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アドバンス技研(株)代表取締役 山本一浩氏

MSDNインタビュー第1回 日本初のビルディングブロック「104Server.com」開発インタビュー

2001年03月06日 11時25分更新

文● MSDN MAGAZINE編集部

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 インターネット上のサービスの仕組みとしてMicrosoftの「Microsoft.NET」構想が少しずつ認知されてきました。

 しかし、実際に開発者サイドから見ると、どのようなものをサービスとして提供することができるか、またWebサービス(ビルディングブロック)を作成した場合の課金方法はどうするのかなど、具体的な方向性を定めるために試行錯誤を繰り返しながら取り組む必要があります。「104Server.com」は、「Microsoft.NET」思考に基づく1つのビジネスモデル であり、ビルディングブロックの例としても、とても分かりやすいと言われています。

 最近では、Web上でさまざまな情報が取得可能になりました。ただすべてがオンラインで完結しているわけではなく、重要な資料や捺印の必要な契約書、書籍、商品等は、Webから要求を出しても最終的には物理的に送付してもらう必要があります。あたり前の話ですが、そういった場面では必ず住所、氏名、電話番号の入力を要求されます。しかし、多くのWebサイトでは、郵便番号を7桁入力し、続いて都道府県を選択し、さらに、市区町村名、番地、氏名、電話番号等を入力しなければなりません。

 さらに郵便番号は半角、都道府県はコンボボックスからの選択、市区町村名は全角で、電話番号は半角でといった、Webサイト側の都合でさまざまなモードに切り替えながら必要事項の入力をしていくわけです。しかし、本来は郵便番号を入れるだけで、これらの大半の情報が取得できるにもかかわらず、このような入力をしなければならないことは、非常に煩わしく感じます。

 年賀状ソフトや顧客管理ソフトのほとんどに、郵便番号入力だけで住所が入力できる機能があるにもかかわらず、Web上で単純に行なうことができないことにはそれなりの理由があります。

 7桁の新郵便番号は平成10年より施行されており、郵政省から公開されるデータ量は12万件にもなるうえ、毎月データが更新されています。Web上のデータを最新に保つには、常に面倒な更新作業が必要となります。

 アドバンス技研(株)では、7桁郵便番号の変換/検索ソフトとして「Yubin7」というアプリケーションを開発・販売しており、現在も多くの企業にライセンスしています。そして、毎月郵政省からデータが更新されるたびに、Yubin7用の辞書を更新してユーザーに提供しています。アドバンス技研(株)のWebページでは、以前よりこの機能を利用して、自社ソフトのオンライン販売コーナーでは、7桁の郵便番号を入力すると、結果をフォームに登録する仕組みを採用しています。

 実際、それらの更新されたデータを自社で持っている場合に、そのデータを自社サイト用に利用することはさほど難しくありません。HTMLのFORM等を利用して、CGIやASP(Active Server Pages)を使って、入力された郵便番号から結果を取得して子ウィンドウを出したり、JavaScript等を使うことで難なく実現できます。

 また、弊社では郵政省のデータを機械的に更新する仕組みを用意しているので、さほど手間はかかりませんが、独自にデータをメンテナンスするにはたいへんな作業となるでしょう。

 我々のサイトには、最新の郵便番号辞書が常時あるのだから、なんとか我々のサイトの辞書データをアクセスする仕組みが作れないかと考えたのが、今回のプロジェクトの始まりでした。

 これらを簡単に、しかもシームレスに別サイトに組み込むことが実現できれば、さまざまな応用が可能になります。年賀状ソフト等ではすでに一般化している住所入力ツールとしては、最も便利な電話番号による住所入力についても同様です。それぞれのローカルマシンにあるCD_ROM(○年△月×日現在のものなど)にアクセスするのではなく、常に最新の電話番号辞書データにシームレスにアクセスできるようなシステムが構築できるだろうと考え、早速調査を始めました。もちろんその時にはまだ、「Microsoft.NET」というキーワードは発表されていませんでした。

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