握りやすい、だけじゃない!
マウスにも「エルゴノミクスデザイン」(人間工学に基づく設計)をうたった製品が多くなり、マウス売り場を眺めると左右非対称な製品のほうがむしろ多いほどだ。
左右非対称なマウスの多くは、握りやすくするために右手の角度に合わせてやや右側に「くの字状」に曲がっているものがほとんどだが、単に握りやすいというだけでは人間工学的というにはまだ物足りない。
サンワダイレクトの「ペンマウス WOWPEN JOY」(型番:400-MA011)は、ペンという名前とは裏腹に、まるで「おにぎり」のような形状をしたユニークなマウスだ。楕円の底部から斜めに円錐台が伸びて、斜めになった側面にボタンやホイールなどの操作部が配置されている。
底面には光学センサー、右側面に左右ボタンとスクロールホイールが配置されているため、形状は奇抜でも操作方法はマウスそのもので、操作に戸惑うことはない。また、左側面の親指が当たる部分には「進む/戻る」ボタンも用意されている。
手首は上下方向にこそ動かしやすいのだから!
実際に使ってみると、思いのほか快適で、なおかつ手首の疲労はかなり軽減されることに気が付く。人間工学といった小難しい単語は抜きにしても、実際に手の平を机と水平にして上下左右に動かしてみればすぐに分かることだが、ヒトの手首は左右の可動範囲はたかだか45度くらいしかないのに対し、上下の動きは90度近くある(なかには手の甲が手首にぺたりとくっつく人もいるくらいだ)。

手首の左右の動き(筆者の場合)。だいたい左右45度程度まで

対して上下なら90度近くまで動く。人によってはもっと可動域が大きい場合もあるだろう
また、物を持ち上げたりボールを投げたり、鉄棒にぶら下がったりするといった動作でも、手首に力をかけるのは上下の動きが主体で、左右の動きはそれほど使わないはず。
にもかかわらず、マウスは机の上で操作することを前提としたために手首の左右の動きが中心になってしまい、その結果、普段あまり使わない筋肉を酷使することになる(もちろん人間の進化の過程において、マウスが登場したのが最近過ぎる! なんて指摘しても意味がない)。

握るというよりも手を添える感じ。手首はとても自然な角度でホールドできる

左右に振ってみても、通常のマウスよりも無理なく大きく素早く操作できる
人間の構造に合わせて道具を工夫するのは当然のことであり、マウスを縦長の形状にしたこの製品も、より動かしやすい手首の上下方向の動きを活用するための「正しい工夫」というわけだ。
本製品だけでなく、左右非対称なエルゴノミクス形状のマウスをよく見てみると、上面がわずかに右側に傾斜している場合がある。これもある意味で手首の上下方向の動きを活用していると言えるだろう。もちろん完全に垂直に立っているスティックならば手首の上下方向の動きをフル活用できるわけだが、それではマウス的な操作感覚から外れてしまう。
その点本機の傾斜角度はかなり絶妙で、マウスとして利用するのに違和感がそれほどないところがポイントと言える。
価格は3980円。マウスの激しい動作(や長時間の操作)で手首に疲労を感じたり、腱鞘炎を気にしている方は、一度試してみてはいかがだろうか。
ペンマウス WOWPEN JOYの主なスペック | |
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製品名 | ペンマウス WOWPEN JOY(型番:400-MA011) |
品番 | 400-MA011 |
インターフェース | USB(有線式) |
センサー | 光学式 |
分解能 | 800カウント |
ボタン | 左右・進む/戻る・スクロールホイール |
本体サイズ | 幅82×奥行き100×高さ80mm |
重さ | 130g |
