Macユーザーにとって、アップルのオンライン直販「Apple Store」はとてもなじみ深い存在だ(Apple Storeを見る)。何せ、銀座に直営店のApple Storeができる前からオープンしていたほど古いネットショップである。長年、Macを使っていれば、一度はそのページを開いたことがあるに違いない。
ではそんな「Macの玄人」たちは、Apple Storeのどんなところに魅力を感じているのだろうか? 前回お届けした基礎知識に引き続き、ユーザーの生の声からApple Storeの活用方法を探っていこう。
絞り込まれた品数が自慢
ITジャーナリスト&コンサルタントとして活躍する林信行氏は、ライフスタイルをトータルで提案してくれるところが魅力と語る。
ファッション業界で「メゾン系」などと呼ばれる会社の多くは、最近、衣服だけでなく、インテリアやアクセサリー、リゾートなども手掛けている。ファッションにしてもインテリアにしても、本当に突き詰めていくと、ライフスタイルのトータルコーディネートに行き当たるからだ。
アップルはただのパソコンメーカーでもなければ、iPodのメーカーでもない。ハードとその上で動くソフト、サービス、それらすべてをうまく調整してひとつの世界観を生み出し、新しい時代のライフスタイルを提案してくれる「デジタルライフスタイル」時代のトータルコーディネーターだ。
だからこそ、そのオンラインストアで売られる商品は、彼らの描く世界観を崩さないように吟味、厳選されている。品数の多さを競う他のイーコマースサイトと違って、品数の少なさこそが彼らの誇りでもある。
もちろん、この選び抜かれた商品を、アップルの世界観を貫いたエレガントなギフトボックスに入れて送ってくれるのも、Apple Storeだけが提供してくれる喜びのひとつだ。
パソコンの周辺機器には、デザインよりも価格や機能を優先している製品も少なくない。そんな膨大な中から、Apple StoreはMacに合いそうな商品だけセレクションして売っているので探す手間が省ける。
キャリングケースやバッグ、ストレージにマウス&キーボード、スピーカーにヘッドホンなど、ストア内をあれこれ巡っているとその商品へのこだわりが見えてくるだろう。
結婚式にもピッタリ! iPodのメッセージ刻印
弊誌連載「ケータイが語る、ミクロな魅力」やMacPeople連載「デジタルとアナログの間」でもおなじみのコラムニスト、松村太郎氏は、Apple storeオリジナルのメッセージ刻印に注目する。
iPodをApple Storeで買う一番の理由はメッセージ刻印サービスだ。背面に文字を刻むことによって、自分だけのiPodを作ることができる。ウェブサイトから実際にiPodに刻印したイメージを確認しながら作れて、わくわく感も楽しめる。
iPod photoが登場したとき、僕も自分へのメッセージを刻印して購入した。そしてiPhoneを使い始めてお役ご免になった今も、大事に棚に飾る思い出の品になっている。このような経験をプレゼントにしてみてはどうだろう?
先日、大学のラジオ制作サークルの友人が結婚することになったので、みんなで考えたメッセージをiPodに刻印し、思い出の音楽と写真をいっぱい入れて贈った。再生すれば音と写真で思い出がよみがえり、裏を返せば心のこもった言葉が出迎える。プレゼントを作る人も、贈る相手にもうれしいサービス。なかなかほかにないのではないだろうか。
デジタルオーディオプレーヤーとしての知名度が高いiPodは、ギフトにもぴったりだろう。それがメッセージ刻印が入った「世界にひとつだけ」のプレゼントとなれば、思い出も深まるもの。これからの季節だったら、卒業/入学/進級/就職などのお祝いに活躍してくれそうだ。
