送が行なえるパーソナルデジタルミュージックセンター |
高品位サウンドクオリティ
- 24bit/100dB SN比のサウンド
- ソフトウェアによるドルビーデジタル(AC3)デコーディングによってドルビーデジタルDVDにも対応
- ワイヤレスリモコン(Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ)
- CDオーディオ、MP3、WMA(Windows Media Audio)等のファイルの再生が可能
次世代ゲームに向けた“マルチエンバイロメント”
- “エンバイロメントモーフィング”:音響特性をリアルタイムでモーフィング。“トンネルを抜けて広い場所に出る”ときなどの場面変化による音響の移行をスムーズに実現
- “エンバイロメントパンニング“:物体が近づいて来たり離れたりする時の位置関係を表現可能
- “エンバイロメントリフレクションズ”:物体が近づいて来たり跳ね返りこちらに向かってくるような現象を立体感のある3Dサウンドで再現
- “エンバイロメントフィルタリング”:ハイパスフィルター(※4)を利用して、屋内と屋外の環境の違いを正確にサウンドシミュレーション
- “エクストリームエフェクツ”:アドバンスドパラメーターを使用することによって、スタジオで使用するリバーブ(残響)プロセッサー以上のモジュレーション設定を適用可能
- “Advanced 3Dオーディオ”:Audigyに最適化された3Dオーディオエンジンにより、マルチスピーカーシステムとヘッドフォンの両方で3Dサウンドのイメージを向上
- ピア・ツー・ピアゲーミング:SB1394によってパソコン間を接続し、LANゲームを超えるマルチプレイヤーゲーム環境が実現可能
エンバイロメントによるエフェクトのモデル図。位置による音の違いや、屋内の音の反響などをリアルに表現するという |
高品質サウンドクオリティーによるミュージック再生
- 『Creative PlayCenter 3』:付属ソフト。MP3/WMAファイルのリッピング、デジタルミュージックCDの制作やデジタルオーディオコレクションの編成とカスタマイズを行えるパーソナルデジタルミュージックセンター
- “オーディオクリーンアップ”:アナログソースからの録音時に入るヒスノイズやスクラッチノイズを低減
- “タイムスケーリング”:再生時に、サウンドのピッチやクオリティーを損なわずに再生スピードのみを変更可能
- “EAX Advanced HD オーディオエフェクツ”:さまざまなオーディオプリセットやスペシャルエフェクトを用意
- “DREAM”:(Dynamic Repositioning of Enhanced Audio & Music)特定の周波数レンジをリダイレクトすることにより、ステレオ音源からでもクラブ調のサラウンドサウンドを作成可能
- SB1394接続:『NOMAD Jukebox』(※5)やハードディスク、外付けCD-RWドライブ等のIEEE1394対応デバイスに最大400Mbpsのデータ転送を実現
バンドルソフトウェア
サウンドカードに同梱されるソフトウェアは以下の通り。- 『Play Center 3』:MP3/WMAファイルのリッピング、デジタルミュージックCDの制作やデジタルオーディオコレクションの編成とカスタマイズを行えるパーソナルデジタルミュージックセンター
- 『Creative Remote Center』(Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):リモコンによるPCの遠隔操作、MP3ファイルやオーディオCDの再生が可能
- 『Vienna Sound Studio 2.3』(Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):SoundFont 2.1に対応した、音素材を作成するSoundFontエディター。サンプルの作成、編集、再生、スペシャルサウンドエフェクトの追加などができる。
- 『Creative版 Steinberg's Audio Site』(英語版、Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):MIDIサウンドのレコーディングスタジオ。ASIOドライバー、24オーディオチャンネルの再生、64MIDIチャンネル、3ステレオ出力とインテグレーとVSTミキシングエフェクツをサポート
- 『Ulead Video studio Audigy 』(Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):デジタルビデオ編集ソフト
- 『Creative版 Unibrain S.A's FireNet』(英語版、Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):SB1394ポートを通じて、Sound Blaster Audigy同士で最大400Mbpsのデータ転送を可能にするEthernet LANエミュレーター
