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COOLPIX 775

COOLPIX 775

2001年08月23日 20時29分更新

文● 行正

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機敏さに欠ける動作とシャープな画像&撮影サンプル

作例1・ビル雲
撮影サンプル1。元画像は1200×1600ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズしている。逆光下にも関わらずつぶれることなくビルのディティールが残っている。

 利用して気になったのは、動作がややもったりとした感じがする点だ。起動後のファーストショットまで約7秒、単写時の撮影間隔は約4秒、連写モードにすると約1.5秒間隔となるが一定枚数(1600×1200ドットモードでは5枚)を撮影するとCFへの書き込みが始まる――という数値は、コンパクトデジタルカメラとしては決して遅いものではない。しかし、撮影時にフラッシュモードやマクロへの切り換え、メニューボタンを押してからメニューが表示されるまで若干の間があり、再生モードに切り換えた際に画像が表示されるまで約1.5秒かかる点など、動作全般にキビキビとした印象がないのは残念だ。なお、画像再生時には最初に粗い解像度のサムネイルが表示され、すばらくするときめ細かな画像に切り換わるようになっているのだが、その間に画面上に砂時計が表示される演出が、かえって“待たされている”感を受けてしまう。



作例1・ビル雲・アップ
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。コントラストの高い絵のため、若干青空にノイズが載っているが、細部まできちんと描写されている。

 撮影画像に関しては、同社のデジタルカメラの特徴である“なるべく記憶色強化を行わない自然な発色”を忠実に守っており、発色に不自然さはなく、ソフトな色あいながらきちっとした解像感のある絵作りとなっている。ホワイトバランスやフォーカスも的確だ。



作例2・花/蝶
撮影サンプル2。1600×1200ドットを640×480ドットにリサイズ。マクロモードでの撮影。色あいはおとなしめだが発色は自然だ。

 ただし、記憶色を強める傾向にある最近のデジタルカメラを見慣れた目からすれば少々鮮やかさが足りないように感じられるのは確かだ。コンパクトデジタルカメラの多くがデジタルカメラ入門機としての役割を持つことを考えれば、もう少し彩度を高めに設定したほうが初心者受けは良いのではないかと思える。もっとも、樹木の緑や夕焼けの赤さを強調するためのシーンモードを持っており、これらのシーンモードをいかに活用するかがこのカメラの使いこなしと言えるだろう。



作例2・花/蝶・アップ
撮影サンプル2の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。入門機とは思えない描写性の高さが魅力だ。

 今回、試用することができなかったが、コンバージョンレンズ用のアダプタ「コンバータアダプタ」(1500円)も用意される。これは、ボディをはめ込むようにして取り付けることにより、CPPLPIX 995と同じワイドコンバータやテレコンバータレンズ(各1万4000円)を装着できるようになるものだ。本体のズームレンズ以外にもこういった楽しみ方が可能なのもうれしい限りだ。



作例3・猫
撮影サンプル3。1600×1200ドットを640×480ドットにリサイズ。コンパクトなサイズはポケットに入れられるため、いつも持ち歩けばシャッターチャンスを逃がすこともないだろう。

 COOLPIX 775は、絞りやシャッター速度をユーザーが指定するマニュアルモードを持たず、大きなシーンモードダイヤルを搭載するなど、かなり入門者を意識した製品だ。それでも、しっかりとしたグリップや記憶色を重視しない絵作りなど、“硬派”なニコンらしさが漂っている。初心者には“しっかり使える入門機”として、ニコンファンを中心としたハイアマチュアには満足できる絵作りのセカンドカメラとしてお勧めしたい製品だ。



作例4・花/水滴
撮影サンプル4。1600×1200ドットを640×480ドットにリサイズ。マクロモードでの撮影結果。直径数cmの小さな花だが、最短撮影距離4cmというマクロモードではいっぱいに撮影できる(この撮影では10cm程度)。
作例4・花/水滴・アップ
撮影サンプル4を640×480ドットにトリミングしたもの。水滴の大きさから花が小さいことがわかる。
作例5・夕焼け比較
撮影サンプル5。通常の“オートモード”とシーンモードの“夕焼け”の比較。いずれも1600×1200ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズし、そのうち320×480ドットをトリミングして並べている。
COOLPIX 775の主な仕様
撮像素子 1/2.7インチ有効201万(総214万)画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=5.8~17.4mm(35mmフィルムカメラ換算:38~115mm)、F2.8~4.9
記録媒体 CFメモリカード TypeI(8MB付属)
撮影画素数 1600×1200/1024×768/640×480ドット
液晶モニタ 1.5インチ低温ポリシリコンTFT、11万画素
絞り 2段階(F2.8/F7.9:広角側)
動画機能 16コマ/秒、QuickTime形式
インターフェイス USB、ビデオ出力、DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池、2CR5×1
本体サイズ 87(W)×44(D)×66.5(H)mm
重量 約185g(本体のみ)

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