ソニー
オープンプライス
19万5300円(SonyStyleダイレクト価格)
PCG-QRシリーズは、曲面を多用した柔らかなイメージのデザインと、シルバーとブラックというコントラストの強いカラーリングを採用し、どんな人が持っても、どんな場所に置いても似合うことを意識した、見た目を重視したPCである。2001年春モデルの「PCG-QR1E/BP」は、インパクトの強い外見はそのままに、CD-RWドライブを搭載するなどのスペックアップにより、PCをもっといろいろなことに活用したいというユーザーの欲求を満足させられるような機能強化が図られている。
CD-RWドライブを使いまくりたくなる
ライティングソフト「Drag'n Drop CD」
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やや透け気味のポリカーボネート製ボディや、周囲をぐるっと取り巻く樹脂製パイプなどは前モデルそのまま。ただし、デザインの見直しによって「VAIO」のロゴは少し小さくなっている。 |
PCG-QR1E/BPは、前モデル「
PCG-QR1/BP」同様にパイプ椅子をコンセプトとするデザインを引き続き採用している。外観の変更は天面のVAIOのロゴが少し小さくなった程度で、ボディを一周するパイプやチルトスタンドを兼ねるキャリングハンドル、サングラスのような透明感のある黒いポリカーボネート製ボディなど、個性的なスタイルはそのままだ。
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本体に装備するインターフェイスは、背面にUSB、CRT、モデムおよびLANポートを、右側面にUSB、i.LINK(4ピン)、PCカードスロット(TypeII×2)を備える。 |
基本スペックについては、CPUがMobile Celeron-600MHzに、HDD容量が15GBへとそれぞれ強化されている。さらに今回のスペックアップの最大のポイントは、CD-RWドライブを搭載した点だ。書き込み4倍速/書き換え4倍速/読み出し20倍速のCD-RWドライブを標準搭載したことによって、オリジナルCDの作成やデータのバックアップ、デジタルカメラで撮影した画像を加工して配布するなど、PCG-QR1E/BPの活躍の場はこれまで以上に広がっている。また、パワーユーザーよりもPC初心者層をメインのターゲットとしているPCG-QR1E/BPでは、CD-R/RWへの書き込みという難しそうなイメージのある作業をいかに手軽に行えるかという点にも配慮し、EasySystemのライティングソフト「
Drag'n Drop CD」を採用している。
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デスクトップに並んだアイコンにファイルをドロップするだけで、CD-R/RWを作成できる手軽な操作が魅力のDrag'n Drop CDだが、オプションを開けば、書き込み速度やファイルシステム、フォーマット形式の指定なども行える。 |
Drag'n Drop CDを使ったCD-R/RWへのデータの書き込みは、基本的にデスクトップ上のアイコンにファイルをドラッグ&ドロップするだけという簡単さだ。しかもアイコンは作成したいCD別に「DataCD」「CD Backup」「Music CD」の3種類が用意されている。PC上の個々のファイルをCD-R/RWに保存したいなら、DataCDのアイコンに保存したいファイルをドラッグ&ドロップするだけで、CD-R/RWへの書き込み準備は完了。あとはアイコンの上に現われる矢印のマークをクリックすれば実際の書き込みが開始される。ただし、ファイルやフォルダをただドロップしただけだと、すべてCD-R/RWのルートディレクトリ直下に書き込まれてしまう。CD-R/RW内のファイルの配置に気を使うなら、Drag'n Drop CDのアイコンを右クリックしてメニューから「レイアウトの編集」を選び、エクスプローラに似た「データレイアウトウィンドウ」を使って、フォルダやファイルの配置を変更するとよいだろう。
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エクスプローラに似たウィンドウデザインの「データレイアウトウィンドウ」では、新規にフォルダを作成できるなど、CD-R/RWに書き込むデータの階層化構造を細かく指定できる。 |
