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EZDV II/DVRaptor II

EZDV II/DVRaptor II

2001年02月17日 03時10分更新

文● 伊藤裕也

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幅広いユーザー層に対応するスタンダードモデル
DVRaptor II

今回から追加されたMPEG、ASFなどビデオフォーマットでの出力は、ファイルメニューから行う。

 DVRaptorは、DV入出力端子に加えてアナログのビデオ入出力端子(コンポジット、S-VIDEO各1系統)を装備するビデオキャプチャカードと、オリジナル編集ソフトをセットにしたDV編集システム。EZDV(II)と同様ソフトウェアDV CODECのシステムだが、外部デジタルビデオ機器との連携により、PC(CPU)の性能に左右されることなしにフルモーションでのプレビューを実現している。これについて少し詳しく説明すると、DVRaptorではプレビューしたいシーンのDVデータを(DVケーブルで接続した)ビデオ機器のハードウェアCODECでデコード、その結果をオーバーレイ表示させることでフルモーションプレビューを可能にしている。DVRaptorがデビューした当時はHDDの容量やCPUパワーも今ほど潤沢ではなかったためごく一般のホームユーザーをメインターゲットにしていたが、今ではソニーの業務用DV規格である「DVCAM」や、16:9というワイドアスペクトにも対応し、ハイアマチュアや小規模のビデオプロダクションまで幅広くターゲットにしたミッドレンジモデルとなっている。



MPEGの設定ダイアログ。「MPEG」タブではMPEGの種類を、「ビデオ設定」タブではビットレートなどを設定可能だ。

 DVRaptor IIもEZDV II同様にハードウェア面での変更はなく、強化したポイントはソフトウェアに集中する。その中でも特に注目すべきポイントは、付属するビデオ編集ソフト「RaptorEdit」が機能拡張され、さまざまなビデオフォーマットでの出力に対応した点にある。追加されたビデオフォーマットはWindows Mediaファイル(AVI/ASF)、QuickTimeムービー(MOV)、MPEG1/MPEG2の5種類(EZDV IIと同一)。これはDVRaptorとEZDVのソフトウェアに共通する部分が非常に多いためで、過去の細かいアップデートの経緯を見ても、一方のソフトに適用された反映は、(ハードウェア依存の機能でなければ)大抵の場合もう一方にも反映されている。もちろん、EzEditで今回からサポートされたタイトルでのイメージクリップの使用も、同様にRaptorEditから使用可能になっている。
 なお、DVRaptor IIならではのポイントとして、DVRaptor IIのユーザー登録を行うことでPremiereの機能限定版である「Adobe Premiere LE」、もしくはMediaStudio Proの機能限定版である「Ulead MediaStudio Pro 6.0 VideoEdition」のいずれかを無料で入手可能だ。どちらを選択した場合でも、それぞれのフルパッケージへのアップグレードが可能なので(Premiere LE→Premiereは3万6000円/MediaStudio Pro VE→MediaStudioは3万5000円)、レベルに合わせてステップアップしていきたいという方は、EZDV IIよりもDVRaptor IIのほうが適しているだろう。



Web Video Wizard。ASFの作成からCanopusVideo.comへのデータのアップロードまで、このツールだけで実行可能だ。

 両製品とも、上記のほかにDVDオーサリングソフト「DVDit! LE」、ソフトウェアDVDプレーヤ「WinDVD DH」、さらにはアップロードユーティリティの「Web Video Wizard」(以下WVW)が付属する。WVWはカノープスが運営するストリーミングサーバ「CanopusVideo.com」に作成したオリジナル映像をアップロードするためのユーティリティで、同社のDV編集製品を使用するユーザーであれば無料でビデオコンテンツを登録できる。ただし、登録可能なファイルは最大10本(容量は合計10MB)までで、ビットレートは100k~300kbps、といった制限がある。ここに登録したビデオは公開/非公開を選択できるので、親しい友人や限られた知人に直接ファイルを参照するURLをメールで送って見てもらったり、また、とっておきの力作を公開して多くの人に見てもらったりと、活用法はユーザーのアイディア次第だ。

 価格はEZDV IIが3万9800円で、DVRaptor IIが6万9800円。DVRaptor IIはDVCAM対応/マルチアスペクト対応に加え、PremiereにRexEdit(上位モデルであるDVRexに付属するビデオ編集ソフト)の特殊効果を追加する「Premiere Filterプラグイン」を利用できるなど魅力は多いが、EZDV IIとの価格差3万円は小さくない。みっちり腰を据えてDV編集を本格的に学ぶなら最初からRaptorIIが、とりあえず今度の週末に撮りためたDVカセットの整理でもしてみよう、といった気軽な動機ならEZDV IIが向いているだろう。
 最後に、カノープスでは従来のEZDV/DVRaptorユーザーに対して、ソフトウェアのアップグレードパスを用意している(内容に応じて無償/有償が異なる)。これにより、EZDVをEZDV II相当、またはDVRaptorをDVRaptor II相当として使うことができるが、DVRaptorの場合、Premiere LE/MediaStudio Proを入手することはできない。登録ユーザーには案内が届いていると思うが、うっかり見逃した人もWebサイトで詳しい内容が紹介されているので、ぜひとも確認してほしい。


製品名 EZDV II DVRaptor II
価格 3万9800円 6万9800円
対応OS Windows 98 SE/Me/NT 4.0+SP5以上/2000

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