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新しいビンテージを目指す──microKORG XL開発者に聞く

2009年01月14日 10時00分更新

文● 四本淑三、聞き手●Denkitribe、Baker

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ミニ鍵盤のタッチが劇的に改善された理由


── 鍵盤のタッチが目茶苦茶にいいですよね。現状のミニ鍵盤の中では最高じゃないですか?

金森 いいですよね。

坂巻 絶対にいいです! 実際、鍵盤の開発に一番時間がかかっているんですよ。

── スコっと落ちる感じは今までにない感触です。何をどうするとこんなタッチになるんですか?

坂巻 通常のミニ鍵盤は支点までの距離が短いんですが、これはもう少し奥にある。それが押し心地には効くんです。

金森 何回も作り直しましたよね。黒鍵と白鍵の堅さを揃えたり、鍵盤の奥と手前の重さのバランスを取ったり。

坂巻 黒鍵と白鍵では違う構造になっているので、バランスさせる必要があるんですね

── 今回はどうしてここまでこだわったんですか?

坂巻 microKORGをピアノの上に置いて、ステージで弾いてくださるミュージシャンがいらっしゃったんですよ。ミニ鍵盤でもあんな風に弾くのか。だったらメーカーとしては良くする義務があるんじゃないかと。

── ミニ鍵盤ということで、本格的な演奏に使われることは想定していなかったと。

坂巻 これは鍵盤が上手じゃない人も同じだと思うんですが、タッチが良いと音も良く聴こえる。つまり鍵盤を良くすると製品の価値が上がる。だからミニ鍵でも、演奏感を大切にした開発をしようと。そういう社内的なコンセンサスが取れて、その思いで皆やってきたんです。

Denkitribe おおっ。いい話が出ましたよ。他のメーカーさんにも聞いてほしい(笑)。

ボックス型鍵盤を採用したmicroKORG XL。エレキピアノ風デザインを演出する重要なアクセント

キーボードによくあるタイプの鍵盤

── これだけキーボードがいいと、セッションに使われる場面も多いでしょうね。

坂巻 ルックスがバンド向きだと思うんですよ。レトロな感じで。今までキーボードをやっていなかったギタリストやベーシストにも、ぜひバンドの中で使ってほしいなと思いますね。

Denkitribe ギターより軽いですからね。バンドの中で一番軽い楽器がキーボードというのはすごい。

Baker 僕なんか学生時代は重くて大きいTRINITY(コルグのミュージックワークステーション。1995年発売)を持って自転車で走っていたのに……。

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