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LinuxWorld Conference & EXPO New York レポート その1

2000年02月05日 01時09分更新

文● 宮原 徹

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日刊アスキー Linuxでコラム「ソフトウェアベンダーから見たLinux」を執筆中の宮原 徹氏に、LinuxWorld Conference & EXPO New Yorkをレポートしていただきました

 もうLinuxWorldも、そしてその現地速報レポートもすでに今回で3回目(1回目「LinuxWorld Conference & EXPO 99 in San Joseに行ってみる」2回目「LinuxWorld Expo '99に行ってみる」)ということで、ほとんど毎度お馴染みになりつつありますが、LinuxWorldの現地速報レポートをお送りします。

 今回のLinuxWorldは過去2回行なわれたシリコンバレー・San Joseを離れて、東海岸・New Yorkにやってまいりました。果たしてどのようになったのでしょうか。今回は日記風にお送りします。

会場画像

2月1日(火) 曇り

 本日からLinuxWorldがスタート。といっても、いつもどおり初日はチュートリアルしかないのでとても静かである。今回、我々は単にイベントを見に来る、というだけでなく「JAPAN Linux Pavillion」というブースにて、日本のさまざまなLinux関連製品や活動の展示を行なうために、はるばるとNYまで来たのである。出展するのは以下の企業・団体(※1)および製品である。

※1 (敬称略・順不同)

  • 日本ユニシス(株):「TIPPLER for Linux」「WebWorker for Linux」
  • (株)アクアリウムコンピュータ:「blue grass」「white neon」
  • (株)ホライズン・デジタル・エンタープライズ:「HDE Linux Controller」
  • 日本Linux協会:活動紹介およびLinux Conference 2000のご案内
  • Linux Internationalisation Initative(LI18NUX):Linux国際化プロジェクトの御紹介

 展示会は明日2日からなので、今日は準備日に当ててある。しかし、展示会場に来ても、ブースの準備がまったくできていない! どうも日本から来てるということで設営準備を一番うしろに廻されてしまっているようだ。周囲のブースが着々とできているにもかかわらず、我々のブースを作る作業員すら来ない!

ブースの様子画像

 とにかく夕方近くなってやっと作業が始まったような感じなので、今日は何もできずに宿に引き上げることになってしまった。

2月2日(水) 晴れ

 今日は朝から雲一つない天気。しかしNYは記録的な寒波に見まわれていて、前の週のように大雪は降らないまでも身を裂くような冷気にさらされることになる。我々も完全武装で朝食をすませて会場入り。

 急いで展示のセッティングを行なっている間にLinus Torvalds氏の基調講演が始まってしまった。実際には、事前にWebで調べておいた基調講演のスケジュールが10時30分からだと思っていたのが、実は9時30分からだったのである。若干余裕を持って講演会場に行ったつもりがとっくに講演が始まっていて、大入り満員、会場のうしろのほうには立ち見も出ているぐらいであった。

ライナス画像
 私が入ったときにはちょうどLinux kernel 2.4についての話をしていた。内容的には特にこれといった目新しい話はなかったが、Linusがカリフォルニアに戻ったらリリースの準備をするよ、ということを言っていたので、完全に秒読み段階に入ったことを感じた。

 いくつかの質問を受けたあとに、3回目となるIDG/Linus Torvalds Community Awardの表彰が行なわれた。今回はLinuxへのX Window Systemの実装の貢献をしているXFree86 Projectが表彰された。



表彰式画像

 その後、会場の中を軽く見て廻ったが、過去2回よりもさらに今回は出展が増え、会場も広くなっているため、とても一度に全部を見ることができなさそうである。とりあえず一番端から見て行くことにする。いつものとおり、面白そうなところをピックアップしてお送りする。

PFUアメリカ

 またまた登場、Ted Abeさん。前回はHappy Hacking Keyboard Liteを開発して登場していただきました。あのレポート後、日本でちょっとしたHHK Liteブームが起きて逆上陸を果たしました。今回Abeさんが自信をもってお送りするのがPalm/WorkPad用のクレイドル。HHKを繋いでPalm/WorkPadに文字入力ができるという優れもの。Palm V/WorkPad c3もアダプタを使えばOK。夏には充電機能付きのバージョンもリリース予定とのこと。けど、これってLinuxに関係ないような……(笑)

Ted Abeさんの画像

ペンギン椅子

 今回はさらに会場の中のペンギン度が高くなっており、紹介するのがたいへんそうですが、まず見つけたのがこのペンギン型の安楽椅子。思わず家に1つ欲しくなりますね。

ペンギン椅子の画像

今日のJAPAN Linux Pavillionのようす

 出展場所が会場の奥のほうではありますが、スペースを大きくとった効果もあってなかなかの人の入りです。海外の展示会に出展するなど、メンバー全員初めてですが、なんとか頑張って英語で来場者に対応をしています。写真はマイクロ・インターネット・サーバ「blue grass」のデモンストレーションをしているようす。

「blue grass」のデモ画像

宮原 徹

プロフィール

宮原氏の写真

1972年生まれ、神奈川県出身。中央大学法学部卒。現在、日本オラクル(株)Linux事業推進部に所属。日本国内でのビジネス用途でのLinux利用促進の為、日夜活動を行なっている。月刊アスキー・ネットワーク・プロにて、Linuxサーバ「blue grass」を扱った「小さくてもe-business」を連載中。

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