広角や動画など若干もの足りなさもあるが、最初の1台としてなら
同時に発表となった、ほかのIXY DIGITAL上位モデルのように、HD動画撮影やHD出力、といった新機能を搭載しているわけではないが、こだわりオートのようにだれでも簡単に使うことができ、なおかつ撮影品質に影響する機能を優先的に取り入れているのは入門機としてはありがたい。
CCDサイズの違いにより従来機の広角38mmから広角35mmへとやや広い範囲が写るようになったため、使い勝手が良くなった。中央をはじめとして細かな部分までかっちりとした描写となっているのは入門機とは思えないほどだが、広角化のためか右下端部分だけ像がぼやける傾向にある。オートモード、1/250秒、F8、ISO 80
IXY DIGITALは当初から、プレミアムモデル、高質感で所有欲を満たす商品コンセプトだった。特にここ数年は高機能・高級路線が続いたせいもあって、IXYの中では低価格普及／入門機でも、デジタルカメラ全体から見ると、ややハイソな「大人のデジタルカメラ」という印象があった。
高感度撮影結果。画素混合を用いない最高感度はISO 1600で、ノイズの増加により画質が劣化しているもののリサイズするとほとんど気にならない程度におさまっている。プログラムオート、1/5秒、F2.8、ISO 1600
そんななかでカジュアルな雰囲気を前面に打ち出した製品群の投入は興味深い。かつて女性ユーザーを意識して作られた「IXY DIGITAL L」(やや細長のボディを持つIXYモデル群：現在は廃番)が話題を集めたように、新しいIXYの先駆け的な存在になることを期待したい。
