信頼できる「場の空気」はいかにして生まれたか? 「発言小町」に見る読売新聞社のCGM観(前編)
2007年12月07日 15時00分更新
インターネットの登場により、既存メディアはいま転換期にある。ではメディアの古典である新聞はインターネットをどう生かすのか? それとも新聞はネットの大波に飲み込まれるのか? この連載では各新聞社のキーマンを直撃し、彼らのネット戦略や時代認識を読み解いていく。
今回は読売新聞社のケースを見てみよう。
Googleマップと組み合わせた新サービスも
読売新聞社では公式ニュースサイト「YOMIURI ONLINE」上で、来年2月17日開催の東京マラソンに合わせ、観衆から寄せられた写真をコース地図に掲出する新コンテンツ「報道マップ」を始める。
読売新聞東京本社のメディア戦略局局次長、根本千尊氏によれば、沿道の観衆に「カメラマン」として報道に参加してもらおうというユーザー参加型の企画だ。
投稿は、携帯電話で撮影した写真に、その場でGPSなどの位置情報とコメントを付けてメール送信してもらう。送られた写真はGoogleマップ上に掲出し、「ニュース」とその「現場」を、見た人が直感的に把握できるヴィジュアル感あふれる報道を目指すという。今後は大きなスポーツイベントのほか、大規模災害などでの利用を見据えている。
一方、同社と日本テレビ放送網は今年9月から、動画共有サービスの「FlipClip」(フリップ・クリップ)と共同で、ユーザーが撮影した事件や事故などの現場映像を投稿できるウェブサイト「みんなで特ダネ!」をスタートさせている。
パソコンや携帯電話から写真・動画を簡単に投稿できるしくみで、特に貴重な特ダネは読売新聞や日本テレビのニュース報道の素材として採用する。
このように読売新聞社では動画にも力を入れており、YOMIURI ONLINE上でも動画ニュースを配信するほか、「V.box」(ブイボックス)というサービスではユーザーが撮った映像の投稿を受け付けている。
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