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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第6回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

クリップボードという大発明

2008年03月08日 12時00分更新

文● 柴田文彦

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データ交換のための隠れた超基本機能

 現在のパソコン、あるいはそれに類する機器のユーザーインターフェースの機能として、広く使われていながらその実態はほとんど目に見えず、誰もが無意識のうちに利用しているもの、それがクリップボードだ。

 クリップボードは、コンピューター内部に用意された一時的な情報の記憶領域で、ユーザーはほとんどどんなソフトにも備わった「編集」メニューにある「カット」「コピー」「ペースト」といったコマンドを通してアクセスできる。

 クリップボードの1つの重要な機能は、データをある場所から別の場所にコピー、あるいは移動すること。そのためには、「ドラッグ&ドロップ」という直接的なインターフェースも開発された。この場合、データはクリップボードを経由せずに直接転送される。このほうが直感的でわかりやすいと感じられるが、同じデータを何カ所にも張り付けたいといった場合にはクリップボードを使うほうがはるかに便利だ。

 ドラッグ&ドロップのバリエーションとしては、「クリッピングファイル」もある。これは、ほかの部分に転送したいデータを選択してドラッグするところまでは同じだが、目的の場所にドロップする代わりに、デスクトップにドロップすることで作成できる。ただし、この機能は現状のWindowsでは使えない。FinderやWindowsのExplorerでは、ファイルを直接コピー&ペーストすることも可能だ。ペースト場所によって動作はさまざまで、クリップボードの柔軟性を示す好例となっている。

編集メニュー

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】「編集」メニューは、最初期から現在まで、ほとんどのソフトが標準的に備えるメニューの1つ。クリップボード操作に関する「カット」「コピー」「ペースト」といったコマンドも当初から変わっていない

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsでも「編集」メニューは最も基本的なものとして標準装備したソフトがほとんどだ。ただしVistaでは、メニューバー自体が標準では表示されないソフトが登場しているが、表示させれば「編集」メニューも出てくる


ドラッグ&ドロップ

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】同じソフトの同じウィンドウの中はもちろん、異なるソフトの間でもドラッグ&ドロップによってデータを転送できる。OS Xでは、ドラッグ中のデータが半透明で表示されるなど、機能もフィードバックも直感的だ

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsでも、異なるソフト間でのドラッグ&ドロップによるデータ転送は可能だ。ただし、ドラッグ中のデータを表示するといったフィードバックはなく、インターフェース面ではやや見劣りする


クリッピングファイル

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】テキストの選択部分をドラッグしてデスクトップにドロップすると「テキストクリッピング」という種類の特殊なファイルができる。ダブルクリックすればその場で開くし、別の場所にドラッグして中味を再利用できる

Mac vs Win

【Windows Vista】ウェブブラウザーなどからドラッグ&ドロップによって画像ファイルなどをデスクトップにコピーできるが、それはクリッピングファイルではない。このあたりの操作性は、Macに比べて柔軟性が足りない部分だ


ファイルのコピー&ペースト

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Finderのウィンドウ間でファイルをコピー&ペーストすれば、別の場所にそのファイルをコピーできる

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsではファイルをカットしてペーストすることで、移動するというMacにはできない操作も可能だ

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Finderのウィンドウでファイルをコピーし、そのほかのソフトにペーストすると、そのソフトの都合に合わせて適切に解釈される

Mac vs Win

【Windows Vista】ファイルをコピーしてほかのソフトにペーストした場合の処理には、ぎこちなさが感じられる


(次ページに続く)

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