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アドバンス技研(株)代表取締役 山本一浩氏

MSDNインタビュー第1回 日本初のビルディングブロック「104Server.com」開発インタビュー

2001年03月06日 11時25分更新

文● MSDN MAGAZINE編集部

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 そんななか、2000年7月のソフトウェア開発環境展の会場で、いつもアドバイスをいただくMicrosoftの.NETソリューション開発部の言語担当の方から、「それならぜひSOAPを使ってみてください」とヒントをいただき、早速開発に取りかかりました。

 早速、MicrosoftのWebサイトから「SOAP Tool Kit」をダウンロードしました。XMLでの通信テストをし、別ドメインのサーバから社内のサーバにアクセスしテスト結果を取得する。今まで問題になっていたことが比較的簡単に行なえ、これならば実現できるというというレベルに、すぐに達することができました。しかし、やがて大きな問題に遭遇しました。「SOAP Tool Kit」では、日本語が扱えなかったのです。

 郵便番号や、電話番号から得られる住所や会社名、氏名は当然のことながら日本語です。おそらく「Visual Studio.NET」では、別の方法で日本語を含めた通信が可能だと思いますが、まだ「.NET」開発環境のない我々の環境では重大な問題でした。しかし、.NETのビルディングブロックと我々の考えるサービス内容は、かなり近い物であるということと、間違いなく今後はインターネット上でのRPC(Remote Procedure Call)によるサービスが必要不可欠であると判断し、試行錯誤を繰り返して、今後の「.NET Platform」に合う形で、7bitに変換したデータを、XMLとSOAPで運ぶ方法を実現しました。

 これにより、各Webサイトでは、独自に郵便番号や電話番号を指定して検索するプログラムを書くことや、マスターデータを最新の状態に保つ更新作業から解放されることになります。特に、郵便番号データで12万件、電話番号においては4000万件という膨大なデータ件数であり、各サイトでメンテナンスすることは得策ではありません。

 また、自社サイトでこれらのデータを保有するには、データ代(電話番号データベースの提供額)が大きな負担になります。また、更新の都度データベースを購入(更新料が必要)しなければなりません。さらに、インターネット上での利用となるとデータベース代もかなり高額になります。

 これらの理由からも、電話番号やそれに相当するほど、膨大でかつメンテナンスが発生するようなデータベースは、「1つの場所に常に最新のものがある」という1元管理(無論バックアップ体制は別途必要ですが)がさらに重要になるのではないでしょうか。インターネットを通じて、必要な時に必要な最新の情報やサービスを利用できるようになる仕組みが「.NET」の環境下で実現されるのは間近であると考えています。

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