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子供たちに夢を与える北国のロボットサークル「ロボットアーキテクト」

アトムやドラえもんは北の国から!?

2008年07月11日 13時00分更新

文● 末岡大祐/アスキーネタ帳編集部

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ロボットサークルを運営するということ

 では、サークルを運営するうえで苦労されていることはありますか?

「サークルに関してはたくさんあります(笑)。まず部室が狭い、資金難、技術力が低い。コンスタントに部室に来る人は10人くらいですが、その10人が入っただけでキツキツです。パーツ類もたくさんありますし。また、資金に関しては、大学から出してもらえるお金にも限界があります。イベントやるときには大学から別途支給されますが、もし利益が出たとしても、それは大学に還元しないといけない。自分たちの懐に入るものではないんです。僕らの利益はあくまで「経験」ということなんですね。そして技術力ですが、我々はあくまでも素人集団なので、どうしても個々の技術力にバラつきがあるんです。世の中には技術力も資金力もある人がいて、そういう人が良いパーツを使い、性能を最大限に引き出して大会に挑んでくる。なかなかそれには太刀打ちできないけれど、僕たちは時間をかけてノウハウを積み重ねることでフォローしていけると思っています」

 いろんな苦労をしているぶん、お金では買えないプライスレスな経験を、サークル活動を通じて得ているのだ。ほかにも、個性豊かな部員たちが揃っていて、イベントをやらせたら右に出るサークルはいないんじゃないか、と中野さんは言う。

「単にイベントの段取りがうまいだけじゃなく、子どもたちの心に火を付ける雰囲気作りに、僕らは徹底して力をいれています」

キャタピラ型も4足歩行型も、性能以外の無駄なものを削ぎ落とした無骨な印象を受ける。建機などに使われるのも納得

 世の中の子どもたちが理系離れしていると言われているが、ロボットアーキテクトが主催するイベントに来る子どもたちはそんなことはなさそうだ。

「確かに理系の勉強は小難しかったり、実験は地味だったりするのは事実ですけど。僕はイベントでロボットの講演をすることがあるんですが、質問は? と問いかけると、こぞって質問してくれますよ。なんでロボットは金属なの? とか、ロボットって何種類くらいいるの? とか、子どもならではの面白い質問が出ます。時間ギリギリまでやっても、質問が終わらないんです。将来、この子たちがウチのサークルに入ってくれればもっとうれしいですね(笑)」

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