iKnow!ユーザーはエリートが多い?
── iKnow!は現在無料で提供されていますが、どういうビジネスモデルを取っているのでしょうか?
エリック ユーザーに良いものを提供しながら、いずれは広告モデルに移行しようと思っています。ユーザーから直接お金を取るわけではなく、グーグルやヤフーみたいにして。現在ユーザー数が7万人ぐらいですが、英語に関心がある層のプロフィールを見ると、エリートの方が多いと思うんですよね。給料が普通より少し高いかも知れない、旅行に行く回数が普通の人よりも多いかも知れない、普通の人より少し良い車を持っているかもしれない。広告主には、こういう傾向のユーザーがいてこれだけの時間を使っているということを示して、どういう商品を見せたいのですか、料金はこれくらいでいかがでしょうかと、データーをピックアップすれば、広告主も効果を計ることができて、広告を入れやすくなると思います。
長谷川 この無料という部分が大事で、ユーザーのみなさんからお金を取るつもりはないんですよ。ヘビーユーザーの中には、これが欲しいというものがあったりするから、ひょっとしたらそういうものに小さな課金をすることはあるかも知れない。でも、いまサイトで使えるものは「ずっとタダなので」。是非そこのところを強調させてください。ユーザーの皆さんには安心して使っていただきたいなと思います。
より多くの人に使ってもらいたいという思いがiKnowを生んだ
── もともと法人向けにiKnow!を展開していたものを、なぜ無料にしようと思ったのですか?
エリック もともとはiKnow!を法人向けに提供していて、皆さんが知っているような従業員が10万人以上の巨大な会社でも使っていただいてました。でも、われわれには夢があったんです。より多くの人に使ってもらいたい、たくさんの日本人の方に英語を勉強していただきたいという。日本人は教育レベルが非常に高い。勉強に熱心な方がすごく多いのに、なぜか英語力は他の国の人に比べるとランクが低いじゃないですか。英語への入り方とか、いろいろとやり方がベストじゃないと思うんですよね。
日本では英語学習に文法から入りますが、実は世界では第2外国語を勉強するときに文法から入ることはあまりないんですよ。私も第3外国語で日本語を勉強したんですけれど、文法からは入ってないです。だから、いまだに日本語の文法があまりよく分かってません。でもなんとか意味を伝えられる。それはなぜかというとパターンで憶えているからなんですよ、こういう言い回しがあるとか。それを色々使って人の反応を見て、これはちょっと違うなとか。それも子供の頃に勉強した日本語と今の日本語とでは、変わってきてるんですよね。あいつKYだよねとか(笑)。そういう生きた言葉を提供したかったんですよね。
でも、法人向けに出すと、お金をいただいている以上はどうしても先方の要望を優先することになるじゃないですか。そうすると夢が叶わない。だから、法人に頭を下げて「お金を返します」と言ってまで、リレーションシップをキャンセルしたんですよ。これからタダでやりますから、どうぞそちらを使ってくださいと言って。そのほうがこちらも夢が叶うし、チャンスも生まれてくる。広告モデルと課金モデル、どちらでも行けるんですけれど、我々は職人メンタリティとして、広告モデルのほうが作りたいものを作れる。投資家もしっかり儲けられる。だから、広告モデルのほうが良いんじゃないかと思って、こちらを選びました。
