テスト1 精細感や描写力、色再現をチェック
取材時はあいにくの曇天だったが、そのぶん、微妙な色再現の違いなどでは大きな差が現れた。撮影モードは基本的に「オート」とし、ズームなどの操作以外はほぼカメラのオート機能にまかせている。画質モードはそれぞれの最高画質のモードを選択した。おおきく差が出たのは、曇天の空の色味だ(以下の画像はクリックで拡大します)。
多くのモデルがグレーがかってしまうなか、HDC-TM300とHDR-XR520Vが微妙な青みをしっかりと再現した。従来機ではやや過剰気味なほど濃密な色を再現したTM300だが、今回は派手さはなく、それでいて地味にはなりすぎない絶妙なバランスだ。
XR520Vにも言えるが、家庭用ビデオカメラ開発の経験の長さが、この忠実感プラスアルファの見た目にもきれいな映像につながっていると思う。
iVIS HF S10はもっとも忠実感のある色味を再現。DMX-HD2000の色味は忠実感があるがややコントラストの高い印象で、暗い色に沈みがちになる。
精細感は、HDR-XR520VとiVIS HF S10が印象的。望遠での鉄塔やビルの細かな部分の描写だけでなく、広角での映像の奥行き感も見事だ。どちらもレンズ設計をはじめとするカメラの基本的な部分での実力の高さを感じる。
両機と比較して精細さではやや劣るDMX-HD2000だが、それでもかなり健闘していると思う。HDC-TM300はハイビジョンらしい精細感は十分にあるのだが、他とくらべるとややソフトな印象。色乗りの良さもあり、見やすくきれいな映像なのだが、広角での見晴らしの良さ、映像の奥行き感が少々不足気味になってしまった。