賢い変換のコツは、ていねいな入力にあり
Q5 これらの現象は、IME 2007固有の問題なの?
A5 問題の原因は異なるが、変換の細切れ化はほかのMS IMEでも起こる。学習を積み重ねていくことで、細切れ化が悪化する場合もある。ただし、新変換エンジンによって起こった問題については、IME 2007固有の原因によるものだ。
Q6 IME 2007が効率よく学習してくれる入力方法はあるの?
A6 入力や変換のミスを減らすことが、正しい学習のために効果的。
タイプミスをしたまま変換~確定したり、誤変換をそのまま確定してしまうと、IMEはそれを誤変換とは理解できず、正しい変換だと学習してしまう。前ページの「学習副作用の抑制」は、その例のひとつである。
佐藤氏は「タイプミスをしないようにていねいに入力し、ていねいに候補を選ぶ」ことがコツだと述べる。速く入力・変換して間違いをいちいち直すよりも、ゆっくりと正確に入力・変換した方がIMEは正しい変換を学習しやすく、結果として入力の手間も減るというわけだ。
また短い単位、単語ごとや文節ごとといった短い単位での変換よりも、長めに入力して変換した方が、変換エンジン側としては確率計算に使える情報量が増えるので、変換精度の向上にもつながるという。筆者などはタイプミスが多いので、ほとんど単文節ごとに変換・確定する入力方法をとっていたが、これはIMEにとっては効率のいい方法ではない。
文章入力のクセ、とくにIMEの変換タイミングなどは、一度慣れてしまうとなかなか簡単に変えられるものではない。しかし、ちょっと意識を変えて、落ち着いて入力し適度な長さで変換していくと、IMEのおかしな変換に悩まされることも減らせそうだ。皆さんも日本語入力の際には、正確な入力と確定を意識しながらタイピングしてはいかがだろうか。