ミリタリーならではの撮り方は?
今回は陸上自衛隊の公開模擬演習である、第一空挺団の降下訓練始めを取材した。しかし、今回の降下訓練始めは実施主体の陸上自衛隊第1空挺団だけではなく、多数のヘリ部隊、航空自衛隊のC-1輸送機、C-130H輸送機まで参加する立体演習である。陸モノだけではなく、空モノも登場するので、色々楽しむことができる。
撮影モードはプログラム・モードを使っている人も多いだろう。露出をカメラが決めてくれるから楽チンだ。基本的にはそのままプログラム・モードで撮影しても大丈夫である。評価測光(マルチパターン測光などの名で呼んでいるメーカーもある)で、露出補正+0.6から+1でだいたい適正露出にアタリだ。
少しステップアップしたら、シャッタースピードに注意して望遠レンズを使うために手ブレを警戒したくなるのと、戦車や戦闘機などの動きの速い被写体を狙う思いのために、シャッタースピード優先モードを使ってシャッタースピードの設定を速くしたくなる。
だが、ここではヘリコプターのローターやプロペラ機のプロペラの動きに注意して、撮影時のセッティングを選ぼう。少し遅いシャッタースピードを選んでローターやプロペラの回転を表現したい。また地上装備を撮影するときでも、同様に少し遅いシャッタースピードを選ぶと車輪やキャタピラの動感が増す。しかし、あまり速いシャッタースピードで撮影してしまうと、ローターやプロペラが止まって写ってしまう。とはいえ、あまり遅く設定すると航空機などがぶれてしまう。ローターやプロペラが動いて見えて、かつ手ブレや被写体ブレがなるべく出ないセッティングを考えなければならない。
対象となる航空機の種類や飛行スピードなどによって違ってくるが、1/500秒以上だとローターやプロペラが止まって見えてしまうことも多いのが実情だ。だが、1段(写真を撮る上の光の単位)遅くして1/250秒にしてしまうと、慣れない人はブレてしまうことが多くなる。そこで今回はレクチャーのために中間を取って1/320秒を選択した。
このシャッタースピードを決めたら、シャッタースピード優先モードで撮影しても良い。だが、被写体によっては、デジタル一眼レフが迷彩塗装を明るい色と間違えて明るく写してしまうので、マニュアル露出のモードに設定して背面の液晶モニターを参考にして露出値を決め、ずっと同じ露出値で撮影すると写真の明るさが均一できれいに仕上がる。曇天ならば順光側でも逆光側でも同じセッティングで事実上オッケー。晴天ならば順光側と逆光側で適正露出値が違うので、背面の液晶モニターを参考にして調整したい。
まとめ
- 撮影モードはプログラムモードが基本。
- 慣れてきたらシャッタースピード優先モードで、写真に動きを表現してみよう。
- 画面構成は主と従の配置を考えよう。
- 同じく主と背景の構成も考えよう。
- 小さい被写体は複数組み合わせて画面構成を考えよう。
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