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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第13回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

右クリックメニュー、その歴史と効果

2008年11月23日 19時40分更新

文● 柴田文彦

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MacよりもWindowsのほうが歴史が長い

 一方のWindowsでは、最初から2ボタン以上のマウスを標準的に使用するようにはなっていたものの、左ボタンと右ボタンの違いをシステムレベルではっきりと分け、それぞれの用途を明確に定めたのはWindows 95からだった。その時点で、右ボタンはコンテクストメニュー用として割り当てられた。従って、コンテクストメニューも右ボタンによる操作も、WindowsのほうがMacより歴史が長い

 Macでは一部の例外を除いてほとんど見られない、右ボタンによるドラッグという操作にしても、Windowsでは標準的に使われている。アイコンを右ボタンでドラッグすると、「移動」「コピー」「ショートカットの作成」──という操作が、その場でメニューから選べるのだ。

 一般のユーザーにはわかりにくいとしてMacが敬遠していた右ボタンを、そんなことには構わずに古くから活用しようとしてきたWindowsの貪欲な設計思想が、こんなところにも現れている。

Windows 95のマウスのコントロールパネル

Windows 95のマウスのコントロールパネルでは、左ボタンと右ボタンの用途が明記されている。左右のボタンの機能を入れ替えることもできる。その選択は、左利き用、右利き用として区別されている

Windows 95のデスクトップ上でのコンテクストメニュー

Windows 95のデスクトップ上でのコンテクストメニュー。「新規作成」がサブメニューになっている。ソフトを起動せずに、空の文書を作成できるところがMacと異なる

右ボタンによるアイコンのドラッグ

Macが備えていない操作に、右ボタンによるアイコンのドラッグがある。ドラッグし終わった時点でアイコンに対する操作を選択する


筆者紹介─柴田文彦


著者近影

MacPeopleをはじめとする各種コンピューター誌に、テクノロジーやプログラミング、ユーザビリティー関連の記事を寄稿するフリーライター。大手事務機器メーカーでの研究・開発職を経て1999年に独立。「Mac OS進化の系譜」(アスキー刊)、「レボリューション・イン・ザ・バレー」(オライリー・ジャパン刊)など著書・訳書も多い。また録音エンジニアとしても活動しており、バッハカンタータCDの制作にも携わっている。


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