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子供たちに夢を与える北国のロボットサークル「ロボットアーキテクト」

アトムやドラえもんは北の国から!?

2008年07月11日 13時00分更新

文● 末岡大祐/アスキーネタ帳編集部

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ロボット

北海道大学 ロボットアーキテクト 初代部長 中野基輝さん

 洞爺湖サミットで世界中から注目を浴びた北の大地、北海道。しかし、我々ASCII.jpが注目するのは残念ながら洞爺湖サミットではない。この広大な北国で、雪を溶かすほどの熱い情熱でロボットを研究している大学サークルがあると聞き、さっそく取材に向かった。

 「少年よ、大志を抱け」のクラーク博士が初代教頭の座についた北海道大学の札幌キャンパスに、そのサークルはある。サークル名は「ロボットアーキテクト」。北海道に数ある大学の中で、ほぼ唯一と言っていいロボット系サークルである。洞爺湖サミットはスルーしても、このサークルは無視できない存在だ。今回は、ロボットアーキテクト創設者である中野基輝さんにお話を聞くことができた。残念ながら、他の部員たちは講義で忙しいのと、学園祭の準備で使っているため部室を見せてみせてもらうことはできなかったが、クラーク博士の名を冠したクラーク会館で、中野さんに熱い思いをブチまけてもらった。

ロボット

多くの学生たちでにぎわう、北海道大学内のクラーク会館

 まずはロボットアーキテクトを立ち上げることになったキッカケを聞いた。

「このサークルを作ったのは2年前です。子どもの頃からロボットが大好きだったけど、北大に入ったときにロボットに関するサークルがなかった、というのがそもそもの始まりですね。ちなみに、僕は今年引退して、新しい人に任せています」

 ないなら作ってしまえ、というモノ作りの精神である。

ロボット

市販されている「Robonova-1」にプレステのコントローラーで操作できるなど、独自の改良を加えた

「ロボットアーキテクトを立ち上げたキッカケは2つあります。ひとつは僕が自腹でこの「Robonova-1」というロボットを買ったこと。ひとりで遊ぶのはもったいないと思って、何人かに声をかけたら結構な人数が集まったので、じゃあサークルにしようかと。もうひとつは、ロボットの兵器化に異議を唱えたかったんです。イラク戦争でロボットが兵器に使われたという話を聞きました。人を殺すことを目的としたロボットは作りたくないし、僕は将来的にはロボットの研究をしていきたいんですが、そのときは“アトム”や“ドラえもん”のような温かい家族のようなキャラクター性を持ったロボットを発信していきたいんです」

「だったら、まずはそういうロボットを作るところから始めようかと。自分で作ったものは確実に愛着が沸きますからね。自分のモノに愛着が持てれば、他人が作ったモノの大切さ、製作者の愛着を自然と理解できるようになるんですよ。だから人のモノも大切にできるし、ましてや愛着のあるものを人殺しに使いたいとは思わないでしょう」

 このように、高い志を持って始めたサークルである。“アトム”や“ドラえもん”と言えば、子どもたちのアイドルだが、ロボットアーキテクトでは主な活動内容としてロボット製作以外に、子ども向けのロボットイベントを企画・運営しているという。

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