グーグルも中国市場に対しては真剣だ
中国においては「インテリが使う」検索エンジンであるのGoogleは、今年も百度ユーザーを取り込むべくいくつかのアプローチを行なった。
ひとつは10月に発表した「g.cn」という世界最短のドメインを運用開始したこと。昨年には「谷歌」というGoogleの漢字名を発表し、横文字が苦手な人のためのアプローチを行なったが、g.cnというドメインもまた「Google」という単語を頻繁にミスタイプする人が多いという調査結果から取得に踏み切ったとか。
もうひとつがインターネットと連動してアップデートを頻繁に行なう無料IMEソフトのリリース(4月)。日本と同様に漢字の国だからこそ、中国でもまたIMEはユーザーに身近なソフトであるが、なんと発表後しばらくして「このIMEソフトが他のIMEソフトの盗用であること」が判明した。
便利なサービスから、かなり怪しいサービスまで
一方、中国で支持を集める百度は、中国におけるGoogle以上にさまざまなサービスをリリースしている。
開始したサービスを挙げると、動画検索サービスこと「百度視頻」(2月)、視覚障害者などのための検索サービスを謳った「百度盲道」(4月)、中国文化を検索対象に絞った「文化共享搜索」(8月)、ゲーム情報に特化した検索サービス「百度遊戯頻道」(9月)、北京オリンピック特設サイト「百度2008総動員」(10月)、動画配信サイト「百度影視」(11月)と、2ヵ月に1回のハイペースで新サービスを追加している。
変わった消費者へのアプローチでは、Yahoo!知恵袋のような人力検索(中国語で人肉捜索:筆者ブログ参照)の「百度知道」とケンタッキーフライドチキン(KFC)がコラボレーションを行なった。具体的には、百度知道でKFCにまつわる各種疑問に答えるスペシャルサイトを用意、一方でKFCでは、プレートにひく紙に百度知道のKFCのスペシャルサイトを紹介するというものだ。
百度ツウの一部読者はよく知っているだろうが、百度のサービスで最も著名で、最もグレーゾーンなのが「百度mp3検索」だ。文字通りMP3ファイルを始めとした音声ファイルを検索し、ダウンロードや試聴のサポートをするサイトである。2005年には、ソニー BMG、EMI、ワーナーなど、世界のレーベル企業7社が百度を著作権法違反で提訴するなど、しょっちゅう訴訟沙汰になるサービスであったが、今年1月にはEMIと試聴に限定した音楽の配信で、7月にはRock Music Group(RMG)が音楽配信で百度と提携し、徐々に正規音楽を配信する改善の方向に同サービスは向かっている。
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