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今が旬!データウェアハウスアプライアンスの技術

高速DWHマシンはオラクルよりも先

2009年02月02日 04時00分更新

文● 大谷イビサ/ネットワークマガジン編集部

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標準のデータベースアクセス手法が使える

 ネティーザのNPSシステムで特徴的なのは、分析を行なうBIツールやデータベースの統合ツールなどからは、SQLを解する普通のデータベースに見える点だ。あくまで標準のSQLのみサポートしているため、オラクルやマイクロソフトのデータベースなどで使われている方言には対応しないが、さまざまなツールから利用できるのは大きなメリットだろう。

標準のSQLを使ってデータベースにアクセスできる

標準のSQLを使ってデータベースにアクセスできる

 また、既存のデータベースからの移行が容易なのも大きなメリット。面倒なテーブル設計、インデックス管理、ファイルシステムの定義、OSやデータベースのパッチ管理などは一切不要なので、搬入から設置まで2~3時間。24時間以内にデータベースを移行させたのち、システムを稼働させ、データのロードを開始できるという。「ネティーザではデータベースの物理設計が要りません。論理データベースをマイグレーションすればよいので、数TBでも1週間くらいあれば、1人でロードできます」(ダグラス氏)とのことだ。

 現在、ハードウェアは3世代目、ソフトウェアは4世代目に突入しており、ますます高速化を進めているという。「3年間で約30倍くらい高速化しています。たとえば、2008年に圧縮機能を発表したのですが、これはディスクとFPGA間で圧縮を効かせることができるため、単なるディスク容量の節約だけではなく、高速化まで実現できるのです」(ダグラス氏)といった具合だ。「当初は簡易なアプライアンスの提供ということで、システムインテグレータが販売に協力してくれるか心配していました。しかし、実際はみんなデータウェアハウスが遅くて使い物にならないことで困っていたんです。ですが、ネティーザの製品を使えば、パフォーマンスが気にせず、より高いレベルの分析を提案できると喜んでいます」ということで、パートナとの関係も良好なようだ。

 1月20日には、オラクルがネティーザと同様のコンセプトを実現する「HP Oracle Database Machine」を発表し、データウェアハウスアプライアンスの市場に参入してきた。まだまだコスト面で中小企業でのデータウェアハウス導入は多くないようだが、大容量時代のデータベース活用の1つとして、今後はこうしたデータウェアハウスアプライアンスの市場も確実に拡がっていくと思われる。

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