ノートパソコンを自宅やオフィスなどの机で使うときに、主にマウスで操作しているという読者も多いことだろう。しかし、いざノートパソコンを移動させようというときに、マウスを一緒に持っていくか、それとも内蔵のポインティングデバイスを使うか。かさばっても快適さを取るか、少しでも荷物を減らすかは、何とも悩ましいところだ。ケーブルやワイヤレス受信機をマウス本体に収納できる、携帯性を重視した製品もあるが、まだまだ“マウス携帯問題”を抱える人は多いようだ。
サンワサプライ(株)の「MA-BTCARD」は、そんな悩めるノートパソコンユーザーを救う、究極とも言うべき携帯マウスだ。マウス本体は「カードサイズ」で、しかもノートパソコンのPCカード(type II)スロットに収納することも可能な薄さとなっている。マウス本体に充電池を内蔵し、PCカードスロットに装着すると自動的に充電が行なわれる。パソコンとの接続はBluetoothでパソコン側にBluetooth機能が必須となるが(Bluetoothアダプターは付属しない)、USBケーブルをつなげたりいちいち接続アダプターをUSB端子に差す、といった手間がかからないのも便利だ。
利用時には、まずマウスの裏側にあるスタンドを立てて電源を入れる。次にOS(Windows Vista/XP)のBluetoothセットアップダイアログを起動し、マウス裏側の「Connectボタン」を押せばワイヤレス接続が確立する。
スタンドを立てることで本体に角度が付き、一般的なマウスのように左右ボタンに指を曲げて置くことができる。本体の両側にある窪みには親指と薬指を添わせるように置けるため、狭い机の上で本体を持ち上げて移動するのも簡単だ。写真を見る限りでは“キワモノ”なマウスに思われるかもしれないが、左右ボタンに指を掛けてみると、見た目以上に“普通の”マウス的な操作感覚を得られるから驚きだ。位置のセンシングは光学式なので使う場所を選ばず、ポインターが飛ぶようなこともなかった。ただし、スクロール機能がないのはやや残念なところだ。
なお、Expressカードスロットしか持たないノートパソコンには対応していない(スロットに収納して充電ができない)ので、お使いのノートパソコンのカードスロットは購入前に確認しておきたい。フル充電すれば連続で約5時間の動作が可能なので、自宅のデスクトップパソコンなどのPCカードスロットで充電しておき、ノートパソコンと一緒に持ち出して、外出先ではBluetooth対応のノートパソコンと組み合わせて使うというのも現実的な方法だ。
その薄さや、まっ平な上面から、本製品はありがちな“ネタ商品”(オモシロ形状のUSBメモリーなど)に見えるかもしれないが、実際に触ってみるとなかなか操作性がよくて使い勝手もいい。ノートパソコンをメインに使うが、なるべくならマウスで使いたいという人には非常に利便性の高いアイテムだ。無線LANの標準搭載が進み、USB端子だけでほとんどの用が足りてしまってPCカードスロットはいつも空いたまま、という人も多いだろうが、MA-BTCARDを1枚入れておくと実用的で便利な上、衆人の注目も集めることができるだろう。
MA-BTCARDの主なスペック | |
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製品名 | MA-BTCARD |
インターフェース | Bluetooth 1.2 Class2、PCカード type II(充電用) |
Bluetoothプロファイル | Human Interface Device Profile |
利用可能範囲 | 半径10m(最大) |
分解能 | 450カウント/インチ |
読み取り方式 | 光学センサー式 |
本体サイズ | 幅54×奥行き87×高さ5mm |
重量 | 40g |
電池駆動時間 | 連続約5時間、連続待機約178日 |
対応OS | Windows Vista/XP(SP2) |