テスト2 水鳥や水面の動きで、映像の破綻をチェック
次は舞台を移し、江戸川の支流で撮影。かつてはドブ川だったのだが、今や冬には鴨の群れやさまざまな水鳥などが飛来するようになった。
MPEG-4 AVCによる記録は昨年末以降、レコーダーでも画質向上が顕著だったが、こちらもかなり画質が向上した。最高画質モードだと、ゆっくりとした水面の動きなら映像の破綻はほとんど感じない。
静止画では分かりにくいため、ここでは30秒程の動画(撮影した元ファイル)を用意した。以下、各機種名をクリックするとzipファイル(各々60~90MB程)がダウンロードできるので、ローカルパソコンで解凍していただきたい(ウェブ上で視聴できるように再エンコードを試みたが、映像の破綻が激しいため掲載を見合わせた)。
いずれもMPEG-4 AVCのファイルだが、(1)、(2)、(3)は最新のDVD再生ソフトなどAVCHDの再生環境が必要。(4)のファイルは「QuickTime 7」などH.264の再生環境が必要である。また、いずれもフルHD解像度なのでCore 2 DuoクラスのCPUが望ましい。
- (1)iVIS HF S10 (MXPモード 約24Mbps)高精細な映像は水鳥の動きでもいかんなく発揮されており、水面の下に見える水かきの動きまで鮮明
- (2)HDC-TM300 (HAモード 約17Mbps)鴨の羽の色はもっとも豊かで、濡れてしっとりとした部分と乾いた部分の微妙な色の差まで描き分けた
- (3)HDR-XR520V (FHモード 約16Mbps)動きの自然さはiVIS HF S10やDMX-HD2000に迫る。動き出すとわずかにディテールが甘くなるが、ほとんど気にならない
- (4)DMX-HD2000 (Full-HRモード 約24Mbps)止まっていた鴨が動き出す瞬間でも、解像感の劣化がなく、動きはとてもスムーズ。軽量であるがゆえにズーム操作でカメラが大きくブレてしまうのがやや難
動きの滑らかさや泳ぎ回る鴨の鮮明さでは、iVIS HF S10とDMX-HD2000のビットレート24Mbps勢がやや上回った。手持ちで鴨を追うような場面でも、羽の質感などもしっかりと再現できていた。HDR-XR520Vも約16Mbpsながら、動きの部分に注目して見比べないとほとんど気にならないレベルだ。
HDC-TM300は質感などがやや甘い印象だが、細かな色の変化がしっかりと出ているため、羽の濡れた感じがよくわかる。色の変化のスムーズさは大きな魅力だと思う。
長時間モードではDMX-HD2000がかなり好印象。ほかが1440×1080ドット撮影なのに対し、情報量がさらに少ない1280×720ドットで記録しているためか、圧縮による映像の破綻がほとんどなかった。
精細感はもちろんやや甘くなるのだが、目立つノイズがない方が映像は見やすいと感じた。ほかは高画質モードと画質の傾向は変わらないが、それぞれややソフトになる。ノイズの発生や映像の破綻がないわけではないが、昨年のモデルに比べるとかなり減っている。
気になったのは、最高画質モードの映像がいずれも向上しているため、長時間モードの画質の甘さがよりはっきりと感じられること。このあたりは善し悪しだと思うが、実際に使用するときは、試しに各モードを撮影して画質を確認し、常用するモードを決めるといいだろう。