このページの本文へ

SQL Server 7.0、FlashPixなどを活用し、顧客本位の情報商品提供を

トヨタ自動車 Gazooセンター

1999年09月29日 07時15分更新

文● アスキーNT/加賀

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 FlashPixは、Live Picture社がHewlett_Packard、Eastman Kodak、Microsoftと共同で開発した画像フォーマットで、タイル形式のデータ構造を持ち、画像データ中の必要な箇所のみを、必要な解像度で取得できるのが特徴である。Live Picture社のLive Picture Image Serverは、専用のプラグインやJavaアプレットであるLive Picture Viewerによって、ユーザーがインタラクティブに画像の見たい場所をズームしたりする環境を提供するものだが、IIP(Internet Imaging Protocol)によって、新しく表示する部分のみを効率よく転送できる。プラグインが不要なUniversal Viewingというサーバ側で必要なJPEG画像をレンダリングする方法を情報提供者側で選択することもできる。

 また、Image ServerではAppleのQuickTime VRのような3Dのパノラマ写真を提供することができる。さらに、パノラマ中に、FlashPix画像や3Dオブジェクトを張り込むことも可能である。

 Gazooでは、FlashPixを「バーチャルショールーム」中で、好みの車の内装の写真をパノラマ画面で見られるようにしたり、車の外観やエンジンを回転して見られるようにするのに利用している。

GazooのWebページ画面
インターネット版Gazooのバーチャルショールームの画面。FlashPixによるパノラマ画像で車内を180度見渡せる。URLはhttp://gazoo.tns.ne.jp/

サンバイザー写真

シフト部写真
FlashPixでは見たいところの画像のみを拡大して表示できる。サンバイザーの注意書きも十分判読可能。FlashPixについての詳細はライブピクチャージャパン(http://www.livepicture.co.jp/)を参照

 FlashPix導入の決め手は、「通常のWeb上の画像より、より画質のよいものを見たいという要望に応えるためと、ディーラネットとインターネットで同じ技術が使える」ことだという。

 当初は、CADデータを元に3DのCGを起こすことも検討されたというが、実際に出来上がる画像は「『絵』のように見えてしまい、実感がない」。さらに2カ月程度の制作期間が必要であり、発表会当日に新車情報を必ずアップデートするGazooには到底間に合わない。そのうえ、コストも1000万円以上と高く、非現実的だ。

 そこで、導入されたのがFlashPixというわけだ。FlashPixのパノラマ画像や3Dオブジェクト画像は、専用の画像作成ソフト「Live Picture Reality Studio」を利用し、平面の写真を何枚か組み合わせて作成される。「写真だから実感があり、質感もでる。顧客からも好評」だという。

 Gazooで使われているFlashPix画像は、カタログのための撮影作業の際に一緒に撮影を行ない、FlashPix化の作業も内部のスタッフが行なう。当初は色の調整や、複数の写真を繋ぐステッチングの作業などいろいろ苦労したというが、そうしたノウハウも実作業の中で蓄積され、現在では、FlashPix化の作業も、撮影完了後1週間程度、実質50時間程度という。

 当初は、FlashPixのパノラマ画像による「バーチャルなショールーム」の中に複数の3Dオブジェクトの車が置かれ、ユーザーがその中を歩いて、目的の車を拡大したり回転して見られるようにすることも考え、実際に制作をしてみたという。しかし、動作が重くなってしまううえ、顧客は「ヴィッツならヴィッツを見たい」という目的を持っている点を重視して採用はしなかったそうだ。「たしかに、そうすれば、楽しいことは楽しいが、『それがどうした』ということでしかない。『技』を見せているだけで、中身はないというのでは意味がない」(友山氏)という。

Gazooメニューページ好みの色の車やオプションを選んで価格情報などを参照できる。カタログ請求や、最寄りの販売店での商談予約、見積もりなども可能

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