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実写で見るソニー「α200」

2008年02月24日 09時00分更新

文● 小林伸

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十分実用に足るISO 3200の画質、色味も自然でいい


 まず全体を通した印象としては、大変好印象を受けた。エントリー機では、鮮やかさを重視して、ややどぎつい印象の画作りになっている機種も多いが、いたずらにビビッドさを追い求めてはいない。もちろん設定によってこのあたりを追い込んでいくことは可能だが、イヤミがなく、自然な画を出すことを念頭において画作りしていこうという開発側のメッセージをデフォルトの設定から受け取った。特別パラメーターをいじらなくても簡単にこの色味を得られるので初心者でも安心して使用できると思う。

色味のチェック

夕方の少し日が赤くなったところでオートホワイトバランスのまま撮影。見た目ほど日の赤さは出ていないが補正されすぎてもおらずいい感じの色味になっている。ソニーのホワイトバランスは嫌いではない

 ソニーとしては最初の一眼レフ機となった「α100」の発表時(関連記事2)には、コニカミノルタとソニーの青に対する考え方の違いをうまくマージし、新しい色が作り出せたというコメントもあった。そのあたりの持ち味はα200でもしっかりと継承されている。次ページのサンプルにおける「空の青さ」や、朝焼けの「まだ日が青く沈んでいる部分」などに片鱗が表れている。大変きれいな青だと思う。

高感度撮影01

ライブ前の機材セッティングの風景。ISO 3200での撮影だが、通常縮小して見るぶんにはそれとは思えない仕上がりだ

 高感度のノイズに関しては、α100の弱点として挙げられていたが、大きく改善されていることが分かる。ISO 1600以上になると、確かにノイズがかなり発生しており、色味にも若干の変化が出てくるが、縮小して使うことを前提──例えば、ブログなどで小さく使用するぶんにはまったく問題にならないだろう。筆者としては、最高感度を積極的に使用して今まであきらめていた状況を払拭できるほうにアドバンテージを感じる。

高感度撮影02

リハーサル中、照明がある程度本番に近い状態になってきたのでテスト撮影。メインのライトはタングステンだが、オートホワイトバランスでも、ほかのフィルターの付いたライトに引きづられることはなかった。Photoshopで縦位置に変更後、リサイズ、最高画質で保存

水鳥の写真

連写性能はそれほど高いわけではなく毎秒3コマ程度だが、このくらいの動きのある被写体でも、シャッターチャンスは捉えられる

 そういう意味では、α200の画はα100の画を現在の技術レベルでできうるところまで追い込んだ、正常進化の絵作りという印象だ。コニカミノルタ時代からのα的な絵作りが好きという人には、魅力的な選択肢が増えたと考えていいと思う。

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