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Apollo Pro266の実力検証

Apollo Pro266の実力検証

2001年03月22日 00時00分更新

文● 鈴木雅暢

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性能・価格とも合格点だが
Intelの戦略との兼ね合いが微妙

 さて、ベンチマークの結果だが、全体的には、Pro266はi815Eに対してさほど性能向上がないように見える。それどころか、ビジネス系アプリでは逆に劣っているくらいだ。ただし、これは不思議なことではない。Apollo Pro133Aとi815Eの比較を見れば明らかなように、元々VIAのチップセットはIntelチップセットと同一条件で比較すると性能では一歩譲る。同じVIAのApollo Pro133AとApollo Pro266の比較では、メインメモリ性能で14%、アプリレベルでも3~4%の性能アップを果たしており、納得できる結果だ。また、マルチメディア系アプリではi815Eに対しても2~4%のアドバンテージを確認できており、大量のデータ転送を行うことが多いマルチメディア処理ではメモリの絶対的なバンド幅がものを言った格好だ。総合的に見たパフォーマンスは、合格点をあげてもいいだろう。

 ただ、現時点でApollo Pro266マザーが買いかどうかは微妙なところだ。問題は今後のIntelの戦略だ。現状でもSocket 370用のCPUは、もう1年もPentiumIII-1GHzが最上位製品で、パフォーマンスアップは頭打ちだ。Intelはメインストリーム向けCPUのPentium 4への移行を進めており、今後PentiumIIIの生産は縮小する意向だ。一応、PentiumIIIに関してもプロセスルールを0.18μmから0.13μmへ縮小、さらなる高クロック品(1.26GHzと言われている)がリリースされるとの話もあるが、その0.13μmプロセスで製造されるPentiumIII(Tualatin=開発コードネーム)は、同時にFSBのバスプロトコルも変更され、現在市場にあるチップセットでは利用できなくなってしまう(i815EはMCHのステッピングの変更で対応するということになっているが、現状の製品で対応できないことには変わりがない)。つまり、今Apollo Pro266マザーを購入しても、CPUに関して言えば、PentiumIII-1GHzより上へのアップグレードは期待できない。

 それでも、DDR SDRAMはAthlonプラットフォームではすでにそこそこ普及しており、今後はPentiumIII/Celeron用としてもSiSの「SiS635」が登場してくる。Apollo Pro266搭載マザーボード自体の価格はそれほど高くなく(一般的なもので1万8000円前後)、メモリモジュールの価格もリーズナブルと言える段階まで降りてきている。現状最高レベルのハイパフォーマンスシステムが構築でき、かつメモリ自体は将来も使い回せる可能性が高い。そういったことまで視野に入れて考えれば悪くない選択と言えるかもしれない。

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