- 『Oozic Reactor』(英語版、Audigy Platinum eX、Audigy Platinumのみ):VJソフト。ビジュアルエフェクトを使用したムービークリップ映像を可能とする
- 『Oozic Player』(英語版):3Dミュージックビデオを閲覧可能
Sound Blaster Audigy 製品ラインアップ
Sound Blaster Audigyシリーズ3製品の主な仕様は以下の通り。
『Sound Blaster Audigy Platinum eX』(SBAGYEX)
シリーズ最上位機種。SB1394コネクター、同軸デジタル入出力端子などを搭載したフロントアクセス方式の『外付けAudigy Drive フロントパネル』と、Audigy拡張コネクター、AUD_EXT/ジョイスティックコネクターなどを搭載した『Audigy 拡張カード』が付属する。価格は3万9800円。
『Sound Blaster Audigy Platinum eX』。このほかに、SB1394ポートとジョイスティックコネクター、Audigy拡張コネクターなどが付いた『Sound Blaster Audigy拡張カード』が付属する |
『Sound Blaster Audigy Platinum』(SBAGYPT)
『eX』から、『Audigy 拡張カード』を除いた廉価版。SB1394コネクター、同軸デジタル入出力端子などを搭載したフロントアクセス方式の『Audigy Drive フロントパネル』が付属する。価格は2万9800円。
『Sound Blaster Audigy Platinum』 |
『Sound Blaster Audigy Digital Audio』(SBAGYDA)
Audigy ADVANCED HDを気軽に体験できる入門版。同軸デジタル入出力、光デジタル入出力端子を備えたモジュールと、光デジタルインターフェースカードが付属する。価格は1万8800円。
『Sound Blaster Audigy Digital Audio』。写真右下がデジタル入出力モジュール、左下が光デジタルインターフェースカード |
必要システム構成
動作環境
- CPU:Pentium II以上のインテル純正CPU、Pentium100%互換CPUを使用した100%PC/AT互換機
- マザーボード:インテル純正のマザーボードチップセット、または、100%互換マザーボードチップセット
- RAM:64MB(128MB以上推奨)
- HDD:600MB以上
- スロット:PCI 2.1仕様の空きPCIスロット1つ
- 空き5インチドライブベイ1つ
- ジョイスティック/MIDIブラケット用空きスロット1つ
- 空いている(シェアリングしていない)使用可能なIRQ1つ(Windows 98SEでSBエミュレーションを使用する場合は2つ)、SB1394用のIRQ1つ
- ヘッドフォン、または、アンプ内蔵スピーカー(別売)
- CD-ROMドライブ
- インターネットにアクセス可能な環境(オンラインユーザー登録やドライバーのアップデートのために必須)
- Windows 98/98SE/Me/2000
SB1394アプリケーション、ゲーム、およびDVD鑑賞
- CPU:Pentium II-350MHz以上、または同等の性能を持つPentium100%互換CPU
- マザーボード:インテル、又はインテル100%互換のマザーボードチップセット
- ゲームには8MB以上のビデオメモリーを持つ3Dグラフィックスアクセラレーター
- デジタルビデオ編集には128 MB以上のメインメモリー(推奨)
- デジタルビデオのキャプチャー、編集には、Ultra DMAタイプのハードディスク(ATA/100、7200rpm、6GB以上を推奨)と1GB以上の空き容量を推奨
- 別途、DVD-ROMドライブとソフトウェアDVDプレイヤーが必要。DVDプレイヤーは、Sound Blaster Audigyに対応している必要がある
- 対応OSはWindows 98SE/Me/2000
Oozic Reactorに必要なシステム構成
- CPU:Pentium II-300MHz以上
- グラフィックボード:8MB以上のビデオメモリーを実装した3Dグラフィックスカード
- DirectX 7以上
Creative Inspireシリーズ
『Creative Inspire 5.1 5300』。写真右下が、パワースイッチ付きのボリュームコントローラー |
また同時に発表された『Creative Inspire』シリーズ3製品は、Sound Blaster Audigyシリーズと組み合わせてドルビーデジタルサウンドが再生できるアンプ/スピーカーシステム。同社の『Sound Blaster Live! 5.1ch』シリーズサウンドカードの出力もサポートする。強化キャビネット採用の木製サブウーファーのほか、人間工学に基づいて設計されたパワースイッチ付きのボリュームコントローラーが付属する。主な仕様は以下の通り。
