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脳科学に裏付けられた画期的学習エンジン

やる気にさせる英語学習SNS「iKnow」の意外な素顔

2008年02月21日 18時00分更新

文● 板井博史

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もともとはMBA対策校


── そもそも何でiKnowのサービスを思いついたんでしょうか?

長谷川 ここの2階に「アゴス・ジャパン」という学校があります。エリックとアンドリューがそこをスタートしたのが1989年です。もともとはMBA対策校だったのですが、「英語をどうやって身に付けるか」という問題を抱えている生徒さんが多かったので、もっと効率よく英語を教える仕組みがないかと、いろいろ考えたんです。

オフィス

セレゴ・ジャパンのオフィス。iKnow!開発チームは英語圏以外にも、韓国、中国、スウェーデン、オランダ、アイスランド、ベルギーなど12カ国からきたスタッフが揃っており、非常に国際色豊かだ

── それは意外でした。

長谷川 その過程でいろいろな大学・大学院の研究者たちと話をしました。その結果、「反復学習プロセス」に行き着いた。記憶を定着させるために必要なのは、忘れそうになったときにビシッと情報を入れ直してあげることです。それを自分で判断しようと思ってもなかなか難しい。自分で単語帳をペラペラめくっても憶えているのか憶えていないのか、なかなか分からないじゃないですか。それをコンピューターでうまく判断する仕組みを作って、2003年に特許を取りました。



PDA、企業向け、そしてSNSへ


── 2003年とはかなり前から取り組まれていたんですね。最初にスタートしたのはどのようなものだったのですか?

長谷川 最初はPDA向けだったんですよ。でも結局PDA自体が流行らなかった。その後ネットサービスが浸透してきたので、サーバーサイドで仕組みを作って、法人向けのサービスとして何年かやっていたんですよ。

── いわゆる「eラーニング」との違いは意識されていましたか?

長谷川 教材って、良いものを作っても、それを使おうという意欲がそそられないとダメなんですよ。eラーニングと一般的に言われるものには、紙の学習プロセスをパソコン上に移しただけというのが多くて、パソコンの良さをうまく生かしたものがほとんどなかったんです。そこで、法人向けに提供していたiKnow!学習エンジンのコアにSNSの機能を付けて、みんなが助け合って意欲を駆り立てあえる環境を作ろうとしました。それが2006年の終わりごろです。そこから開発を始めて、2007年10月にサイトをオープンしました。


「ディクテーション」──学習アプリケーション(2)


iKnow

iKnow!アプリケーション

 iKnowで学習した文章を聞き取って、タイピングを行なうアプリケーションが「ディクテーション」だ。英文を正しく聞き取って、正確に単語を綴ることが要求される。より難しい文章を、より早く正確に回答するほど高いスコアが出る。TOEICチャンネルでは、イギリス/オーストラリアの発音で文章を読み上げるコースもある。個人的な体験談を話すと、筆者はこれを繰り返し学習したことで、海外ドラマを見てもかなり聞き取れるようになった。

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