CD-ROMを丸ごとバックアップしたい場合はCD Backupのアイコンに、エクスプローラなどから「CD-ROMドライブのアイコン」をドロップし、後は指示に従ってバックアップしたいCD-ROMとCD-R/RWメディアを入れ替えるだけだ。オリジナルの音楽CDを作成する場合も、わざわざメディアの形式でCD-DAを選択するなどの手間や知識は必要ない。音楽CDをドライブに挿入し、CD-ROMドライブのアイコンをMusic CDのアイコンにドロップすると「ベストアルバム編集ウインドウ」が表示され、CD-R/RWに書き込みたい曲を選ぶだけでオリジナルCDを作成できる。書き込む曲順を指定したり、複数の音楽CDから好きな曲だけを抜き出して書き込めるほか、HDD上のWAVEファイル(44kHz、16bit)や、MP3ファイルもCD-DAのデータに自動的に変換されて書き込まれる。
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音楽CDを作成する場合に書き込む曲の選択や曲順の指定を行う「ベストアルバム編集ウインドウ」。ボタンを多用したデザインを採用しており操作方法は理解しやすい。 |
Drag'n Drop CDは、CD-R/RW初体験のユーザーでもためらうことなく手軽にCD-R/RWを作成できるすぐれたインターフェイスを備えたライティングソフトだ。パケットライトソフトのような手軽さで利用できる。ただし、CD-R/RWに最適な電源設定といったWindowsの環境設定の変更までを行う機能は持っていない。CD-R/RWを失敗せずに確実に書き込むには、書込み途中でスタンバイ状態に移行しないようにパワーマネジメントを設定し、スクリーンセーバが起動しないようにするなど、ユーザー自身が環境設定を行う必要がある点には注意したい。
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“つぶガム”をイメージしたというキーボードは、ピッチ18mm、ストローク3mmとサイズは充分だが、クリック感にとぼしいのが残念。キーボード右上には、アプリケーションのメニュー操作や「ジョグダイヤルランチャー」で液晶パネルの輝度、スピーカの音量などが調整できるジョグダイヤルを装備する。ジョグダイヤルランチャーの階層メニューを逆向きにたどりやすいバックボタンも搭載する。 |
そのほかのプリインストールソフトについては、基本的に前モデルと同様、DV動画キャプチャと簡易編集を行う「DVgate Ver.2.2」をはじめとするVAIOオリジナルソフト類が揃い、DV編集の「MovieShaker」がVer.1.2からVer.2.0にバージョンアップし、DV機器から直接動画をキャプチャできるようになるなどの変更も行われている。また従来どおり、Office 2000 Personalがプリインストールされ、OSにはWindows Millennium Editionを採用するなど、初めて買うマシンとして活用できるPCに仕上がっている。
価格はオープンプライスで、店頭での実売価格の目安となるSonyStyleでの販売価格は19万5300円となっている。CD-RWドライブ搭載というスペックアップにも関わらず、前モデル同様に20万円以下で購入できるPCG-QR1E/BPのお買い得度は高い。しかもこれだけ個性的なマシンを持って歩けば、周りの注目を集めることも間違いないだろう。新生活のスタートにぜひお勧めしたいマシンだ。
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本体と共通のデザインを持つFDDケースとマウスカバーも標準で付属する。オプションで用意されるUSB接続のFDD「PCGA-UFD5(オープンプライス)」とUSBマウス「PCGA-UMS1/A(オープンプライス)」に被せて利用する。 |
PCG-QR1E/BPの主なスペック
CPU |
Mobile Celeron-600MHz |
メモリ |
64MB |
液晶 |
13.3インチ |
解像度 |
1024×768ドット/フルカラー |
HDD |
15GB |
CD-RW |
R4倍速/RW4倍速/CD20倍速 |
通信 |
モデム/LAN |
サイズ |
330.6(W)×261.1(D)×40.7~47.2(H)mm |
重量 |
約3.0kg |
OS |
Windows Millennium Edition |
Officeアプリ |
Office 2000 Personal |