『Creative Inspire 5.1 5300』
ドルビーデジタル5.1chの再生に対応した6chアンプ/スピーカーで、パワースイッチ付きワイヤードボリュームコントローラーが付属する。フロント・センター・リヤの出力は6W RMS/ch(※6)。サブウーファー出力は17W RMS。周波数特性は40Hz~20kHz。SN比は75dB。サイズと重さは、サテライトスピーカーが幅96×奥行き92×高さ112mmで0.47kg。サブウーファーが幅220×奥行き250×高さ222mmで3.6kg。電源はACアダプター。価格はオープンだが、予想実売価格は1万6800円程度。
※6 1chあたりの“Root Mean Square(平均自乗根)”、音の“実効値”を指す『Creative Inspire 4.1 4400』
4chサラウンドサウンド対応のアンプ/スピーカー。パワースイッチ付きワイヤードボリュームコントローラーが付属する。フロント・リヤの出力は6W RMS/ch、サブウーファー出力は17W RMS。周波数特性は40Hz~20kHz。SN比は75dB。サイズと重さは、フロント・リアスピーカーが幅96×奥行き87×高さ95mmで0.33kg。サブウーファーが幅192×奥行き211×高さ192mmで2.4kg。電源はACアダプター。価格はオープンだが、予想実売価格は1万1800円程度。
『Inspire 2.1 2400』
ホームステレオクオリティーのサウンドを可能にした、2chサラウンドサウンド対応の低価格のアンプ/スピーカー。ワイヤードボリュームコントローラーが付属する。フロントスピーカーの出力は4.5W RMS/ch、サブウーファー出力は12W RMS。周波数特性は38Hz~20kHz。SN比は75dB。サイズと重さは、フロントスピーカーが幅96×奥行き87×高さ95mmで0.33kg。サブウーファーが幅192×奥行き211×高さ192mmで2.4kg。電源はACアダプター。価格はオープンだが、予想実売価格は5000円台。
プロフェッショナルの市場とマスマーケットが1つになる
クリエイティブテクノロジー社CEO、シム・ウォン・ホー氏 |
同日行なわれた発表会では、シンガポールのクリエイティブテクノロジー社CEO、シム・ウォン・ホー(Sim Wong Hoo)氏の基調講演が行なわれ、その中で氏は「Sound Blaster Audigyはきっと皆さんを驚かせるだろう。この製品の一番エキサイティングなところは、プロフェッショナルマーケットのクオリティーが持つ音を、マスマーケットに持ちこむことにある。これは2つのマーケットが1つになるということだ。マスマーケットの皆さんがプロフェッショナルの音を楽しめ、そしてプロフェッショナルの方々は、マスマーケットの価格を楽しむことができる」と述べ、65万円の電子オルガンと、Sound Blaster Audigyの音を較べるデモンストレーションや、“マルチエンバイロメント”が実現したエフェクトなどを披露し、会場を楽しませた。
Sound Blaster Audigyを使った演奏のデモ。キーボードにギターの音色やドラムの音色を割り当て“禁じられた遊び”を熱演した |
「Audigyで誰でも音楽がインタラクティブに楽しめるようになる」シムCEOインタビュー
発表会後、シムCEOにインタビューを行ない、Audigyがもたらすビジョンや今後の製品開発の方向について伺った。
これまでは、オーディオプロセッサーの処理能力不足から、こうした楽しみ方はできませんでした。Audigyの強力なプロセッシングパワーによって、音楽をよりインタラクティブになるというビジョンが可能になったのです。
Sound Blaster Audigyを手にするシムCEO |
発表会のスピーチでシムCEOは、「パソコンのオーディオ市場は、ただ音が出ればいいというユーザーと、本当に音楽が楽しみたいというユーザーの2つに分かれる」とし、サウンドのクオリティーを求めるユーザーにはSound Blaster Audigyしかないと強調していた。そして、サラウンドの音場をパソコンでコントロールしたり、24bit、96kHzサンプリングの5.1chデジタルオーディオ再生を行なったり、ゲーム中でよりリアルなサウンド環境を実現するといったデモンストレーションで、Audigyの高性能をアピールした。ほとんどすべてのパソコンに、基本的かつ通常は十分なオーディオ機能が搭載され、CPUの性能向上によってドルビーデジタル5.1chのデコードも行なえるようになったいま、Sound Blaster Audigyにお金を払うユーザーは、かなり強い目的意識を持ったユーザーになるはずだ。シムCEOからは、そうしたユーザーに対して、同社は今後も妥協のない性能を持った製品を提供していくという強い決意が感じられる発表会だった。