十分実用に足るISO 3200の画質、色味も自然でいい
まず全体を通した印象としては、大変好印象を受けた。エントリー機では、鮮やかさを重視して、ややどぎつい印象の画作りになっている機種も多いが、いたずらにビビッドさを追い求めてはいない。もちろん設定によってこのあたりを追い込んでいくことは可能だが、イヤミがなく、自然な画を出すことを念頭において画作りしていこうという開発側のメッセージをデフォルトの設定から受け取った。特別パラメーターをいじらなくても簡単にこの色味を得られるので初心者でも安心して使用できると思う。
ソニーとしては最初の一眼レフ機となった「α100」の発表時(関連記事2)には、コニカミノルタとソニーの青に対する考え方の違いをうまくマージし、新しい色が作り出せたというコメントもあった。そのあたりの持ち味はα200でもしっかりと継承されている。次ページのサンプルにおける「空の青さ」や、朝焼けの「まだ日が青く沈んでいる部分」などに片鱗が表れている。大変きれいな青だと思う。
高感度のノイズに関しては、α100の弱点として挙げられていたが、大きく改善されていることが分かる。ISO 1600以上になると、確かにノイズがかなり発生しており、色味にも若干の変化が出てくるが、縮小して使うことを前提──例えば、ブログなどで小さく使用するぶんにはまったく問題にならないだろう。筆者としては、最高感度を積極的に使用して今まであきらめていた状況を払拭できるほうにアドバンテージを感じる。
そういう意味では、α200の画はα100の画を現在の技術レベルでできうるところまで追い込んだ、正常進化の絵作りという印象だ。コニカミノルタ時代からのα的な絵作りが好きという人には、魅力的な選択肢が増えたと考えていいと思う。